「サレ妻」を免罪符にする女と「スル妻」に進化する女
最近あるブログに辿り着いた。
サレ妻の愚痴ブログである。
夫との関係を修復中のため「スル側」のフォローは承認しない。
「サレ妻」または「サレ夫」の立場の人のみ承認するのだとか。
この時点で読まなくても大まかな内容は容易に想像できる。
だがたまには臭いとわかっていてもクンクン嗅ぎたくなってみるような
身体に悪いとわかっていても食してみたくなるような
怖いもの見たさの好奇心が疼いてブログを読んでみることにした。
そもそも「サレ妻」は「婚外恋愛」と「不倫」の区別を理解しようとしない。
婚外セックスは全て不貞行為であり不倫とみなしている。
だが、なぜか風俗などの金銭を伴うセックス行為には寛大である。
自分は「サレ妻」から進化した「スル妻」である。
現在専ら「スル側」ではあるが、夫への復讐心や当てつけ感は最初から一切ない。
妊活中に夫の風俗通いが発覚し、不貞行為と見做して慰謝料を請求した。
結婚してから3回ほどしか勃起せず挿入しても中折れする状態で、「EDだからごめん。」と謝る夫に同情し、9年間セックスレスを我慢してきた。
それ故に風俗通いが発覚した時の裏切られた感は半端なかった。
当時は精神的に追い詰められて職場の同僚に相談しても「男だし、風俗行くのは仕方ない」と納得できぬ慰めを受けて余計にストレスが溜まったものである。
「風俗だから浮気ではない」
そう思う女性も多いかもしれない。
だが自分にとっては相手が風俗ということにものすごく妻としてのプライドを傷つけられた。
一般人に恋をしてセックスしている方がまだ納得できた。
「風俗相手には勃つんだね。。。」
風俗嬢がどれほどテクニックがあるかは知らないが、クラミジアを感染させるような場末の風俗嬢にそれほどテクニックがあったとは思えない。
自分の女としてのプライドだけではなく、セックスの腕前も否定された気がして余計にショックが大きかった。
「もう我慢しなくていいんだ。」
自分のブログを読んでくれている人にはご想像いただけると思うが、ものすごく性欲の強い自分が9年間も夫に操をたて、おナニーで我慢してきたことでその反動は凄まじかった。
発覚後のセックスライフはブログの通りであるが、一切罪悪感が湧かないのはご理解いただける方も多いかと思う。
婚外恋愛を楽しむ既婚者には多かれ少なかれ配偶者にセックスを拒否されて外に求める経緯があることが多い。
「サレた側」はその「スル側」の苦しみや辛さを理解できなければ婚外セックスをサレたことへの理解はできないだろう。
だからこそ「サレた側」は「スル側」の意見にも耳を傾けてほしいと思った。
なぜこんなお節介なことをブログで書こうと思ったかというと、その「サレ妻」のブログに書かれていた一節に引っかかったからである。
ブログの筆者である彼女は夫と社内恋愛で結婚し、彼女は寿退社したらしい。
子供を産んでから夫とのセックスは年に一度か二度で、夫の誘いを何度も拒んだ挙句、夫は職場の後輩と不倫に走ったとのことだった。
彼女からのラインで夫の不倫に気づき、夫を問い詰めたところ判明した経緯を書いていた。
夫が不倫した理由を「そんな理由で」と彼女はさも自分に非は一切ないかのように語っていた。
もちろん性欲のない人もいるだろう。
出産して性欲がなくなったという場合もあるかもしれない。
だが、性欲がある側の意見としては、配偶者に何度もセックスを拒否られていれば外に求めるのは当然の権利であると思う。
実際に婚外恋愛活動で出会う男性のほとんどが妻に拒否されたことがきっかけだと語っている。
性欲は食欲、睡眠欲と並ぶ人間の3大生理的欲求である。
正常に満たしていなければ精神の崩壊につながる。
例えば、お腹が空いているのに食事を摂ることを制限されたらどうだろうか。
寝る権利を奪われたらどうだろうか。
それと同じように結婚して配偶者とセックスする権利があるのに反故にされたらどうだろうか。
