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春のほろ苦さが、大人にはおいしい。

1月末にはまだ一輪しか咲いていなかった梅の花が、いくつも微笑むように開いていた。無垢でやさしい白さを、顔を近づけて眺める。きれいだ。今日は冷え込みもきつくない。陽が落ちるのもゆっくりになってきた。春の兆しにふれると、明るい気分になれる。

こんにちは、こんばんは。くりたまきです。

東京出張から帰ってきてすぐだけど、PCR検査で無事だったこともあって、ここ長崎県波佐見町のおじいちゃんおばあちゃんたちにも会いに行きやすい。「おかえり」と迎えてくれる人たちがいるって、すごいことだ。

昨日、筋トレのジムの庭で収穫してきた無農薬のレモンと、東京のお土産を渡す。お昼ごはんを一緒にいただいて、さらには夕飯のおかずをもらってしまった。うれしい。

こういうとき波佐見の人は割と「うつわは返さんでよかよ」と言う気がする。さすが焼きものの産地。うつわはたくさん溢れているから、いいのだ。でもわたしの食器棚もパンパンなので毎回お返ししている。

そろそろ山菜の時期ねえ、と話す。でもまだここ数日寒いせいか、例年に比べてふきのとうが膨らむのが遅いらしい。はやく採りにいきたいな。そして天ぷらにしてみんなで食べるのだ。ふきみそも、またつくろう。

2/1の旧正月までに、と掃除や模様替えをしていたので、出張から帰ってきて見渡した部屋はすこしスッキリしていた。あとは書類の整理だ。過去の仕事の痕跡を、苦々しい気持ちで眺めたり捨てたり保存し直したりしている。こういうことを12月にやると気分が暗くなりすぎるから、やっぱり立春を過ぎてからがいい気がする。すこしはマシな気分で見つめ直せる。

春の山菜には、苦味がある。この苦味には、身体に溜まった老廃物を排出してくれる働きがあるらしい。

過去の仕事を苦々しく思うってことは、成長しているってことでいいのかなあ。いいよね。いいってことにしよう。

春には、たくさんほろ苦いものを摂取していきたい。だって、この苦味が大人になるとおいしいんだもんね。

30minutes note No.954

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