Oculus Questを300時間使い倒したレビューとスペック比較【7000文字】
2020/09/19 更新
こんにちは、なでしこ大和です⚔
今回は、フェイスブック(Oculus社)が2019年5月に発売したスタンドアローン型VRゴーグル『Oculus Quest(オキュラス クエスト)』のレビュー・解説・比較をしていきます。
たぶん、これを読んでいる人は「VRゴーグルを買ったことがない人」がほとんどなんじゃないなと思います。
やっぱり買ってから後悔はしたくないですよね。
なので、
「Oculus Questは知ってるけど買おうか悩んでいる」
「Oculus Questの濃密なレビューを読みたい」
という人向けに記事を書きました。
さらにはおすすめのアプリの紹介や、Oculus Goと、Oculus Rift Sとの比較もするのでぜひ参考にしてみてください。
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1-1 Oculus Questの基本スペック紹介
Oculus Questの基本スペックを載せます。
(重要なところは太字にしました。)
・タイプ:スタンドアローン型
・トラッキング:インサイドアウト方式
・自由度:6DoF
・解像度:2880 x 1600 (片目1440 × 1600)有機EL
・リフレッシュレート:72Hz
・視野角:100度
・CPU:Snapdragon 835
・音声:スピーカー
・重量:約570g
・バッテリー:2~3時間(ゲームで約2時間、動画で約3時間)
~軽く解説~
・スタンドアローン型とは?
スタンドアローン型とは、PCとVRゴーグルをケーブルで接続することなくそれ単体で動作するタイプのVRゴーグルです。
基本的にVRゴーグルはPCと繋いで動かすタイプが一般的です。
それもゲーミングPCレベルの高いスペックが要求されるので、一般の人には手が出しづらい代物でした。
そこでスタンドアローン型の登場です。
煩わしいケーブルもいらないので、没入感を損なわないのもポイントです。
最初のスタンドアローン型VRゴーグル『Oculus Go(オキュラス ゴー)』はは2018年5月に発売されました。
これの後継機がOculus Questという流れです。
・インサイドアウト方式とは?
インサイドアウト方式とは、手や動きを認識するためのセンサーがVRゴーグル前面に搭載されている物を指します。
(外部センサーを用いる方式をアウトサイドイン方式と言います。)
メリットとしては、外部センサーを設置する必要がないためセッティングの手間がかかりません。
デメリットとしては、精度よく手を認識できるエリアがゴーグル前面に限られるところです。
しかし、普通にプレイする分には特に問題は感じませんでした。
・6DoFとは?
まずDoFとは「Degrees of Freedom」日本語で自由度と言います。
自由度には3DoFと6DoFの2種類があります。
Oculus Questは6DoFです。
3DoFは首の左右・上下・傾きの3種類しか検知することができません。
一方。6DoFは首の検知に加え、身体の移動も認識することができます。
これにより、実際にVR空間を歩き回るようなことも可能になりました。
VRで体験できる幅が大きく広がりました。
Oculus Questはスタンドアローン型でありながら、インサイドアウト方式を取り入れ、さらに6DoFを実現したことから高い評価を得ました。
スタンドアローン機の集大成と言うべきVRゴーグルです。
それでは実際に購入したときの様子を見てみましょう。
1-2 箱・付属品の紹介
Oculus Questを購入すると、画像のような箱に包まれて届けられます。
表面
裏面
箱を開けるとこのようにスッポリ収まっています。
中身を取り出してみましょう。
付属品は以下の6つです。
・説明書
・セットアップガイド
・USB Type-Cケーブル
・ACアダプタ
・単3電池×2個
・メガネスペーサー
単3電池はコントローラに使います。
メガネスペーサーをゴーグルとフェイスクッションの間に挟むことで、メガネをかけたままでも不快感なく操作できるようになっています。
1-3 Oculus Quest本体の解説
それではOculus Quest本体を見ていきましょう。
箱から取り出すとこのようになっています。
個人的には人生で初めて購入したVRゴーグルなので、感動のご対面です。
のっぺりした前面の4隅にはセンサー(カメラ)が取り付けられています。
まわりはファブリックな素材で覆われていて、あまり固くない印象を受ける見た目になっています。
