名前のはなし
先日、初めて来たクライアントさんに「珍しいお名前ですね〜」と言われた。
これは今に始まったことじゃないけど、確かに自分でもそう思う。
金取とかいて「かんどり」これは絶対に読めない。
元は「鐘取」書いていたらしいが、どこかの代で「金取」に変えたらしい。
こんな珍しい苗字は全国探しても多分うちの一族しかいない。
子供のころ苗字について父親に聞いたことがある。
今から数百年前。
伊達藩の殿様お抱えの薬師として代々仕えていたのだそう。
(薬師とはいまで言う医者のこと。)
長年に渡り専属の薬師として仕えていた家系だったのだが、ある代に自ら殿様に志願して武士となったご先祖様がいた。
当時はまだ戦乱の世が続いていた時代。
戦で手柄を挙げ、その褒美として仕えていた殿様から「苗字」が与えられた。
ご先祖様はある戦に出陣した際、敵方の連絡手段の一つを討ち取り、味方の勝利に貢献したと聞いている。
其のころの戦では、仲間への連絡手段として「狼煙を上げる」「伝令を走らす」「音を鳴らす」といったものが使われていた。なかでも敵が仲間への連絡手段として「音を鳴らす」為に使っていたのが「鐘」だった。
その「鐘」を奪い取り、相手の連絡手段を破壊し手柄を挙げたことから「鐘取」→「金取」となったのだそう。
生きるか死ぬかの世界に飛び込んだご先祖様。
その決断にはどれほどの「勇気」と「覚悟」があったのだろう。
今の自分に重ね合わせてみても、その大きさは計り知れない。
クライアントさんに話しながら、自分にはどれだけの「勇気」と「覚悟」があるのだろう?と改めて考えさせられた。
子供のころは苗字でイジられたこともあったけど、そんな背景を知っているからこそ「金取」という名前がなんだか誇らしい。
今日は名前だけでも覚えて帰ってください(笑)
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