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人はいつから演歌が好きになるのか、っていう昔からの疑問を定点観測的に考えて文字にしてみたっていう話

昔から疑問に思っていることがある。

人はいつから、演歌が好きになるのか。
人はいつから、ゲートボールが楽しくなるのか。
人はいつから、オバタリアン(古い!)や頑固おやじ(これも古い?)になってしまうのか。
人はいつから、「今時の若いやつは」って言い始めるのか。

今挙げたのはもちろん一例なんだけど
要は、なぜ人は今の気持ちを忘れてしまうのか、ということ。

だって、
30年前はきっと「演歌はださい」とか「私はあんな風にはならない」とか
思ってたはずなんだよね。

もちろん、演歌やゲートボールが悪いとか若い人のやるものじゃない、とか
言ってるんじゃないよ。
それらが好きな若い人もいるしね。

ものはなんだっていいんだけども、
たとえば箸が転がっても笑っていた人がいつの間にか
バスの中の女子高生に「うるさい」って怒鳴ったりするわけで。

私も含め、みんな「花も恥じらうお年頃」があったはずなのに
そして、あんなおばさんにはなりたくない、と思っていたはずなのに
何事もなかったかのように、
数十年後にはそういうおばさんになってる……

そのことについて、10代のころから不思議に思っていて、
人生の時々でそのことを考え、
ああはなりたくない、と思ってはきた。

四半世紀が経過し、
バスの中で若い子に怒鳴るようなおばさんにはなっていない自負はあるけど、
とはいえついつい「最近の若い子は」って言いそうになる自分はいる。
言わないまでも思ってはいる(笑)

「今のこの気持ちを忘れたくない」って思っていた10代のころのことを、
そのこと自体は昨日のことのように覚えているのに、
なぜか、「忘れたくない」はずだった「この気持ち」は
見事に忘れてしまっているじゃないか。

「あなたも私くらいの年になったらわかるわよ」と大先輩に言われて
何言ってんだおばさん、とか
別にわかりたくないわ、とか
腹の中で悪態ついてたけど、
今となっては同じセリフを吐いていたりするから恐ろしい。

いや、それが人の成長?というもので
恐ろしいことでもなんでもないのだろうか。

そうなのかもしれない。

でも、なんか切ない、と思うのは私だけだろうか。

恋愛もそうか

今の気持ちを忘れてしまう、という話で言えば
恋愛や結婚のシーンでもよくあることだよね。

「一生そばにいてね」
「一生大事にするよ」
と誓い合ったカップルのうち、いかに多くが離婚の道を選んでいることか。

2021年の婚姻件数:501,138件
2021年の離婚件数:184,384件

<厚生労働省「人口動態統計(確定数)の概況」/2021年>

最後は罵りあって別れる人たちも多いようで。

かくいう私もいわゆるバツイチなんだけど、
円満離婚とはいえ、
結婚する時の気持ちが変わってしまったことは否めない。

恋愛で人の気持ちが変わってしまうことは
誰しも経験しているだろう。
心変わりを責める人も中にはいるだろうけど
でも初めての恋愛でそのまま結婚する人、
もっと言えばそのまま添い遂げる人はごく稀だろうから
人の気持ちは変わるってことは、みんなわかってる(暗黙の了解)ってことだよね。

そしてやっぱり、恋愛の場面だって多くの場合
気持ちが変わってしまうことは、
理解はできても、切ないことが多いよね。

そうか。

人の気持ちが変わるのは
「成長」といえば言えなくもないけど
それよりももっと根源的というか原始的というか
「そういうもの」ってことなんだろう。
(脳科学とか心理学とか?難しいことはわからないけどさ)

むしろ、変わらなかったら怖いかもしれない。

結婚生活が続いている人たちだって
「ずっと好きだよ」と言った新婚の頃の気持ちとは
違う形での「好き」に変化して続いているのだろうから。

「ずっと変わらないよ」と誓った恋でさえ、
ああはなりたくない、と強く思っていてさえ、
人の気持ちは変わる。忘れる。

怖いことで、悪いことでも、悲しいことでもないんだろう。

むしろそうやって、感情に名前を付けることでもないってことだ。

私だって、いったい何回
「あなたじゃないとダメなの」って言ったよ?(恥)

そう思える男性に出会って
そういうセリフが言える恋をできたことは幸せだったと
今でも思ってるけど、

「あなたじゃないとダメ」なわけではなかったな(笑)
今となっては。

あの頃の気持ち

人の気持ちは変わる。
今の気持ちを忘れてしまう。
そのことを
「それが大人になるってことだよ」の一言で片づけたくないと
10代の私は思っていたのでした。

それに抗いながら、疑問を持ちながら生きていきたいと
思っていたんだったな。

四半世紀経ってこういうことを書いてるんだから、
そこについては、10代の気持ちを持ち続けたとも言えるのかもしれない。

ザ・ブルーハーツを聴きながら
銀色夏生を読みながら
「今のこの気持ちをずっと忘れたくない」って思ってた10代の自分

忘れちゃったこともたくさんあるし
失くしちゃったものもたくさんあるけど
きっとまだまだ続く人生の途中で
こういう気付きを記せることに感謝しよう。

2023年6月の自分の備忘録として。

今日はここまで。読んでいただきありがとうございます。



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