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この先の夢

夫と息子がマルファン症候群とわかってからの日々、第1章が夫の手術から仕事への復帰まで。この話はあと少しです。書きたいことと公表してよいことと迷いながら整理しています。

そして第2章として息子の受診の道のりと育て方のことを書いていきたいと思っています。

全て書き終えた後に、今後の夢について書こうと思っていたのですが、思っていたより早く現実が動き出しました。 思い切って先に結論というか、この先の目標や夢について書いてしまおうと思います。その方が現実化しやすいかもしれませんし…

2つの夢

マルファン症候群の患者さんの慢性疼痛や健康管理に鍼灸師として役に立ちたい
マルファン症候群の子どもの身体発育に適切な運動量の指標を見出したい

これが2つの夢です。

1 **マルファン症候群に鍼灸師として役立ちたい**

これはすでに動き出しています。大学病院のペインクリニックで鍼灸外来を担当するようになりました。

この話をいただいたときに、思い浮かんだのは、この6年で出会ったマルファン症候群の患者さん仲間でした。骨変形などもあり、慢性の痛みを抱えて過ごしている方が多いのです。何かのお役に立てないものかと思っていました。

しかし、基礎疾患を抱えていらっしゃる方は一鍼灸院の中より、医療機関の中で、他職種の方と連携する方が、よりよいサポートが受けられるはず…いうのが私の考えです。

学び直すことも多くハードになりますが、お役に立てる範囲が広がるならば…と勇気を出して非常勤で勤務させていただくことにしました。

その日は意外と早くやってきまして、すでにマルファン症候群の類縁疾患の方のサポートを担当しています。鍼灸師としては特別有能ではないかもしれませんが、経験と疾患理解を掛け合わせれば、自分しかできない役割であると自負できます。でももちろん私の家族とはまた違うので、そこはプロとしての意識をもって、さらに学びながら全力でサポートをしていきたいと思っています。

2 マルファン症候群のこどもの運動について学びたい

これは、ちょっとまだ遠い夢ですが、大好きなラグビーの話が絡むので、書きたくてたまらなかったことです。マルファン症候群とスポーツのリサーチがしたいのです。

マルファン症候群の方はとても高身長の方が多いので、疾患に気づかずにバスケットボールやバレーボールの選手として活躍する方も少なくありません。現在では実業団レベルになると、必ず心臓の検査をしてスクリーニングはしていますし、スポーツトレーナーの方などにも知られてはきていますが、試合中に大動脈解離を起こして亡くなってしまった選手やNBA入り直前に網膜剥離が分かり引退を余儀なくされた選手もいました。

大動脈解離や網膜剥離のリスクの他、関節や目の水晶体がゆるく脱臼しやすい方も多いので、血圧が急に上昇するウェイトリフティング系の運動や、接触性の高いスポーツは避けるように言われています。

症状には濃淡があり、長身を生かして実業団レベルまで運動ができる方もいれば、幼少期から運動は難しい方もいます。

ただし、動くことに慎重になりすぎて、成長期の刺激が足りなかったせいで骨密度が十分でないと言われた方もいらっしゃいました。

私も息子を育てるにあたり、どれくらいの運動が必要なのか悩みました。

(これはまた改めて書いていきます。)

自分の息子、マルファンのお仲間、全ての患者さんを見ていて感じるのは、筋力は生活の質に大きな影響を与えるということです。ただ今のスポーツは健康な方、身体能力が優れている方のものに思われがちです。病気や障害があっても、楽しく適切な運動をする機会や習慣がもっとあったらいいのに…と思います。

息子は水泳と空手を習っていましたが、小学4年生になる時にやめました。どのスポーツも高学年になると競技性が高くなり、だんだん続けづらくなってくるのです。

かといって小さい子に混じって緩やかにというのもプライドもあるのでやりづらいはず…。

そうこうするうちに中学生になるとさらにスポーツが苦手な子は心理的にも体を動かすことから脱落していってしまいがちです。自分の身体性やスポーツへの意欲が両極化していく気がします。

もちろんアスリートを育てるために、高度なレベルの環境は必要です。

地域性か時代か、学校の部活で全国レベルの選手が育っていましたが、現在首都圏で過ごしていると、部活とは別のルートで育成しないとアスリート育成には厳しいのかなと思うと、経済格差がここにも出てしまうのかと愕然とすることもあります。

話がそれましたが、それぞれのレベルで、適切な運動の質と量で、基礎体力を伸ばすことができる環境があったらいいのにと思っていたのでした。

そこへ、日々チェックしている大好きなラグビー関連の情報で、競技ではなく楽しみながら子どもの基礎体力を伸ばすスクールがあることを知りました。元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬俊朗さんも監修に携わっているとのこと、一度見学にいってみることにしました。さらにスクール説明の他、2019年ラグビーW杯日本代表、2020年サンウルブズの太田千尋S&Cコーチの講演が聞けるチャンスがあるとのこと。これは行くしかありません。

家からは距離がありますが、まずは私が単身ドキドキしながら訪れると、コーチたちの子どもへの関わり方も素晴らしく、密かに感激しました。そしてラグビーファン心をワクワクさせながらも、太田コーチのお話を聞き…スポーツを通して子どもに学んでもらいたいことの理念にさらに感激。

日本代表のお話はハイレベルすぎて理解できないこともありましたが、だからこそもっと知りたい学びたいという気持ちに火がつきました。

スポーツを通じて学べることがこんなにあるのに、健康な子どものものだけになっているのはもったいない、残念だなとも思いました。

さらにいうと健康な子どもだった私は部活に励んできましたが、身体は鍛えられたものの、競技性の高さゆえに、ポジション争いの中で、自己肯定感を損なう気持ちもあったので、10代のスポーツ環境の多様性について考えました。

とにかく、この辺りのことをもっと学びたい…という欲が出ています。

できたら大学院にでも行きたい…でも自分ではなく子どもの教育にお金がかかるので、時間もお金も厳しいところ。

宝くじ当たらないかな…と買いもしないで考えていますが、まずはここで初めて夢を言葉にしてみました。これを第一歩にしてみます。