バルサン


とりあえず誰も自分に興味がないことはわかったよ
愛想のいい時は都合よく使ってくれるけど何度か体調を崩せばあいつは元気のない奴だとばれて、
病弱を隠してたうそつきは迷惑だってはじかれるのも時間の問題だ。
白い顔をして現場に立ってられ手は困るのだ
新居ではバルサンを炊いてゴキブリみたいにしぬんだ


私が何を与えても、大人は私より先に死ぬんだから、私には何も残らないんだから、媚たってしょうがないじゃん。彼らは貧しくて、扱いやすいけれど役には立たないの。
それに彼らの感情の解像度は低くて、私が何を伝えたって靄のかかった景色なんだ、雪国とビニール袋でおおわれた視界にさほど差異がないのだから。
ビニールを雪国の性質は違うけど、ただ、白くて透明だという色の反射のみで見立てに使われたりするの 冷たいとか空気の清涼感とかそういう感覚は切り捨てられる、
表層だけ白ければ何でも雪って言えばいい、だれも私の中の血とか、血は赤黒いんだとか割れるような頭痛といった現実に興味がなくて、私はきりすてられたわたしの自然を憐れむ
じゃあ私はどんな言葉をコレクションしたって意味ないじゃん、見た目が似てたら味とか匂いとか、危険かそうじゃないかも、言葉じゃじゃわからない人たちに、
兄言ったってしょうがないじゃん。理解できない人ってやってみなきゃわからないんだけど、危険だから何もやらせてもらえないんじゃないかな。

富士山とか夕焼けとか、遠いものと大きなものは美しいとされて、光の粒が多いほど輝かしい未来を感じているけど、私の体を作っている粒粒は汚いのか、何か厭みたいで、
そんなもとは他人にとっての自然じゃないといって記憶から消される 理解できないものはすべて滑稽に昇華されればいいほうで、私は「馬鹿」のフォルダにいったん留まったら、
じきにゴミ箱へ入れられる。忘れられてしまうから、なんとか言葉をここに書いておくことで、何か意味がありそうだと思ってもらえるくらいには、見つけてもらいたい


私のキーボードを打つのよりあの人は早い
馬鹿にされるな
私が何かが遅いのって見た目でわかるじゃん、

泣いて泣いて私の心はドラマチックだったけど、ロキソニンが効いて泣き疲れて眠ってみたら
起きた時の顔がむくんで白い山姥みたいだった。こんな姿誰にも愛されないんだろうなあと思った、
もう愛されるべき容姿じゃなかった。
鏡には愛されるために普段どれだけ取り繕っているかというギャップを見せられてしまった。

汚い実家のキッチンで料理をすることが億劫だったから、添加物をたくさん摂取した。
肌も20台という感じでかさついてきたし、虫刺されがはれたり、にきびの跡がなかなか治らない。
年を取ったら今ほども愛されないから、それに、好きな人にこそ選んでもらえなかったんだから、この先はもっとしんどいのかもしれないな。
女としてはしんどいな
私が女として選ばれてきた理由って大きめの柔らかい胸とか、嫌なことをできるだけ言わないし、否定しないからで…
胸出して気を使えばなんとかなってきたってこと?
おかしいじゃん 私が求めてるのは体調悪い時に一緒に病院に付き添ってくれて布団で寝てていいよと言ってくれて温かいご飯と薬とお水を用意してくれて治りがけも
優しく抱きしめてくれて君がいないと困るよと言ってくれる男性だ。保護者だ。
で、私は君たちに抱きしめられたときに感じ取ったはかない庇護にこのごろ酔ってしまって、だから以前より庇護の中毒になって、また誰かに抱きしめられようとしてるよ、
精子とか月経で流れる血と同じ、使い捨ての性欲みたいなものだよ
ある時急に大きな腕に抱きしめられてみたいと思ったんだそれが叶ったって、大事なのはそれが続いていくことだったんだね
続かせる自信ないよ、つづかせようとしなくてもかわいい仔は与えられてきたんだ、私は要らないと我儘したらかわいくない大人になっちゃった

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