裏返すと右側に音量ボタン、左側にIPD調整スライドが付いています。
IPDとは瞳孔間距離のことです。
スライドを動かして左右に分かれたディスプレイの位置を調節し、ぼやけ・疲れ・VR酔いなどを大きく低減することができます。
レンズ中央の黒い長方形のところにセンサーが付いていて、ゴーグルを被るだけでスリーブモードを解除できるようになっています。
スピーカーは内部に埋まっているため目視できませんが、レンズの両サイドあたりに位置しています。
また、ゴーグルの両サイドには3.5mmジャックが付いているため、イヤホンやヘッドホンを付けることも可能です。
装着は左右・上部のマジックテープを引っ張ります。
Oculus Questは前面に重量が集中しているので強めに締め付けないとズレてしまいます。
その関係で目の周辺が圧迫されるので、顔にゴーグルの跡が残りがちです。
ただし、おもりを後頭部に取り付けるなどの一工夫を加えれるとある程度解消できます。
フェイスクッションは3つのツメで固定されており、引っ張ると簡単に取り外せます。
触ってみるとけっこうフワフワです。
吸汗性は高いので、定期的に洗ったほうが衛生的によさそうです。
1-4 コントローラの解説
Oculus QuestのコントローラはOculus Touch(オキュラス タッチ)と呼ばれています。
握ってみると思いのほかコンパクトで、グリップ部分は手のひらにすっぽり収まるサイズ感です。
重量感はほとんどありませんでした。
手汗はけっこう目立つ表面をしています。
ボタン構成は以下の通りです。
親指でボタン3つ・アナログスティック
人差し指用トリガーボタン
中指用トリガーボタン
コントローラは単3電池で動きますが、電池の消耗はとても激しかったです。
コスパを考えるならば充電式(バッテリー)一択なので、Oculus Questと一緒に購入しておくのをおすすめします。
ぼくはパナソニックのエネループを使っています。
(充電器も必須です)
1-5 300時間使った使用感(レビュー)
Oculus Questを一言で表すなら「お手軽高品質」です。
一番の魅力はやはり値段ですね。
5万円で高品質なVR体験をできるのは大きな強みだと感じました。
ぼくのようにゲーミングPCを持っていない人にとっては最適なVRゴーグルだと思います。
ゴーグルをひょいと被ればすぐ開始できるので、セッティングがいらないのもお手軽ポイントです。
起動までのハードルが一切ありません。
バッテリーは2~3時間までと短いように感じるかもしれませんが、そもそも2時間も連続で起動することがほとんどないので問題なしでした。
充電しながら使用するときは、ケーブルを後頭部から垂らすようにクリップで固定することで快適になります。
何より、家にいながら楽しく汗をかけることにVRの真価があるように感じました。
VR空間にダイブする没入感と、新しいゲーム体験と、実際に身体を動かすフィットネス感が新たな価値を生み出しています。
スタンドアローン機でありながら、高品質なVR体験ができるのも大きな魅力の一つです。
VRゴーグルにはスマホを刺すタイプのものがありますが、その差は圧倒的です。
「スマホVRはVRじゃない」と言う人の気持ちもよく理解できます。
もちろん、ゲーミングPCの恩恵を受けれるPCVRと比べてしまうと物足りなさは否めないでしょう。
特にソーシャルVRの代名詞でもあるVR Chatでは、アバターの制限や入れないワールドがあるなどの大きな制約があります。
話題のバーチャルマーケット会場にもOculus Questだと入場できませんでした。
(Quest向けに作られた別会場はあったりします)
なので、ゲーミングPCを持っている人はPCVRを買うほうが満足できるかと思います。
一方で、Oculus Questはアップデートによる変化が大規模で面白いのも魅了的です。
たとえばOculus Link(オキュラス リンク)機能はOculus QuestをPCVR化できる革命的な代物です。
スタンドアローン機としての運用も、ゲーミングPCと繋ぐことも可能です。
これによりQuestと同時期な発売されたPCVRゴーグル『Oculus Rift S』との境目が曖昧になりつつあります。
Oculus Linkはベータ版なので不具合があったり、PCやケーブルとの兼ね合いが動作の安定に深く関わるため少し複雑になりますが、大きな可能性を秘めている機能です。
次に、実際に体験できるコンテンツを見ていきます。
2-1初期から遊べるおすすめアプリ
Oculus Questは無料コンテンツがたくさん備わっており、実はアプリを購入しなくてもけっこう遊べます。
