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スポーツと一億総中流

はじめに
最初に言っておくが、私はサッカーが好きだ。
世界中のどんなスポーツよりサッカーが好きだ。
野球、バスケ、バレー、相撲、剣道。
どんなスポーツよりサッカーが好きだ。
私というのは1ヶ月限りではあるものの、大量のサブスクと1日1試合はサッカーを楽しめる環境を整えたサッカー道楽野郎だ。
そんな人物の意見である事を理解して聞いてほしい。


世界で一番人気なスポーツはなんだろうか?
世界で一番ファンが居るスポーツはWikipedia曰く

1位 サッカー 40億人
2位 クリケット 25億人
3位 ホッケー 20億人
4位 テニス 10億人
5位 バレーボール 9億人
らしい

まあWikipediaは眉唾だから100%正しいかは知らないが、大体合っているだろう。

では日本はどうなのか?見てみよう。
調べても正確な順位はわからなかったが
プロ野球 2116万人
Jリーグ 853万人
Bリーグ(バスケ) 829万人
Vリーグ(バレー)   543万人
らしい

プロ野球がぶっちぎりだ。
クリケットやホッケーは地域性があるから仕方がないとして、なぜ野球がここまで根付いたのだろうか?


このサイトによれば「1896(明治29) 第一高等学校が横浜外国人チームに勝利し、野球人気が全国的に高まる。」とある。
確かに、欧米に対して不満が強かったこの時代「外国人に勝利する」という事が大きな意味を持つのだろう。
人気になった理由としてはとても説得力がある。
では次に、サッカーを見てみよう。


このサイトによれば「1904年2月 東京高師がYC&ACと対戦(0-9で完敗)。これが日本で行われた初めての外国チームとの対抗試合と言われている。」とある。
やはり、最初に野球が人気を集めた理由は「欧米に勝ったから」なのだろうか。

しかしこの3年後には日本のチーム同士の試合が開かれ、1917年には国際大会に出場するチームが現れるなど、決して不人気ではなかったようだ。

ではなぜここまで野球がぶっちぎりになったのか。
次の場面では結論を述べるとしよう。


野球が伸びた理由は
「日本が世界的に見て国民全体が裕福な国だったから」


上記が私の結論だ。
なぜそう言えるのか?
では他の国と比較する事で確かめて見よう。
例として出すのは
・日本
・インド
・セネガル
・カナダ
の4つだ。
日本は「植民地化されていない比較的文明レベルが高い国」
インドは「植民地化された比較的文明レベルが高い国」
セネガルは「植民地化された比較的文明レベルが低い国」
カナダは「植民地化され、植民地人が多数となり文明レベルが高くなった国」だ。
失礼なまとめ方だが、これで行きたい。

4つの国で最も人気なスポーツは
・日本 野球
・インド クリケット
・セネガル サッカー
・カナダ アイスホッケー
である。
これらのスポーツを分析しよう。

まず共通点から
・欧米から伝わったスポーツである。
・全て道具を使う。
このぐらいだろう。

それでは違う点を見てみよう
・ボールのみで楽しめるものと、2つ以上アイテムが必要なもの。
・環境によって行うための難易度が変わる。
ぐらいだろうか。

ボールのみで楽しめるスポーツは
・サッカー
2つ以上アイテムが必要なものが
・クリケット
・野球
・アイスホッケー

環境に依存するものが
・アイスホッケー
だ。

この4つの国のうち、なぜセネガルだけがサッカーなのだろうか。
ここで有名な話を伝えよう、
「アフリカに野球を広めようとする日本人が居たが、『無駄』と言われ諦めた」という話だ。
そう野球やクリケットという多くのアイテムを使用するスポーツは、生活に苦しむ人々が多い国からしたら「生活の邪魔」なのだ。

しかしサッカーは丸い形のもの、ボールになるものさえあれば出来る。
発祥がそうであるように、労働者・貧困階級のスポーツなのだ。


これだけでは本当にそうなのかはわからない。
ではサッカーのスター選手たちとその幼少期を見てみよう。
・メッシ
アルゼンチンの労働階級に生まれ、メッシが居るチームの試合を親が見ようとした際に、そのサッカーチームがチケット代を求めたため、それを払えないメッシ一家はメッシを別のチームを移籍させたほどだった。

・クリスティアーノ ロナウド(以後CR7)
欧州最貧国家の1つであったポルトガルの離島に生まれ、CR7が幼少の頃に父親がアルコール依存症となり、実質母親のみに育てられる。
母親の手伝いとサッカーに明け暮れ、心配された近所のおじさんにご飯を食べさせてもらう事も。

・キリアン エンバペ
低所得者や移民が集まるパリ郊外の街「ボンディ」に生まれる。
ナイジェリアから移住してきたハンドボール選手とサッカー指導者の両親、そしてプロサッカー選手の義理の兄の下で育つ。

・ネイマール
ブラジルの低所得者層が集まる地域で生まれ、物心ついた時にはサッカーをしていた。
元プロサッカー選手の父親と共にストリートサッカーを続け、プロとして成長する事を目指していた。


このように、サッカーというスポーツは労働者や低所得階級でも行えると同時に、高所得者とも同じように戦えるものなのだ。


同じように、野球のスター選手たちの幼少期を見てみよう。

・大谷翔平
岩手県に生まれ、本人の意見を尊重する育て方の親の下に生まれる。
小学二年生の時に野球を始め、父親と協力しながらその才能をどんどん伸ばしていく。

・立浪和義
大阪府に生まれ、小学2年生の時に両親が離婚。
甲子園の決勝しか観に行けないほど働き続けて支えてくれた母親のサポートもあり、プロとして大成。

・ベーブ ルース
アメリカ合衆国のメリーランド州ボルチモアで生まれ、居酒屋を営む父親と病弱な母親の下で育った。
学校をサボって酒を飲んだり、タバコを吸ったり警察官を脅したりとめちゃくちゃな幼少期を過ごすが、親に入れられたカトリック系の高校で神父さんに野球を教えてもらい、野球に打ち込む。

・マイク トラウト
アメリカ、ニュージャージー州に生まれ、天気予報を見る事が趣味の野球少年として育った。
昔はバスケと野球を掛け持ちしていたらしい。


ご覧になっていただいてわかっただろうか?
こうして見ると、野球よりサッカーの方が厳しい幼少期を過ごした人が多いと感じないだろうか?
もちろん選手たちを否定する意図はなく、全員が我々には想像できないほどの努力をしてここまできたのは承知している。
ではなぜ、野球は比較的恵まれている境遇の選手が多いのだろうか?


それこそが
「日本で流行った理由」


なぜ恵まれている選手が多いのか?という問いは正確には違う。
"恵まれている"というのは世界的に見ての話であって、彼らは日本やアメリカ、生まれた国の中では下級や中流に入る層の生まれが多いのだ。

日本やアメリカで労働者階級の人々たちでも出来る最低限のスポーツ、というのは「サッカー」ではなく「野球」であると言える。
つまるところ行う為に必要なアイテムが多いスポーツが人気な国は「世界の低所得者層と比べて、低所得者層が裕福」なのだ。

つまるところ、日本の他国と比べ「国民の中央値が他国と比べて裕福」という条件が、開国以降の日本人が欧米から伝来したスポーツの中から『野球』を選んだ理由だと私は考える。


おわらせかたがわからないからおわり
みてくれてありがとうございました

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