【誹謗中傷した人を誹謗中傷するのは負の連鎖】

Twitterのトレンドに『誹謗中傷』というワードが上がってきたのが数日前のこと。同時に『木村 花』という名前も上がってきた。
ここんとこ、ナイナイの岡村さんの発言問題やら、検察の定年決議反対問題やら物々しい話題が続いていたので、最初はあまり気に留めなかった。
テラスハウスも見てなかったので、ワタシは『木村 花』さんという方を存じ上げない。亡くなったという記事を見て、ずいぶんお若い年齢の方が亡くなって話題になっていたので、てっきりコロナかと思ってしまった。
SNSでの誹謗中傷を苦に自殺されたようだという事だったのですね。

 そもそもなぜそんな誹謗中傷をうける事になってしまったのか。
いきなり世論というか、有名人がこぞって「誹謗中傷ダメ絶対!」というようなコメントが飛び交い、更にそれに賛同する人々が声を上げていて、だんだん今度は誹謗中傷した人を捜し出し、あっという間に誹謗中傷した人を今度は吊るし上げて誹謗中傷する事態になって、番組を見ていなかったワタシには何が起こってるのか分からなかった。とりあえず原因を調べてみた。テラスハウス番組内での出来事がきっかけなんですね。彼女の職業であるプロレスの衣装が、同居者に洗濯されてしまい、彼女が怒り狂った事が発端なんですか?たぶんそれ以前、その前後から彼女の振る舞いが反感を買うような状況だったのかな?と推察しました。
まぁそういう人っていますよね。ドラマでも、日常でも、本人に悪気はないんだけど周囲から反感を買うような振る舞いやキャラクターの人。
特にああいうドキュメンタリータッチの番組は、感情移入しやすい。
その衣装の洗濯事件については、たしかになぜ洗濯機の中に大事な衣装を入れっぱなしにしていたのか?そもそも、高価で大事な衣装を洗濯機で洗うという時点でどうか?と個人的には思ってしまいました。プロレスやフィギュアスケート、新体操などの衣装は本当に高価だし、とても繊細な作りをしているから洗濯機じゃなくて手洗いじゃないかと。自分の雑な行為を棚に上げて、人のせいにし怒りをぶつけるというのは、まぁ非常識だよね。
ワタシもそういう人は嫌いです。たぶんもし番組でその場面を見ていたら木村花さんに対して嫌悪感は持ったと思う。

 誹謗中傷の発端って、少なからず『正義感』から起こるものですよね。今回の木村花さんの件も、洗濯機事件で「いや間違っているのはアナタですよ!」と正すつもりのところから始まったのではないか?それが行き過ぎた結果、言葉による暴言・暴力・殺人にまで至ってしまった。誹謗中傷する人を擁護するつもりは全くない。注意・忠告する事と誹謗中傷は明らかに違う。
 注意・忠告として「怒りに任せて手をあげるのはよくないです。」とか「ボクサーや柔道なども同様ですが、プロの格闘家が手を出すのはダメな事」、「洗濯機で洗い放置している時点で、大事かどうか疑わしい」などであれば問題なかったのではないかな。あとは個人の価値観なので、その注意に耳を傾けるかどうかは、木村花さん次第。彼女が「うっさいなぁ」と反発するようであれば、今後の彼女の人生において少なからずその代償は発生するでしょう。でもそれは彼女の問題であって、オーディエンスがそれ以上にとやかく言う必要はない。でもその正義感が暴走して、攻撃性を持った言葉に変わった時点で正義ではなくなってしまう。「死ねばいいのに」「死ねよ」という言葉には、正義も愛情もない。無責任な偽善の正義を振りかざしているだけで、これで本当に木村花さんが亡くなってしまったのだとしたら、ただの殺人犯。オンライン集団暴行・オンライン集団リンチにすぎない。

 学校のイジメみたいに、攻撃してくる相手が分かっていても嫌なのに、顔も素性も知れない人から毎日攻撃されることの恐怖って、分からないかな。顔バレしない、個人が特定されないというSNSの安心感で、何やってもいいと思ってるかもしれないけど、正義感のもとに言葉を発信するならば堂々と顔も名前も出して発言すればいい。出さないで攻撃するということは、どこかに正しくない事をやってる自覚があるんだよね。じゃあやめようよ。

 中学生の頃、先輩から理不尽な言いがかりでお呼び出しを受けたことがある。年頃でよくある事なんだろうけど、言いがかりに近い「生意気なんだよお前」と。女子更衣室に呼び出されたのを無視していたら、「逃げんな」と言われたので「コソコソ女子更衣室に呼び出さないで、先輩として正しい事を後輩に言うんだったら、職員室で聞きますよ」と言ったら、舌打ちしてどっかへ行ってしまった。SNSで誹謗中傷する人ってまさにこれでしょう。名前も顔も伏せて、いかにも正義感っぽいふりしてるけど完全な正義感ではない。

 今は、木村花さんに誹謗中傷をした人を誹謗中傷してるようですね。テラハのスタジオにいた南キャンの山ちゃん達も、誹謗中傷の攻撃対象に遭ってるとか。スタジオでの発言は知りませんが、少なくとも公共の電波で木村花さんへ向かって「死ねばいい」というような誹謗中傷はしていないはず。木村花さんに対して、注意・忠告の発言をしただけの人まで攻撃するのはおかしい。本当の誹謗中傷を行った人にのみ攻撃するならまだしも、注意や意見と誹謗中傷の区別がつかないで、とりあえず木村花さんにネガティブな発言をした人全員を対象にするのならば、その銃口はそのうち自分に返ってくる。今、木村花さんを誹謗中傷した人がその返ってきた銃弾を浴びているように。

【因果応報】という言葉を知っておいた方がいい。人は良い行いをすれば良い報い(結果)があり、悪い行いをすれば悪い報い(結果)があるということ。
完全な正義ではない行いは、巡り巡って自分に戻ってくるよ。 
 
 【正義感】って厄介で、しょせん個人の感覚地だから実は不確かなもの。正義感については、ワタシはアンパンマンの作者やなせたかしさんの仰っていた事を思い出す。絶対的な正義というのは、困っている人を助ける事、手を差し伸べる事だと。アンパンマンにはアンパンマンの正義があって、困っている人に手を(時には自分の頭を)差し伸べる。その人を守るためにバイキンマンにパンチを飛ばす事はあっても、バイキンマンを死に追いやることはしない。必要以上に積極的にバイキンマンを攻撃することはない。そしてバイキンマンにはバイキンマンの正義もある。正義は立場によって異なる、という事を仰っていた。
バイキンマンなりの正義というのは衝撃的だった。でもこの言葉のおかげで人との価値観の違いについては寛容になった。
正義の価値観は、人それぞれ。絶対的に、困っている人を助ける事は誰もが賛同できる正義だという事。必要以上に攻撃しない。すごくシンプル。

 あなたの発言は、本当に正義ですか?顔出して、名を名乗れと言われたら堂々と間違っていないと、顔出して名も名乗って言える事ですか?【正義】という言葉を言い訳の盾に、ストレス解消の暴力をふるってないですか?
因果応報!  
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