(実際にぼくが初めてゲームを買ったのはOculus Questを購入してから5か月後だったりします 笑)
・Beat Saberの体験版
「VRと言えばコレ!」なタイトルですよね。
VRリズムゲームの決定版。
剣で切る爽快感がやみ付きになります。
VRを始めたら一度は体験してみたいゲームの一つですね。
・寝ながらYouTube
VR動画といえば360°動画が話題になりますが、実は寝ながら動画を見れるのもめちゃめちゃ快適です。
目の前に映画館のスクリーンがある臨場感を家でゴロゴロしながら楽しめます。この快感は革命的でした。
NETFLIXやDMMの公式アプリもあります。
ブラウザからニコニコ動画も視聴できました。
・無重力バスケ『Echo VR』
最近追加された無料で遊べるゲームです。
無重力間で行う5人 VS 5人のバスケのようなゲームで、まさにeSports。
競技性が高いのと外国人が多いので難易度は高めでした。
2-2 インディーズゲームが遊べるSideQuest
Oculus QuestにはSideQuest(サイドクエスト)という公式ストアにはないインディーズゲームが遊べるアプリを導入することができます。
Quest特有のソフトの少なさをカバーするためにはもはや必須レベルです。
中には挑戦的なアプリがあったり、企業の実験的なアプリがあったりとバラエティ豊かなものが揃っています。
常にトップの人気を誇るPavlov: Shack(パブロフ)という対戦型FPSゲームはとてもおすすめです。
エイムもリロードも物陰に隠れるのも全て自分で行う快感は、既存のディスプレイ越しのFPSゲームでは絶対に味わえません。
もちろん無料です。
ぼくはPavlovにハマったおかげでソフトを5か月間も買わずに過ごすことができました。
2-3 大規模アップデートで常に進化中
主な大規模アップデートは以下の3つです。
・ハンドトラッキング
・Oculus Link
・パススルー+
・ハンドトラッキング
コントローラを使用せず、ゴーグル前面の4基のカメラで素手を認識し、VR空間を操作できます。
試験的に導入された機能ですが、今後は正式にハンドトラッキング採用のソフトが出るなど、今後も盛り上がっていく機能です。
Oculus Rift Sは実装されていないため、Quest独自のオリジナリティ要素の一つと言えるでしょう。
・Oculus Link
Oculus QuestをゲーミングPCとケーブルで繋いでPCVR化させる機能です。
スタンドアローン機ゆえの弱点(性能の低さ・ソフトの少なさ)を補うことができる革命的なアップデートでした。
ベータ版なのでいくつか不具合が報告されているようですが、かなり可能性を秘めている機能の一つです。
ぼくのように、「ゲーミングPCがないからOculus Questを選んだ人」にとってはあまり関係のない話に聞こえるかもですが、選択肢が増えるのはいいことだと思います。
・パススルー+
ゴーグル本体を軽く2回たたくと、画面が瞬時に現実のカメラ映像に切り替わります。
地味な機能と思いきやとても便利です。
いちいちゴーグルを脱ぐ必要も、ゴーグルのちょっとした隙間から覗く必要も、パススルー設定をコントローラで操作する必要もなくなりました。
さらにはwebブラウザが複数窓に対応したりと、今後も進化が止まりません。
それでは具体的に他Oculus製VRゴーグルとの比較をしていきます。
3-1 Oculus Go(オキュラス ゴー)と比較
Oculus Questの前世代機『Oculus Go』と比較してみましょう。
・タイプ
Go:スタンドアローン型
Quest:スタンドアローン型
・自由度
Go:3DoF
Quest:6DoF
・解像度
Go:2560 × 1440(片目1280 × 1440)液晶
Quest::2880 x 1600 (片目1440 × 1600)有機EL
・リフレッシュレート
どちらも72Hz
・視野角
どちらも100度
・CPU
Go:Snapdragon 821
Quest:Snapdragon 835
・重量
Go:約470g
Quest:約570g
全体的にOculus Questのほうがスペックが高いようです。
Oculus Go最大の問題は自由度3DoFしかなく、しかもコントローラが一つしかないことだと思います。
これによりVR体験が大きく制限されています。
自由度の違いは大きいです。
解像度、CPUもQuestに軍配が上がります。
IPD調整ができない点もネックになっています。
Oculus Questに勝ることと言えば、値段か軽いことくらいではないでしょうか?
