［60］野分晴れ 三句

野分晴のわきばれ白き産声あげる富士

初嵐われもわれもと落ち葉集う

野分晴のわきばれ窓洗われて月白む

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最近急に秋らしく肌寒くなった。
うっかり上着を忘れて出かけて、
乾いた強い風に思わず腕を抱えることもある。

そして昨夜は、
台風が一晩中暴れながら通り過ぎていった。

今朝は昨日の嵐が嘘のような雲一つない晴天。
そして、
つるりと真っ青な空に、
産声を上げるように真っ白に輝く富士山。

そんな晴れやかな景色の中、今朝の散歩は賑やかだ。
名残の木枯らしに誘われて、
カラカラと楽し気にささやきながら、
落ち葉が寄り集まってくる。
いつもの散歩が新鮮な喜びに満ちる。

やがて夜空には、
さっき洗われたばかりのような、
白々と清らかで強い光を放つ月が浮かぶ。

台風は、空も山も私も、
何もかもを洗い清めていったようだ。

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