見出し画像

デニムができるまでvol.2【紡績】

KENZOです。

デニム生地ができるまでの過程

  1. 綿の栽培・収穫

  2. 紡績

  3. 染色

  4. 製織(せいしょく)

  5. 整理加工

  6. 品質検査

このような順序でできています。

私たちの手に届くまでには
多くの過程を踏んでいるんですね。

この記事では紡績について解説しています。

紡績

紡績とは、短くバラバラの繊維の方向を揃えて
引きのばし、撚りを加えて「」にすることです。

紡績工程

綿花」を「」にすることを紡績といいますが、
紡績にはいくつかの工程があります。

  1. 開俵  (かいひょう)

  2. 混打綿 (こんだめん)

  3. 梳綿  (りゅうめん:カーディング)

  4. 練条  (れんじょう)

  5. 精紡  (せいぼう)

1.開俵

輸入された原綿は厳重に包装されています。
開俵は、これを開いて次の工程(混打綿)の準備をすることです。

2.混打綿

混打綿は、開俵した原綿を「ラップ」にする工程です。

開俵後、何種類かの原綿が混合され、
高速回転する「ビーター」という機械で打綿します。

すると、繊維はほぐれ付着している夾雑物は
ほとんど取り除かれ、「ラップ」と呼ばれる
清浄で均一な厚みのある”むしろ”のような形状の綿となります。

*ビーター:打綿する機械
*打綿:たたく工程
*夾雑物:混ざった異物

3.梳綿(カーディング)

梳綿は「ラップ(綿)」を
スライバー(線状)」にする工程です。

ラップの状態では、まだ夾雑物や
繊維のかたまりが残っています。

これらを除去し、絡み合った繊維を梳(くしけず)り、
”もつれ”を解き繊維を平行な状態にします。

短い繊維は糸に不適当なので同時に除去します。

こうして、必要な繊維のみでできた
細い線状の集合体を「スライバー」といいます。

ここで不純物が混ざると後の作業で不具合を起こすので
とても重要な工程となっています。

4.練条

練条は、「スライバー」の精度をより高める工程です。

梳綿後の「スライバー」を何本か合わせ、
ローラーにくいこませて引きのばし、
1本のスライバーにします。

そしてさらに、この「スライバー」を
何本か合わせて1本に引きのばします。

これを繰り返すことで、繊維は均一に混ざり合い、
平行になり、太さも均等になってきます。

「スライバー」の段階では、
原綿に軽く方向を与えただけの状態なので
明確な糸の形状にはなっていません!

5.精紡

精紡は糸を作る最終工程です。
規定回数の撚りを加えて目的の太さの糸を作ります。

デニムに使用される糸の精紡方法は2種類あります。
リング精紡」と「空気精紡」です。

リング精紡

リング精紡は、粗紡精紡巻き上げの3工程からなります。

リング精紡で作られた糸は、
風合いがよく、強度が強いといわれています。

粗紡

練条でできた「スライバー」は太すぎるため、
直接目的の糸を紡出することは困難です。

なのでもう一度引きのばし、
最低限の撚りを加えて均一な粗糸を作ります。

精紡

クリールにかけられた粗糸を、
上下3対のローラーとエプロンの回転により引きのばします。

ローラーを出ると、高速回転しているスピンドルにより、
リングに取り付けられているトラベラーを通って、
トラベラーが回転することでしっかりと
「撚り」がかけられた糸になります。

トラベラーとスピンドルに取り付けられている
ボビンとの間の相対的な回転差によって、
糸はボビンに巻き取られます。

ストレッチデニムの場合、この工程で
弾性繊維(ポリウレタン)を
綿の中心に挿入します。

*クリール:巻かれた糸を何本もかけたスタンド台装置
*ドラフト:粗糸をローラーとエプロンの回転で引き伸ばすこと
*スピンドル:紡錘、棒状の周りに糸を巻くもの
*トラベラー:回転移動する糸通し

巻き上げ

巻き上げは、精紡で作られた管糸をまとめて、
チーズアップする工程です。

染色や織物の準備工程に送られる
紡績工場の完成品となります。

*チーズ:ヨーロッパで食べられるチーズの形に似ているから

空気精紡

空気精紡は「スライダー」を直接「」にする精紡方法です。

まず、スライバーの繊維束を、
一旦バラバラにし、繊維束を無撚状態にします。

無撚状態の繊維にローターの回転による遠心力、
あるいは空気の渦流によりドラフトをかけ集束して糸にします。

空気精紡の特徴は
空気精紡の糸はリング精紡の糸に比べて
・撚り構造が原因で強力が10~20%弱い
・均整度に優れており強力のバラツキが少ない
・織機での糸切れが少ない
・撚数を高く設定しているため仕上がりはやや固い
コストパフォーマンスに優れている


染色へ

紡績で作られた糸は
「たて糸(経糸)」と「よこ糸(緯糸)」に区別される。

デニムの場合
たて糸は染色工程へ、
よこ糸は製織工程へ送られる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?