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お姫様

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「なむどくにっき」にお立ち寄りくださり、ありがとうございます。

ななです。

今回のお話はわたしがまだ幼く、5歳か6歳頃のお話です。

わたしが暮らしていた実家ではベッドではなく毎日布団を敷いて寝ていました。
この頃布団は母が敷いていてくれていて、それは母がやるものだと思い込んでいました。

ある日の夜、わたしとむむは寝ようとすると布団がまだ敷かれていなかったために、母に布団を敷いてもらおうと母に声をかけました。
すると母は突然怒り出し、何かブツブツ言いながら布団を敷きだしました。
わたしもむむも母が怒っているのは母の出す「怒っているオーラ」とひとつひとつの行動の荒さでわかりました。
何か手伝おうにも布団の敷き方もわかりませんし、下手に手伝うと怒鳴られてたたかれる可能性があったので母が布団を敷き終わるのをじっと待っていました。

布団を敷いていた母は手を止めて突然こっちをにらみつけてきました。何かされると思ってわたしは身構えました。
「お前らはお姫様か!」
そう母は怒って声を荒げました。けれどわたしは母が言っている意味がわかりませんでした。
お姫様?いや違うけど…?おかーさんは何を言ってるんだろう?と思いました。
わたしは母が何を言いたいのかわからず、困りました。

母は布団を敷き終わり、部屋を出ようとしました。わたしはきっとたたかれると思いました。
けれど母は怒りの形相でこちらを見たまま軽く頭を下げました。
「はいどうぞ~お待たせしましたお姫様!」
母は怒りをたっぷり含んだ口調で忌々しそうに言いました。
てっきりたたかれると思ったわたしはぽかんとしました。
母はそのまま部屋を出て行きました。
わたしは「なんだあれは」と思いました。母が何を言っているのかよくわかりませんでしたが、母の怒ったオーラとわざとらしい口調でどうやら怒られているらしいことはわかりました。
母はハッキリと自分の考えを言わずに相手に察してもらおうとするスタンスでした。
ですから母がなぜ怒っているのかは怒られているこちらが考えなくてはいけませんでした。
今回もそうなんだろうと思いました。

だいたいすぐに予想はつきました。
母は布団を敷くのが嫌になったんだろうということです。
これまでずっと母が布団を敷いてきました。わたしも「母がするもの」と思っていました。
けれどもどうやら母は布団を敷くのが嫌になった、それで怒り出したんだろうと思いました。
「お姫様」についてはよくわからないけれど、次は怒られるかもしれない。怒鳴られたりたたかれるのは嫌なので翌日からわたしとむむは自分たちで布団を敷くようにしました。
もちろん布団の敷き方はわかりませんでしたが、敷き方を聞けば怒られるかもしれません。手探りでやるしかありませんでした。


後になった今では母の言った「お姫様」の意味も部屋を出る時にしたことも、どういうことなのかわかります。
わたしとむむに言った「お姫様か」というのはわたしとむむが布団を敷かせるだけで何もしない「お姫様」だ、ということを言いたかったのでしょう。
同時に母自身が召使いのように扱われていると感じたのだろうと思います。
ですから後で部屋を出る時に「お待たせしました」などと嫌味を言ったのでしょう。
わたしやむむに対して「お前らのせいでわたしはこんなに頑張ってやってやってるんだぞ」とプレッシャーをかけて罪悪感を感じさせようとしてやったことだろうと思います。
わたしたちが「お姫様」なら、母は「女王様」ということになるのではないかと思っていましたが、そういうことではなかったようです。
これを理解した時、わたしは母のやったことが非常に回りくどくてわかりにくい、また陰湿だと感じました。
布団を敷くのが嫌、めんどくさい、負担であるならそれを回避できる方法を考える方が良いのではないかと思います。
子どもたちに自ら布団を敷くようになって欲しいなら「毎日布団敷くの大変なんだ、だから明日から自分で布団敷いて欲しいんだ、敷き方教えてあげるからやってみて」と言えばいいのですが、母はプライドが高く相手に察してもらおうとするスタンスのためそれが言えなかったのでしょう。
さらにもともと母は日ごろから教えるということをせず、すべて「言わないが察しろ」「わかって当たり前」「フツーにやれ」と言い、そして母のやり方でなければまた怒る人でした。
おそらく「教え方がわからない」「教えるということに自信がない」というのが正直なところだったのではないかと思いますが、なんにしろ布団の敷き方を教えるということも母には困難なことだったでしょう。

また、母が布団を敷く間わたしが何もしなかったのは日常的に母から暴言や暴力を振るわれてきたためです。
当時のわたしはすでに何か手伝おうとして手を出すと怒られることを知っていました。失敗すると「何をやってるんだ」「邪魔ばっかりしやがって」と怒られる、たたかれることを知っていました。
だから布団の敷き方にしろ何にしろ、「間違えると怒られる」と学習していたために「怒られるなら何もしないでおこう」と思っていたのです。
つまり、母がわたしやむむを「お姫様」と言ったり「お待たせしました」などと嫌味を言う羽目になってしまった原因はすべて母自身が作っていたのでした。

これまでずっと布団を敷くことに負担を感じていたならそれを口にしなくては誰にも伝わりません。母の思うやり方でやって欲しいならそれも伝えなくてはなりません。
何も伝えずにすべて察しろというのは大人でも無理ですし、5、6歳の子どもであればより難しいことだと思います。
嫌味を言う前にまず家族に対するコミュニケーションの方法をもうちょっと考えて欲しいところですね。


今回のお話は以上になります。
今から思い返せば、わたしが家のことでできるようになったことは基本的に母がやっていたことを突然母が怒り出したからやらざるを得なくなったというパターンが多い気がします。
母から優しく何かを教わったことはほとんど無いような気がします。母はストレスの解消の仕方が絶望的に下手なのかもしれませんね…
みなさんどうぞこの後は春に一度は食べたい、カラーリングもかわいいモチモチ食感の三色団子でも食べて楽しくお過ごしください!
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
ではみなさん、良い1日を~!

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