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ミシンの糸が、毎回絡まる女

「ミシンの糸が毎回、絡まる女」

そそられる題名だ。 

「話しを聞かない男、ミシンの糸が毎回、絡まる女」 

入れ込んでみた。 これでもいけそう。

この自粛期間中にマスクを作りたい! と、いきり立つヨメに、ミシンを教えた。

糸のセッティングの説明を、早々に済ませ、、さっそく縫わせてみる。

直ぐ絡まった。 20センチも縫っていないのに、直ぐ絡まった。

ミシンの針が出入りする、ボビン側で、糸が団子になっている。

僕と交代。 特に異常無し。 スムーズ。 レクチャーしながら、縫っていく。

交代。  

直ぐ絡まった。  さっきと全く同じ、絡まり方。 

ぐちゃぐちゃっと、糸が団子になっている。

僕と交代。  スムーズ。 ノーストレス。 
ヨメが今から縫う分まで、全て縫い終えてしまいそうだ。

交代。 直ぐ絡まった。  

「コイツ何やねん!」 心の奥底で思う。 

覚られないように、歯を食いしばりながら思う。

僕と交代。 スムーズ。 機械にストレスを与えず扱う事に、慣れ過ぎている。
ミシンに自我が芽生え、ミシン自らが縫っているようだ。
僕は手を添えているだけで、勝手にミシンが縫っているようだ。

到底無理だろうが「機械にストレスを与えない様に」と指導。

直ぐ絡まった。 

「コイツ何やねん!」 奥底で思う。 

「それを連続でやる方が難しいやろ!」 奥底で思う。

「俺が説明してる途中で、交代してこようとすんな!」 奥底で思う。

ヨメの四回目。

何故かペダル、ベタ踏みで、ダッダッダッダッダッダッ!


立場をわきまえろ!! 三回連続で絡まった人間に、ベタ踏みが許される訳ないやろ!
今の今、ストレスを与えるな!って言うたばっかりやろ!
先生の言うことを聞け! 

心の奥底で思う。  

そして「コイツ何やねん!」も、やはりセットで思う。

当然、四回目も絡まっている。 

機械にストレスを与えない男、、機械に好かれない女。 

機械の気持ちがわかる男、、ミシンの糸が、毎回絡まる女。

頭の中だけで先ず作業して、失敗の可能性を限りなくゼロにしてから着手する男
先生の説明途中で、取り掛かろうとする女

ミシンに自我を与える男、、ボビン側に団子を作る女


これぐらいにしておこう。

出来るだけゆっくり縫うように! とだけ言っておいて、後は放っておきました。


おやすみなさい。 本出てます。

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