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死してゴミを残す(断捨離論-1)

2014-03-24にはてブロに投稿したものを
引っ越して少し編集しています。
 


断捨離....流行ってますね。

まぁ、自分もたまに気が向くと一気に物を捨てたり
ということはするんですが。。

去年の暮れに

「もう何年も触っていないギター」
「1年に一回も使わないスノーボード」
「2年に一度も飛ばさない模型飛行機」

を処分(ヤフオク出品)しました。
想像以上に高値で落札してもらったので驚きでしたが。
まぁ、その程度の話は誰にでもある話だと思います。

本題はここからです。
今年2014年に入ってからとある模型飛行機(ラジコン)の
友人宅に遊びにいった時にこんな話が出ました。

「作って貰った時は10万-20万かかっても売る時は二束三文だよな。」

「俺たち、どっちかが突然死やいきなり倒れたら
家族もいい迷惑だよ。
 こんなの、残された家族にとっては
粗大ゴミだもんな。。」

「wwwwwwwwwwwwwwww(笑い。。)」

こんなことを軽く言っていたのですが。。。
まさか、その一週間後に別の友人K君(30数年来)の家族から

「昨日、緊急入院して検査の結果手がつけられない状態で。。」

という突然の報が入ってきた訳です。良く聞くと肝臓に問題が
起きて、肺に転移している、いわゆる「末期」という状態。
開腹なんて出来ないのでひたすら「鎮痛剤」で押さえている
という事でした。

ご家族にとっては「青天の霹靂」というのはまさにこの事で
最近は付き合いなかったけど、心配な日々が始まりました。

ほぼ同時にラジコンの草大会でちょっと嫌な出来事があったので

「しばらくレースも辞めよう。」

と思っていたのでレース用の模型飛行機も全部処理しようかと
考えていた矢先です。
K君も模型飛行機が縁での家族くるみの付き合いなので
なんというタイミングなのか?とぼんやりと思いました。

残念ながらK君は告知された2月初旬から一月も保たず
3月の初日に亡くなりました。

このK君もいわゆる「超(多)趣味人間」で、それは僕なんかより
遥かに量と金がかかっています。
ざっと上げると


・ラジコン飛行機
・サーフィン/ゴルフ/SKI/スノーボード
・モータースポーツ(自動車レース)参戦
・車(伊製ビンテージスーパーカー所持/街乗りは国産)
・バイク(レストア待ち伊製ビンテージバイク)
・高級ロードレーサー(外国製の高いチャリンコ)
・PC(イラストレーターが仕事で出来るクオリティ)
・ビンテージカメラ
・ルアーフィッシング
・エレクトリックギター

その他、ワタシの知らない事もある気がする。
どうでしょう、こんだけ趣味。。。まるで所ジョージの
Lightning誌
が書いている様な男の趣味のオンパレード。

当然、金もかかっています。場所もとっています。
(金の出所と保管場所については故人の名誉故、伏せますが)

K君のご家族は?というと父親(85歳前後)はお元気なのですが毎月病院に
通う感じで昨年中頃に運転免許が更新出来なくなるほど視力を
失っていられるそうです。
母上(80歳前後)は病気を煩っていてあまり調子は良くないと
聞いていたのですが、葬儀でお会いした時はしっかりとなされていました。

一人息子のK君はで高齢なご両親をおいて旅立ってしまった訳です。

亡くなった時に彼のレース等での交友関係は父親も知らなかった様で
(K君が病床から友人に連絡出来なかったのかもしれない。。。)

たまたまその辺を知っていたワタシがレース関係者のIさんと連絡を
取る事が出来ました。

Iさん「えっ..(絶句)...(沈黙のち)..昨年末に次のレースは3月なので
   そろそろ連絡しようと思っていたんですが....」

K君は趣味を通じた仲間にほとんど連絡を取らなかった(取れなかった)
のかも知れません。
当然、親御さんはそんな事より治療や快方に願いをかけていたと思います。

しかし残念ながら彼は旅立ってしまったので、上記の趣味の物全てが
80歳を超した高齢のご両親がなんとかしなくてはならなくなった訳です。

まさに上で書いた

「...残された家族にとっては粗大ゴミだもんな。」

という言葉を実感することになった訳です。

幸いにしてK君の父親は非常に聡明な方で
""一切の価値観を捨て""
「残すべき遺品」を残し、遺品処分を業者に任せた様です。

""一切の価値観を捨て""
まさにここに断捨離の本質を見た様な気がします。

平たく書いてしまえば死んでしまったら
家族にさえ厄介なものは
ゴミということなんでしょうね。

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