文芸社に今は時期じゃないね〜とつっぱねられてしまった、かわいそうな原稿たち。
SFジュブナイル『BAMBOO GIRL』の続編として書き始めた作品です。
本当に数えるほどですが実…
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#食べ物
第一夜 【サイカイ】 scene1
☆
校門を出るとすぐに、つばの大きい真っ赤な帽子を被った男女が四、五人集まって壁を作っていた。彼らは帽子と同色のトートバッグから何かを取り出して、流れ出る生徒たちに声かけしながら手渡している。
街路樹が落とす影に鈍色の実が落ちて、人々の往来に踏まれぐちゃぐちゃになっていた。影の上にたたずむ集団は全身をすっぽり覆うポンチョのような服装のおかげで、魔道士のように見えた。
手渡されているのは、