セックスする権利だけを単なる快楽と区別する人種が一定数いるが、果たしてその考え方は正しいのだろうか。
結婚という制度で配偶者としかセックスしてはいけないという暗黙のルールを強いておきながら、配偶者の立場でその権利を行使させないのはいかがなものか。
それこそが不貞ではないのか。
そのことを理由に離婚したいと言い出した夫に逆ギレするのはお門違いではないのか。
一方的に夫が婚外セックスしたことを悪と決めつける彼女や賛同している読者に問いたくなった。
自分は配偶者に拒否され続けた挙句サレた妻であるから、おそらくブログの彼女よりも配偶者を非難してよい立場かもしれないが、今となってはサレた自分にも理由があったと冷静に分析できている。
自分を含め「サレ妻」にはサレた理由がある。
当初自分も夫にサレたことはものすごく傷ついたし、夫に対して怒りもあった。
1ヶ月くらい毎日泣いていた。
しかし、実際に「スル側」になると見えてくる部分も多い。
だからと言って復讐心や当てつけで「スル側」になれと推奨しているわけではない。
夫との関係修復を目指すのも本人の自由である。
ただしそれが単なる妻としての執着になっていないか今一度考えてほしいと思った。
特に性欲がない「サレ妻」は「スル側」の気持ちを心底理解しないと表面的な解決に止まり、同じことの繰り返しになることは容易に想像できる。
自分の経験をもってして言うならば、「サレ妻」の傷はおそらく一生癒えない。
夫に対しての信用は一切回復しないだろう。
自分も当初「時間が解決してくれる」といろんな人に表面的に慰められたが、時間が解決するのは怒りの感情だけである。
一度失った信用、信頼は回復しない。
夫への怒りはなくなり感謝もするようになったが、信用はしていない。
だからこそかもしれないが、自分が他所でスル行為に対しても一切罪悪感が湧かない。
最初から夫への復讐心や当てつけの感情もなかったが、何十人とセックスしようと恋をして抱かれようとなんとも思わない。
そんなであるのに「なぜ離婚しないのか?」とよく質問される。
当初は「離婚するほど嫌いではないし経済的理由から。」と思ってそう答えていたが、最近ふと「もう離婚してもいいんじゃないか。そうだ離婚しよう。まずは別居しよう。」と思った。
夜中に隣の部屋から聞こえてくる夫の大音量のいびきで目が覚めて、「この人と暮らしていくのはもう無理だ。なんで我慢しなきゃいけないんだ。」とふと思ったのである。
翌日、ちょうど時短の仕事を更新するタイミングで、更新せずにフルタイムで働くことを決めた。
翌月からフルタイムの仕事に就いた。
とりあえず数年間は金を貯めて、経済的に自立できる基盤を作ることにした。
平日フルタイムで働くことになり婚外恋愛活動には支障をきたすが、もう十分楽しんだからこの方向に迷いはない。
変態彼氏との結束した関係も後押しした。
もちろん離婚したら既婚男性とは付き合わないつもりでいる。
恋愛は独身同士、既婚者同士の関係がベストであると思うからである。
独身に戻ってせっかく築いた自分の城を既婚男性のストレス吐口スポットにはしたくないという理由もある。
この先本当に離婚するか別居するかはわからないが、自分の性格上、おそらくこの先も夫との関係を再構築する努力はしないであろう。
つまり何が言いたいかというと、「サレ妻」を免罪符に生きていく限り本当の関係修復はできないし、「スル側」になっても夫への信用、信頼は回復し難いのではないか、ということである。
自分を肯定してほしいわけではなく、「スル側」の心理も知っておく必要があると伝えたかった。
ただそれだけである。
この記事を読んで自分と同じように「サレ妻」から「スル側」に進化する人の後押しになればいいし、「サレ妻」の免罪符に縋っている人の心の解放になればいいと思う。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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