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日雇い派遣 底辺カルタ ら行〜ん / 底辺現場は猿山に似たり


【ら】楽なポジション 当たれば ラッキー

【り】離職率 高い理由は 明らかだ

【る】ルールにも ちらほら見られる 派遣差別

【れ】冷房暖房 真夏も真冬も ありません

【ろ】労災の 予防どころか 増大対応

【わ】 「悪いけど 今日の仕事 なくなりましたー」
※出発直前に電話がかかってくるやつ。
 私は抗議して、日当の6割補償をさせた。

【を】ヲタクには 嬉しい仕事 ゲーム検証
※何度かやった!

【ん】んんんんんー いっそ あの世で就職するか

(【あ】あの世では 働かなくていいんだな)



≪ちょいと小話≫ 底辺現場は猿山に似たり


日雇い派遣の現場が、野獣に支配されていることがある。

特に夜勤帯の食品工場で遭遇する確率が高かった。大手サプライチェーンに属し、建物の設備が整っていても安心できない。人手不足なら、どんな連中でも採用してしまうのだから。


リーマンショックで仕事がなく、私のスキルがなかった時期は、昼夜と仕事を掛け持ちしていた。世の中が不況で、仕事を選んでいる余裕はなかった。


とあるコンビニ食品工場の弁当製造に、夜勤で入った時のことである。

製造現場に足を踏み入れて15分もしないうちから「てめえ」「このやろ」「ざけんじゃねえ」「うるせえ」「何してんだよお!」と荒ぶるパート達の、怒鳴り散らす声が聞こえてきた。

風貌も、野生の凶暴な猿さながらで、黄色に濁った目がキャップとマスクの間から、ギョロギョロと殺気立っている。
近くにいる新入りのパートのおばさんを2人(2匹?)で虐めている様子だった。
仕事が始まる前から、この調子だ。

そちらの方を見た一瞬、私と凶悪猿の1人と目があった。
前世の野生が今世でも発揮されているのか?「目が合った」というだけで「てめえ、何見てやがんだ!このやろう!」と、金切り声をあげてきた。
感情レベルを超え、長年の悪い脳内物質や万年セロトニン不足により脳が変質し、人間性を欠いてしまった哀れな野獣なのであろう。

「君子危きに近寄らず」


凶悪な猿達から距離を取り続ける作戦が功をなし、ライン作業では同じレーンにならずに済んだ。

凶悪な猿達は、新入りパートをずっと虐め続けていた。
「てめー!なにやってんだ、こら!」
「クソ、ボケ、カスがー!死ねー」などと叫び続けているが、この現場の社員は誰も注意しない。

遠雷のように止まない叫び声が工場内に響き渡る、長い長い夜だった。
鬼殺隊が上弦の鬼と戦う長さと、たぶん同じ感覚だ。







・・・ようやく迎えた、朝6時。
あと1時間で解放だ!

ここまでは「近寄らない作戦」で、なんとか凶悪な猿達と距離をおけた。
あと少しなのだ。平和に逃げきれ!


ライン作業が終わり、コンテナの整頓に回された。

解放!解放!
心は踊った。



その時、
事件は起こった。


コンテナの台車を移動させていたら、虐げられていたパートのおばさんが「うおおーーー!」と叫びながら、コンテナ十段を重ねた台車を、凶悪な猿達に次々とぶつけたのだ!

台車はひっくり返り、コンテナが散乱した。凶悪猿コンビはひっくり返り「ぎゃー!」と叫んで、コンテナに埋もれた。

虐められていたおばさんは「言いたい放題言いやがって!もう許さないんだかんな!ざまあみろ」と怒鳴りつけながら、次々とコンテナを積んで、凶悪な猿の体を埋めた。


阿鼻叫喚地獄だ。


(とうとうやったか・・・!)

虐められていたパートさんを心の中で応援していた私は「たいへーん!大丈夫ですか〜?」と、横に弾かれたコンテナを持って、凶悪な猿達を助けるフリをしながら、優しく埋めた(猿達から私は見えていない)。

コンテナの下から「くそ〜、許さねえ。ぶっ殺す!」「みてろよ、ちくしょう」と叫ぶ声がする。

ますます凶暴化してゆく猿達の"封印"が成功しているうちに、社員が来てくれたので、ハブとマングースの戦いのような、血みどろの合戦は避けられた。

社員の男性は「何やってんだ、お前ら!!!」と、学校の先生のように、渦中のパート達を連行して行った。



このように日雇い派遣で行くような夜勤帯の現場には、刑務所から出所したてのような人種までいるから恐ろしいので覚悟して・・・、いや、最初から行かないのが正解だ。
※もちろん全ての工場がこんなではないし、サプライチェーンの内部統制も近年厳格になっているから、マシになっている・・・はず!



しかし、だ。
凶悪な猿達は、自分たちが被害者になると、ますます凶悪化する。

きっとこの後、慰謝料だ、裁判だ、と「正当な恐喝」を嬉々として始めたことだろう。
こうなってしまうと、真の被害者である"虐められていたパートさん"のほうが法的に悪者にされてしまうのだ。
(本当は凶暴な猿を野放しにしている会社も安全配慮義務違反となるのだが、大抵そこは無視されるし、証拠がなければ会社に揉み消される)

なので、皆さんは決して暴力で解決しようとしてはいけない。

暴力が正義なのは、少年マンガの中だけである!
(といいつつ、私のスマホは少年マンガのアプリだらけなのだがw)


※猿の名誉のための追記
タイトルに"猿山"と書いたが、猿の方がインテリジェントな存在であろう。


不運な人を助けるための活動をしています。フィールドワークで現地を訪ね、取材して記事にします。クオリティの高い記事を提供出来るように心がけています。