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平田哲朗個展「芸術か科学か」

3331アーツ千代田で開催されている、平田哲朗個展「芸術か科学か」へ。
圧倒的なというのはこういうことなのだろう。圧倒されて、つぎにはわくわくしてくる。
まだ助手のなりたての頃、彼の在籍した学年を担当した。卒制か大学院の時だったかもう定かではないが、鉄板にシャボンのように泡を吹き付けて弾けた円の連続を定着していたものを前にして、東大だったかほかの大学だったか、とにかく専門の研究者の先生と繋がって、すごいことになってるんですと嬉しそうに今自分のやっていることがどれだけ凄いのかを説明してくれたけど、むずかしくてわからなかった。卒業後、何年も会うことはなかったが、facebookで繋がって、氷見で活躍していることは知っていた。
 (人には、話したい時、会いたい時に会っておかないといけない。)

会場に入ると、その作品の圧倒的な量におどろく。
ずうっと続けていた。自分の使命に出会ってしまったり、気がついてしまった者は、それを無かったことにはできない。
視線は、PPバンドやロックタイや鉛筆などで作られた夥しい数の構造体の中を滑り込んで不思議な感覚につつまれてくる。次から次に、今度はこうきたか、あ、次はこうなって、というふうに、彼の手の動きを追跡するようにトレースしていく。
はるか昔の記憶や彼の顔や声、そのころすぐ隣にいた人たちなどがオーバーラップしてきて、泣きそうで、でも清々しい、そう、長い年月をかけて太陽系を通過していったボイジャーのように宇宙の惑星間や銀河の中を通過するってこんな気分なのかもしれないとかいうイメージに包まれる。
17日まで。会期短いので是非足を運んでほしい。展示そのものも、力のある人たちが展示したことがわかる優良な展覧会。とにかく凄いものを見た。圧倒された。

#ART #3331アーツ千代田 #芸術 #展覧会

鉛筆 : )

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