見出し画像

生成AIの普及に伴うハラスメント問題の深刻化「AIがもたらす新たな課題と対策」#DX企画書のネタ帳

こんにちは、近森満です。今日もDXしてますか?

さて今回は以下の内容でお届けします。

タイトル:生成AIの普及に伴うハラスメント問題の深刻化
サブタイトル:AIがもたらす新たな課題と対策

【記事概要】
近年急速に発展している生成AI技術は、ビジネスや日常生活に大きな変革をもたらしています。しかし一方で、新たな課題も生み出しつつあります。本記事では、生成AIがハラスメント問題にどのような影響を与えるのかを考察し、その対策について提言します。


【音声配信】
※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。
ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。


はじめに

生成AIという革新的なテクノロジーの登場は、社会に大きなインパクトを与えています。効率化や利便性の向上など、ポジティブな変化をもたらす一方、倫理的な課題も浮き彫りになりつつあるのです。

1)生成AIがハラスメント問題に与える影響

(1) 知識格差によるパワーハラスメントの助長
 生成AIに関する知識や利用経験の差が、同僚間のパワーハラスメントに発展するケースが懸念されます。AIを活用できる人とそうでない人の間に上下関係が生まれ、不当な扱いを受ける可能性があるのです。
 例えば、AIを使いこなせる上司が部下に対し「お前はまだこんなことしかできないのか」と叱責するようなケースが考えられます。

(2) プライバシー侵害によるセクシャルハラスメント
 高度なAIを悪用することで、個人のプライバシーが危険にさらされるおそれがあります。特に性的な情報が流出した場合、深刻なセクハラ問題に発展しかねません。
 実際、海外ではディープフェイク技術で女性の顔を合成したポルノ動画が出回り、社会問題化しています。
 インターネット登場以降、このようなケースは度々懸念の声が上がっていますが、技術、文化、法、国、企業、etc… なかなか収まりがつかない状況にみえます。

2)ハラスメントに対する意識の低さ

(1) 表面化しにくい実態
 日本では依然としてハラスメント問題に対する認識が低く、表面化しにくい傾向にあります。厚生労働省の調査でも、パワハラの相談は4割以上、セクハラは3割近くに上っていますが、これはあくまで発覚したケースの一部に過ぎません。
 「うちの会社は大丈夫」「自分は関係ない」といった意識が、問題の芽を摘んでしまっているのです。

(2) 法的責任の認識不足
 ハラスメント行為の中には、刑事罰や民事賠償の対象となるものも少なくありません。しかし、加害者の多くはその重大性を理解していないのが実情です。
例えばパワハラは、刑法上の暴行罪・脅迫罪に問われる可能性があります。「叱咤激励のつもりだった」では済まされないのです。


3)AIハラスメントという新たな脅威

(1) 差別的な学習データがもたらすバイアス
 生成AIが学習する過程で、人種差別的・性差別的なデータが混入すると、AIの判断にバイアスがかかってしまいます。そのようなAIを何の疑問もなく利用し続ければ、ハラスメントを助長しかねません。
 現に、海外の採用AIが人種を理由に不当に不利に扱う傾向があると指摘されています。日本でも無自覚な差別が起きる危険性は十分にあるでしょう。

(2) ブラックボックス化がもたらす弊害
 AIがどのようにして結論を出しているのか、その内部プロセスが見えづらいブラックボックス問題も看過できません。不適切な判断の背景が分からない以上、抜本的な対策は難しくなります。
 例えば、AIが従業員の昇進を不当に妨げていたとしても、アルゴリズムが複雑すぎて原因究明できない、といった事態が起こりうるのです。

4)企業に求められるAIガバナンス

(1) 倫理的な開発・運用体制の構築
 ハラスメント問題に適切に対処するには、企業のガバナンス強化が不可欠です。AIの導入前から多様なステークホルダーを交え、倫理的な開発・運用体制を整備しておく必要があります。
 欧州の大手IT企業では、専門の倫理委員会を設置して全社的なチェック機能を働かせています。日本企業も単なる法令遵守にとどまらない積極的な取り組みが求められるでしょう。

(2) 全社的な意識改革と教育
 トップのリーダーシップの下、社員全員がハラスメントの重大性を認識し、AIリテラシーを高めていくことが肝要です。
 例えば、管理職向けの研修で多様性尊重の大切さを伝え、全従業員に生成AIの功罪両面を学ぶ機会を設けるなどの工夫が考えられます。「AIには差別も思い込みもない」といった誤解を解くことから始めたいものです。

参考:
職場におけるハラスメントの防止のために(厚生労働省)


さいごに

生成AIの目覚ましい発展は、社会に大きな変革をもたらしつつあります。しかし、それは諸刃の剣とも言えるでしょう。負の側面に目を向け、ハラスメント問題という新たな脅威に真摯に向き合っていく必要があります。企業は率先してAIガバナンスの体制を整え、社会全体で意識改革と教育を進めていかなければなりません。そうした努力の積み重ねによって、AIがよりよい未来を切り拓く原動力となることを期待したいと思います。

いかがでしたでしょうか?
すこしでもみなさまの気づきになれたのであれば幸いです。
ではまた。

 参考記事:
ハラスメントとは?定義・種類・関係する法律・発生時の対応方法などを分かりやすく解説!(契約ウォッチ)

【音声配信】
※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。
ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。


#生成AI #ハラスメント #AIガバナンス #AIリテラシー #企業倫理

よろしければサポートお願いします。DX関連のブラッシュアップに使用致します。どうぞ宜しくお願い致します。