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春は、溶けて。

感性でご飯食べてる人ってすごいと思う。
最近すごく思う。
バンドマンしかり、小説家しかり、コピーライターしかり。

他でもない「自分だけの感性」を武器にしてる姿はかっこいい。
唯一無二ってかっこいい。

その中でも、あぁこの人はセンスの塊だな、歌を書くために生まれてきたんだなと個人的に思う人が何人かいる。
大好きなバンドのindigo la Endのフロントマン・川谷絵音さんもそのうちの一人だ。

ゲスの極み乙女。、indigo la End、ジェニーハイ、DADARAYなどなど、バンド活動から楽曲提供、最近はLATENCYという謎の活動もやっているらしい(が、追えてないし全部追う気もない)。

己の武器をこれでもかとぶん回して爆走している絵音さんが、関西のラジオ局FM802のキャンペーンソングを手がけることになった。
(数年前にクリープハイプ尾崎さんが書いた「栞」が記憶に新しいあのキャンペーンね。)
ストレイテナーのボーカル、ホリエアツシさんも歌い手として参加するらしい。

…というニュースを見たのは、indigo la Endのツアーが終わり、二公演の余韻でびったびたの時だった。
indigo la Endの余韻ということもあり、タイトルを見た時は「『春は溶けてなくなってしまった』って感じの切ない曲なのかな」と何となく思ってた。
キャンペーンソングで切ない曲書くか?という感じもするけど。
何にせよ、絵音さんの作詞なので絶対に素敵な曲だろうという確信があった。

わたしが住んでいる地域ではFM802を聞けないので、radikoに課金してラジオでの初公開を聞いた。
こういう時、在宅勤務で良かったなと思う。

いざ聞いてみると、想像とは全く違う曲だった。
イントロを聞いたとき、風に吹かれた桜の花びらが舞っている絵が頭に浮かんだ。
春らしいあたたかい空気も感じる曲だった。

幸せだと 思える一瞬は いつでもどこかに

曲の最後はこんな歌詞で締めくくられていた。
「春になったからなんか特別なことが起きるんじゃない。いつでも春は、小さな幸せはすぐそこにあるんです。」
どんな想いでこの曲を書いたんですか?という質問に、絵音さんがこう答えていた。

「春は溶けて」ってそういう意味だったのか。
絵音さんらしいような、らしくないような。
桜ではなく椿で春を表現するところ、「溶ける」という単語の使い方、抒情的な歌詞。
本当に素敵な感性を持っているな、と感動してしまった。

5月もそろそろ下旬。
今年は梅雨入りが早いらしく、雨の日も増えたように感じる。
それでも吸い寄せられるように、今日もこの曲を聞いてしまう。

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