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240301 日記7 映画「女神の継承」ネタバレ・感想

低気圧でつらい1日だったけどアマプラで「女神の継承」を見るのを楽しみに乗り切った。

夜、まっくらな室内で気合を入れて鑑賞。
怖かった・・・。
この映画は前に有料でレンタルしたので見るのは2度目なんだけど、それでも終盤のこれでもかと畳み掛けてくるような絶望感の連続がやばい。
以下、思いっきりネタバレしながら感想↓

公式サイトにあるあらすじは、
「小さな村で暮らす若く美しい女性ミンが、原因不明の体調不良に見舞われ、まるで人格が変わったように凶暴な言動を繰り返す。途方に暮れた母親は、祈祷師である妹のニムに助けを求める。もしやミンは一族の新たな後継者として選ばれて憑依され、その影響でもがき苦しんでいるのではないかー。やがてニムはミンを救うために祈祷を行うが、彼女に取り憑いている何者かの正体は、ニムの想像をはるかに超えるほど強大な存在だった……。」


タイの東北部に根付いている精霊信仰や霊媒師の生活に密着するドキュメンタリーというていで、霊媒師のニムにインタビューするところから撮影が始まっているんだけど、まず思ったのはタイの文化や生活が興味深い。お葬式で遺影の周りにキラキラのイルミネーションを飾ったり、ロケット花火で点火して火葬するのとか、日本じゃ絶対やらないようなことが淡々と行われてる。
霊媒師のニムは女神「バヤン」の力を借りることができる人らしいけど、ごく普通の田舎にいそうな中年女性という感じ。一方でいかにも頼りになりそうな雰囲気も持っているので、もし「〇〇の母」みたいな占い師だったらつい悩みを色々話してしまいたくなりそう。
というか、霊媒師って地域のコミュニティにとってはそういう存在なのかもしれない。
そんな中で姪のミンが体調不良や奇行に悩まされるようになり、「ニムに憑いている(守護している?)女神がミンに継承されつつあり、その様子を映像に残せるのではないか」と考えた取材班はミンにも密着することに。
ミンはなんというか、いかにも今時の若い子で、ショートパンツやミニスカを履いたお姉さん。女神なんてくだらないと思って友達とキャピキャピしながら生活してる。
この子の変貌ぶりがもう・・・恐ろしいんですよ・・・。

色々あって、ミンに取り憑いているのは女神ではなく、先祖がかつてたくさん人殺しをした時代があり、その遺族が呪いをかけて悪霊を取り憑かせているらしいと判明。
ニムよりもさらに強いお祓いの先生?に除霊の儀式を依頼して、準備を進めるんだけど・・・
ミンの奇行がますます激しくなって、犬を殺したりいとこにあたる子供を攫ったりとシャレにならないレベルに。
家のあちこちに置いた定点カメラに記録された映像が怖すぎる。
今風のお姉さんの面影ゼロ。
ワンレンの髪がボサボサ、見た目がボロボロすぎるのに眼光だけが殺気染みてていかにもやばいものに取り憑かれてる。

儀式前日、ニム死亡。原因不明。

儀式当日、ミンから悪霊を移動させる?目的で、ミンの母親ノイが何やら文字かびっしり書かれた布を被せられた状態で登場。
お経のようなものを先生とお弟子さんたち大勢で唱えて儀式を行うんだけど
ノイの顔の布に血がぶわっと滲んで、ポタポタ落ちる・・・。ここが私の中でかなり怖いシーンだった。吐血したのを壺に収めて儀式続行。
だけど、ミンが隔離されていて、お札をドアに貼られて部屋から絶対出すなって言われてたのに騙されて出しちゃったことで儀式は失敗。
先生が悪霊に取り憑かれて満面の笑みになった時点で、「あ、終わったな・・・」って絶望がすごい。もうこれ、助からないわ・・・ってなる。
いとこの赤ちゃんも無惨に死亡。
この映画、ペットと子供が死ぬのが無理な人は絶対見ない方がいい。いまさらだけど。
その後ミンの母親が顔面が血まみれの状態で「女神の存在を感じる!」って言い始めて儀式続行することに。でも明らかに表情が正常ではない。本当にそれ、女神・・・??

儀式は無理やり続けられたけど、結果的に参加者全員が悪霊(のしもべのような霊?)に体を乗っ取られて自殺。ミンだった何かが会場に火を放って終了。

見事に誰も生き残らなかった。

この手の映画にありがちだけど、
カメラマンさんが全員しぶとい。
どんな状況でも絶対カメラを手放さない。仲間が死んでも・・・自分が襲われても・・・内臓が出ても・・・。
も、もう逃げた方がいいんじゃないですか!?って声かけたくなってしまう。

そして見終わった後、いくつか疑問が残る映画だった。
①女神バヤンは存在したのか?
儀式が失敗して全てが終わった後に、ニムの生前最後のインタビュー映像が流されるんだけど、そこでニムは「実は最初から女神を信じられていない」って告白するんだよね。
いかにもベテランの頼れる霊媒師だったニムのイメージが最後に崩れて終わる。ものすごいモヤモヤする。
②ノイが存在を感じたのは本当に女神バヤンだったのか?
これ、見た感じ「違う」って思ったんだけど、最後の最後、ノイが死ぬ直前にもノイは女神の名前を出して娘から悪霊を追い出そうとしてるんだよね。
ということは、同じ種類の悪霊ではなかった・・・・??
女神は当初ニムではなくノイを選んでいたという経緯もあって、どっちなの!?ってわからなくなった。
③「この車は赤い」の意味は?
儀式に際し、ノイの車に貼られたステッカーにあった言葉。
先生は意味を説明しなかったけど、霊を欺いて、ミンからノイに移すためにそう書いたのかな。

上記の点が気になりつつ、とても私好みの土着信仰系モキュメンタリーを楽しめて良かった。2時間あっというまだった。

少し間を空けてまた見たいな。


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