3-2 Oculus Rift S(オキュラス リフトS)と比較
最後にQuestとほぼ同時に発売されたOculus Rift Sと比較します。
・タイプ
Rift S:PCVR
Quest:スタンドアローン型
・自由度
Rift S:6DoF
Quest:6DoF
・トラッキング
どちらもインサイドアウト方式
・解像度
Rift S:2560 × 1440(片目1280 × 1440)液晶
Quest:2880 x 1600 (片目1440 × 1600)有機EL
・リフレッシュレート
Rift S:80Hz
Quest:72Hz
・視野角
Rift S:115度
Quest:100度
・CPU
Rift S:PCに依存
Quest:Snapdragon 835
・重量
Rift S:500g
Quest:約570g
意外にも解像度はQuestのほうが上でした。
一方でリフレッシュレート、視野角、ゴーグル重量はRift Sのほうが上なのでQuestとどっこいどっこいな印象です。
しかしながら処理性能はゲーミングPCの恩恵を受けれるRift Sが圧倒的。
Steam VR(アプリストア)も使えるのでOculusストアしか使えないQuestからしてみれば羨ましい限りです。
トラッキングは両者ともインサイドアウト方式を採用していますが、実はRift Sのほうがカメラが1つ多く備わっており(5個)、トラッキング範囲が広いようです。
ここで取り上げたいのがQuestのOculus Link機能です。
現状ベータ版ですが、本格的に実装された場合、Oculus Rift Sの存在意義がQuestに完全に奪われてしまう可能性があります。
そうなった場合Questに勝る点は若干の性能の良さと装着感の良さくらいしか残らないのではないでしょうか?
このようにOculus Questのポテンシャルが恐ろしいほど高いことがよくわかったと思います。
4 こんな人におすすめ チェックリスト10個
「Oculus Questに興味が出てきた」という人は次のチェックリストを参考にしてみてください。
半分以上当てはまった人はQuestを購入してみても損はしないと思います。
□ VRに興味がある
□ HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を持っていない
□ スマホのVRだと物足りない
□ ゲーミングPCを持っていない
□ ゲームが好き
□ 家で楽しく汗をかいてみたい
□ 寝ながらYouTubeを観てみたい
□ 5万円は安くはないけど出せなくはない
□ 買うまではいかないけどレンタルならしてみたい
□ 今後ゲーミングPCを買う予定がある
ぼくは8個当てはまり、実際に去年の10月にOculus Questを購入しました。
最先端のテクノロジーを手軽に体験でき、人生にとって大きなプラスになったと思います。
具体的には以下の記事にまとめてあるのでチェックしてみてください。
購入時の注意点も書いてあります。
Oculus Questは64GBモデルと128GBモデルの2種類がありますが、個人的には安くて容量も十分な64GBモデルがおすすめです。
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5 まとめ
Oculus Questは大きなポテンシャルを秘めたVRゴーグルです。
実際、スタンドアローン機としての完成度は高く、購入してから後悔したことは一度もありませんでした。
今後のさらなる発展はすべてOculus Linkの完全版に掛かっていると言っても過言ではないでしょう。
これ以上レベルを上げると値段が一気に10万円前後まで跳ね上がってしまうので、ポテンシャルを含めてOculus QuestはおすすめのVRゴーグルです。
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