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副業をしてもいいですか?の返答が田舎だった。

「副業でのライティングも続けていいですか?」

転職活動してる無職のとき、面接でよく質問していたことだ。継続的にもらっているお仕事を続けたかったし、もっと幅広く書く機会を持っていたいと思っていた。副業がOKでなくても、それはそれでよかった。ただ、今後の仕事をいまのクライアントにも伝える必要があるし、知っておきたかった。

この質問には難色を示されることもあった。東京のある出版社では、途中の面接までは副業もよいと言っていてくれたけれど、最終面接ではじめて会った役員の方に「副業なんて甘い。この仕事をなめてるの?」と言われた。結論として、副業はダメだが無償でのボランティアならしてもよい、とのことだった。たしか。

いろんな考え方があるんだなあ。

ただ聞いておきたいな、くらいの質問が、いい悪いではなく会社の考え方を知れる質問でもあるとわかった。

そんでもって、最終的にはこんなふうに言ってくれる会社を選んだ。

「副業でのライティングも続けていいですか?」

「全然かまわないですよ。ほかでライティングをすることは仕事にもいい影響があると思いますし、ぜひいろいろやってみてください。うちの会社は家の農業の手伝いで、収穫のときとかに有給取る人もすくなくないですから。それも言ってみれば副業でしょう?」

驚いて、わたしは口をぽかんと開けてしまった。農業? 思いもよらない回答だった。

長崎県で唯一の海なし市町村であり、焼きものの産地でもある、波佐見町。

住民の多くは窯業か農業に関わっている。あるいはどちらもやっている。

「未知の世界だなあ」

面接を終えて用賀駅からの帰り道で空を見上げた。

すごくいい会社だ。そしてすごく田舎にある会社だ。なんかすごい。うん。

それから内定をもらって、波佐見町を見学して、この会社に入社することになった。

そして、いま。

締め切りに追われている。

会社の記事で締め切りに追われ、副業のライティングでも締め切りが足跡もなく近づいてきている。ホラーのよう。心臓がバクバク音を立てる。締め切り、やばい。

自分で選んだことなのだから、と気合を入れて、今日も書いている。

田んぼを眺めると、もう植えたばかりと思っていた稲がすくすく伸びて風になびいていた。

自然に振り回されながら、自然から養分を得て、成長してるんだなあ。

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