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十字架が目に染みて、思わず膝をつく キリストを殺したことを、今や誰が許してくれようか 私の…
結局それがいいんでしょう 所詮あなたは柔和な言葉を使う 「甘やか」とか、極上の形容詞ばかり…
今日の日はさようなら 明日は花実がつかぬよう 願います咲くよりも枯れ果つのを許して オーダ…
廃棄区画に朝が来る そこに暮らす捨てられた親子にも 年老いた母親の病んだ泣き言に 腹を立て…
頭の中のノイズが強くて食事に手もつかず 俺は熊のようにウロウロと部屋の中を丸く歩き回って…
春の雨は詩情に曇った眼鏡を濡らす 後頭部で味わう雨粒は寂滅 凝り固まった感性を溶かす 美し…
体の中からゴゴゴゴゴ 音が聞こえる 肉体という家が揺れている そこから逃げ出そうとする涙の気配に 震えているのは喉か 外に出ようとしていた いつだって鍵はかけていない我が家だ そう、長くもたない 瞳の扉は。 何度も洗われて腐食が進んだ 鼻の奥の痛みと越境 液体は垂直な崖を落ちて 美しからぬいびつな湾曲を辿り 海へは行けない 古いパジャマがこの墓場 繊維に染み入る寸前に見た 朝日の反射を永遠に球体に閉じ込めて 涙はいなくなった どうやら短い旅だった。
ハロー、コネコチャン 僕の可愛い子 そろそろ来世は決まりましたか? それともとっくにお元気…
実在と非現実のあわいが曖昧になる寝起きのひと時に、考える 世界の美しさと、それを美しくす…
まるで悪夢だよ 俺は27歳 しかも妻子がひとりずつ お前とダラダラ続くもんだと思ってた けど…
27歳で死にたい 死にたくないと思いながら死にたい 酒とドラッグに溺れて死にたい 窒息に気付…
透明に満ちた胎盤から産まれたものが、やがて暗い透明たる海へ至るまで。 まず夜に。 ぬるい…
君のことを思えば、右脚の股関節が鳴った 白い骨が擦れ合って軋む音が、乗り遅れた電車のベル…