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240427(詩というかエッセイというか)

漠然とした夢しかなく
現実には滅多打ちにされ
握ったままの手を振りかざせず
ほくろのあるその手は空だけを切った

生きていくのには繊細で
死ぬには怒りが強すぎた
加害者にも被害者にもなりたくない
ワイドショーで
ガリガリの骨のような人達に
鑑定されるのなんて願い下げだった

何かが過剰で何かが欠落していた
「人はみなそうだよ」
そういう慰めは何度も聞いた
優しく逞しく育った良き人たち

できる限りの
武器と世界が欲しくて
図書館や書店へと惹き寄せられて
おとなに止められても諌められても
そこに私を護る何かがあった

だけれどもどれだけ壁を高くしても
外からの評判は大きく聞こえ
自意識過剰は粉砕された

護るとは何だったのか
自らが望んだのに誰とも共鳴できない
そのことが精神を蝕んだ

虫食いにされた己を抱えて
どこかに捨てようとも思ったが
ついに捨てることはできなくて
じぃっと 考えて
白黒思想にグレーを加えて

そうして
何年何月何日
生き延びている自分がいる
本も人も音楽も
歪な形のままでも否定しなかった

否定していたのは自分だけで
信じなかったのも自分だけで

歳をとって丸くなったとは思わない
心の中のナイフは生きている

今でも私は
本が好きで
音楽が好きで
自分の中を覗き込むのも
やめられなくて

やっと「それ」を肯定できた
「それ」とは私だ
私と世界を
中途半端で答えはない世界を
生きるという諦念と覚悟だ
それはアレキサンドライトのようでうつくしい
美しくて哀しい


私は初めて自分を好きだと思いはじめている





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