ネイオミ

ジョーガンジガンガ左岸。イミズスタンへは車で半刻。 人生、風味絶佳。

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最近の記事

智将はつとめて敵に食む

孫子のことばと食文化 おとなりの国、中国は、美味しいものでいっぱいですが、それは「孫子」のせいかもしれません。 孫子は、ご存知のとおり、今から約2500年前、中国がまだたくさんの国に分かれていた春秋戦国時代の軍事戦略家で、呉(呉越同舟の呉)の王に重用された孫武というひとが、著した兵法書といわれています。この戦争のバイブルみたいな本に 「智将はつとめて敵に食(は)む」という言葉があるそうです。 ざっくり訳せば「兵士や軍馬には、敵国の兵糧や作物から食べさせるのじゃ」ということで

    • 妄想 カレー西域記(2)  ディスる玄奘・三蔵法師

      まことに申し訳ありません。 今回のコラムは、深くお詫びするところから始めなくてはなりません。 というのも、前回、ガンダーラがどこにあるかというネタで、ゴダイゴの楽曲「ガンダーラ」の歌詞に、 In Gandhara, Gandhara They say it was in India とあったことに対して、 (ガンダーラはいまの)パキスタンやないかーい! (インドには無いやないかーい!) などと、ボーカルのタケカワさん、リーダーのミッキー吉野さんに対し、ネット上とはいえ

      • 妄想 カレー西域記(1) ガンダーラはどこに

        わたしが子どもだったころ、ゴダイゴが好きだった。そして、テレビドラマ「西遊記」のエンディングテーマが、ゴダイゴの「ガンダーラ」だった。 何度も再放送されたようだが、ドラマを見る機会は実はなかった。ただ、ボーカルのタケカワユキヒデが甘い声で歌う歌詞は、折り折り耳にしていた。 ♫ そこへ行けば、どんな夢もかなうというよ。 そこが、ガンダーラなのだという。なんて素敵なの。 「ガンダーラ」という土地の名は、どこか物淋しいメロディーとともに、子どもの胸に刻まれた。 子どもは高校生

        • カレーとぶっかけ飯 (2)

          その2、 ぶっかけ飯、作ってみた江戸風俗研究家の故・杉浦日向子さんは、江戸末期、庶民の間に浸透していた「ぶっかけ飯」文化が下地となって、明治初期に輸入された「ライスカレー」の普及を早めたと考えていたようです。たしかに、ご飯に汁やオカズをかけるだけで、さらさらと食べられるかけご飯は、長屋の火消しや大工や左官職人など、忙しい江戸下町の人びとに愛好されそうです。 そんな「ぶっかけ飯」を、発酵学の研究者で食品文化にも詳しい小泉武夫さんは、かつて「BCD級グルメ」と称したことがあると

        智将はつとめて敵に食む

          カレーとぶっかけ飯  (1)

          どうして世界は、カレーが好きなんだろ?  その1、魯肉飯過日、とある会合で魯肉飯(ルーローファン)をいただく機会がありました。いずれ期間限定商品として店に出す前の試食用とのこと。別のお友達のお家で収穫したとれたての美味しい新米と、いっしょにいただいたのだけれど、甘くてもっちりしたコシヒカリに、とてもよく合っていた。 新米のお振舞いとともに供された、試食用魯肉飯ほか有志によるオカズ 台湾の「かけご飯」魯肉飯は、国内でも人気だから食べた人は多いかと思う。作り方としては、刻ん

          カレーとぶっかけ飯  (1)