頑張り屋さんのメンヘラを敬いたいと思う。

「メンヘラ」という言葉がある。わたしは最近、メンヘラについて考えている。

メンヘラって具体的にどんな感じ? と調べてみると、実用日本語表現辞典にはこんな風に書いてあった。

特徴としては、極度に寂しさを感じやすく、人との関わりを求めるあまりに、家族や友人、恋人などに依存することが挙げられる。また、実際にメンタルクリニックなどに通院し、治療を受けている場合もある。具体的な行動としては、依存している相手にメールを大量に送る、電話を頻繁にかける、ヒステリックに怒るなどが挙げられる。いわゆるメンヘラのステレオタイプは女性の動向であり、たとえば、親友や恋人などの特定の気を許した人物へ過度に依存し、心身共に束縛したがり、束縛を逃れる行動に激しく嫉妬し、報復として自傷を含む過激な破壊活動に出る、といった振る舞いをする者として思い描かれる。この一連の振る舞いの根底には強烈な自己愛があると指摘できる。

なるほどなあ。たしかに、そんな感じかも。
その、誤解があるといけないので言っておくと、わたしはメンヘラではない。どうしてわたしがメンヘラに興味を持ち調べているのかというと、身近にメンヘラなお嫁さんを持ち、しあわせそうにしている5歳さんというひとがいるからだ。

この記事を見てもらえると、ざっくり5歳さんのキャラとメンヘラのことがわかる。

真性正真正銘メンヘラの彼女、もとい現在の嫁を、僕は今なお本気で愛しています。

このあいだ、5歳さんと彼のオンラインサロンメンバーでラーメンをすすっていたときにも、メンヘラの話題になった。

「もう僕、嫁の前に付き合った彼女もみんなメンヘラだったからね」
「へ〜。そういえばわたし、よく考えてみると、メンヘラに好かれるんですよね」

何人かの友だちの顔が頭に浮かぶ。べつにメンヘラの友だちがイヤっていう訳ではない。ただ、5歳さんと知り合ったことで「あれがメンヘラか」と定義することができるようになった。まあ、メンヘラでも友だちという関係だから、そこまで大変なことに巻き込まれたりもしない。

「そうか。 僕ね、メンヘラかメンヘラじゃないか、会うと一目で見分けられるのよ! くりこさんはメンヘラじゃない。メンヘラに好かれる側の人間。僕と一緒」

『スタンド使いはスタンド使いにひかれ合う』とはジョジョの常識だけれど、メンヘラ同士はひかれ合うことは少ないのかもしれない。

5歳さんは真面目な顔でメンヘラマスターを自称して、同じテーブルでラーメンを食べてたみんなを、メンヘラ素質診断をしていく。「君はメンヘラ、君はちがう、君はどっちもいける」などなど。5歳さんってひとは、いろんな能力を持っているひとだ。スタンド使いかもしれない。

それにしても、メンヘラ。
奥が深い。

わたしはあらためて、じぶんとメンヘラとの関係を考えてみた。メンヘラは近寄ってくる、が。わたしがメンヘラを受け入れているから、近寄ってくるのだ。ではなぜ、わたしは一見面倒なこともありそうな彼女たちを避けて生きていないのか。

正直、メンヘラじゃない友だちとのほほんと過ごしているのが、いちばん平和で心安らぐ。

でも、わたしはメンヘラを尊敬している。

一つのことにかける膨大な熱量、加えてありえないほどの持続性。わたしには持ちえない強力すぎる執着心。その対象のために、どこまでも激烈に心を燃やし頑張る健気な彼女たちを、敬っているのだ。

どこか残る少女性と、色気のアンバランスさ。うちに秘めた繊細さと、かわいい不器用さ。ついつい気にかけてしまう。

すごいね、尊敬してるよ。でもいつもそんなに頑張らなくても大丈夫だよ。たまにはゆっくりしてね。お茶飲む? と声をかけたくなってしまうのだ。

なんてことを考えているんだ、とグループLINEで話したところ、こうしてまた、ひとりのメンヘラさんとの距離が縮まった。

どうやらメンヘラを「頑張り屋さん」と言われたことがときめきポイントらしい。

かえでさんはCAMPFIREで働いていて、一緒に5歳サロンの運営をしている、すごく気があうひと。かわいくてユーモアもあって、いつだって即レスの仕事のできる女性だ。こうして気づけば周りにメンヘラが増えている。いや、5歳さんのコミュニティにいるからなのか……?

さいごに言っておくと、メンヘラは怖くない。べつに万人に対して情熱を燃やしていないからだ。たったひとりに捧げられた愛情……まあだから重いんだけど。かえでさんは「わたしは彼氏限定でメンヘラになるんで大丈夫です!」と笑顔だったけど、ほんとうにその通りだと思う。
大丈夫、メンヘラは友だちまでなら一切害はないはずだ。恋人にしたら、怖いけど。怖さを楽しんでる5歳さんのようなひともいるし。ということは、つまり怖くない。

わたしはこれからも、平穏に過ごしていきたい。

その上で、頑張り屋さんのメンヘラを敬いたいと思う。

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