テンプレ育児やめました

子供がまだ0歳だった頃。

それまで小さい子と
関わることもなければ、
そもそも「子供」があまり
好きではなかったわたし。

育児についての知識も経験も
あまりになさすぎて、
小さな息子との毎日を
どう過ごすべきなのか
不安な気持ちでいた。

そんな頃、育児サークルで
何人かのママたちと出会った。
みんなとても親切にしてくれて、
育児情報を教えてくれたり、
子育てイベントに誘ってくれたりした。

自分の育児に自信のなかったわたしは、
ほかのママたちを模倣するかのように
どうにか日々を乗り越えていった。

息子のハーフバースデーには
フォトアートにチャレンジした。
ママたちに評判のEテレ番組を観せ、
おすすめと言われたオモチャを買った。
ママたちといっしょに離乳食教室や
ベビーマッサージにも通った。
1歳の誕生日は、ママたちに倣って
はじめてのカレーライスを食べさせ、
ヨーグルトケーキを作り、
100円ショップで買った材料で
部屋を飾りつけた。

はじめての誕生日の記念に、
ママたちに勧められた
おしゃれなフォトスタジオで
家族写真を撮影した。

親は目立たないように
白いシャツを着たほうがいいよと
言われて、そのとおりにした。

おめかしした息子と、
白いシャツを着て笑うわたしと夫。

スタジオから送られてきた
その写真を見た瞬間、ふと思った。

これ、何がおもしろいの?

右も左もわからないまま、
どうにか前進しようと
必死になってかけぬけた1年。

わたしがやってきたことって、
ただのテンプレ育児じゃん。

自分の頭でどれだけ考えた?
自分の意志でどれだけ選択した?

途端に、これまでの自分が、
「育児」と思っていたものが、
どうしようもなくつまらなく思えた。

もう、やめよう。

他人を真似してもおもしろくない。
それはわたしや、
わたしと夫の育児じゃない。

それからは、
自分でさまざまなことを調べて、
考えて、選んで行動するようになった。

わたしにしかできない育児をしよう。
わたしと夫らしい、
わたしと夫だけの育児をしよう。

テンプレ育児をやめたら、
子育てはとても楽しくなった。
焦燥感みたいなものがなくなって、
何をするにも、どこへ行くにも、
わくわくするようになった。

あの1年間の経験は、
わたしにとっては貴重だった。
あのテンプレ育児を経験したからこそ
わたしらしさ、息子らしさ、
わたしと夫らしさ、みたいなものが
いかに大切か思い知った。

自分らしく、楽しむこと。
育児だって仕事だって、人生だって。
何だってそうなんだ。

さあ、育児を楽しもう!
わたしだけの育児を楽しもう!

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