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習い事をひとつ増やしたら、しんどすぎた

習い事をひとつ増やした。
息子じゃなくて、わたしの。


「習い事」と呼べるほどたいそうなものではないけれど、あまりに怠慢な性格で、体を動かすことに微塵も興味を示さないわたしを見兼ねた夫に勧められて、数年前から週に1回、ヨガレッスンに通っている。

ヨガのレッスンがある日は、仕事から帰ってすぐに食事の用意をはじめあれこれ家事をしてから、夫に残りの雑事と息子をまるっと任せてレッスンに行き、息子が寝入ってから帰宅するという生活。

ヨガ自体は楽しく通っているけれど、どうにもこうにも、この「息子におやすみを言えない日」というのが「息子大好きすぎる怪人オカアチャン」こと、わたしにとってはストレスを感じるものでもあるのが本当のところ。

ところが先月、縁あって新たに弓道を習い始めることになった。

学生の頃のお遊び部活動でやっていた弓道。おばあちゃんになったらまたやってみたいなーなんてぼんやり考えてはいたんだけれど、近くの道場で指導者をやられている方と知り合ったことがきっかけで、練習に参加させてもらえることになった。

弓道の指導日は週2回。
ヨガと合わせると、週3日を自分の「習い事」に費やすことになる。

うん、いや、あのね、アクティブすぎるのよ。
わたしはこの人生で「怠惰こそ至上の幸福」を証明したいと思って生きてんの。
寝転がってお菓子食べながらYouTubeで時間溶かすのが、理想的なしあわせ。
そんなわたしが週3日もせっせと習い事に出かけていくなんて!笑止!!!!

ほんとにほんとに。習い事は楽しい。とっても充実しちゃってる。
だけどさ、どうにもこうにもしんどい。忙しい。忙しいの、いや。しんどい。

このままだと続けられなさそうだから、ヨガやめて弓道だけにしようかなって、そりゃもう弓道通いはじめて1週目で夫に相談したらしっかり止められた。ヨガと弓道は別物だから、どちらも続けたほうがいいよって。知ってるよ。知ってて言ってんだよ。


んで、まー、思うわけさ。
そりゃ習い事に対するモチベーションも、ライフバランスへの考え方も、十人十色、一億二千万人一億二千万色なんだけどさ。いくつも習い事やってる子どもたちってえらいなって。遊びの延長みたいな気持ちでやってるのかも知れないけれど、やっぱりちょっとダラダラする時間ってほしいよ。
何にも拘束されず無為に過ごしたい。10時間くらいぶっ続けでPS5やりたい。
学校行って、宿題やって、習い事行って。そんな生活、何年も続けるのえらすぎる。

いや、えらいっつーか、もうね、がんばりすぎよ。そんなにがんばんなくていいと思う。
だって、みんな結局どれだけがんばって習い事通って、どれだけがんばって勉強して、どれだけがんばっていい学校入って、どれだけがんばっていい会社に就職したって、結局、YouTubeで時間溶かすんでしょ?

だから、わたしはやっぱり息子には、息子が自発的にやりたいと言った習い事だけをさせたいと思うし、息子がやめたいと言ったら二つ返事でやめさせてやれる潔さを忘れずにいたいよ。それは親としてというより、人として。良識ある大人として。
他人の人生を自分の想像力だけで操作することはしないでいたいし、がんばることを強要したくない。

なーんて、書きながら、ああそうだ、息子のふたつめの習い事はわたしがやらせたくてやらせることにしたんだったって思いだすけれど、その話はまた別の機会に。


そんなこんなで1ヶ月、自分ではじめるって言っておいて、やだやだ言いながら週3回の「習い事」に通ってる。やめたくはない、けど、しんどいし、面倒くさい。行きたくない、だけど、行きたい。
子どもたちが習い事いやいや言うのも、こんな感じなのかな?

なんてことをあれこれ考えながら、わたしは自転車をこぐ。
行きたくないだのでも続けたいだの言いながら、別に何かを成し遂げたいわけでもなく、ただこの人生をおもしろく生きたいためだけに。
「お願いします〜」なんて猫撫で声を出しながら、またその扉を開くんだ。

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