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ただ東京に住んでただけなのに。

波佐見町へ引っ越してきて、はじめて美容室へ行った。美容師さんとのよくある「どこから来たんですか」トークに「東京」と答えたら爆笑された。もうそういう反応慣れてきたからね、こちとら。

こんにちは、こんばんは。地元は横浜、住んでたとこは東京、くりたまきです。こんなんが個性になっちまうんかい?

そんなに驚いたり笑ったりしなくなって〜、と思う。どこへ行っても東京から来たというだけで、みなさんのリアクションがでかい。

髪の毛を洗ってくれた女性にも、

「わたしずっと波佐見なんですけど、お客さん雰囲気が波佐見の人じゃない感じします。…あ、やっぱりそうですよね。どこから来られたんですか?」

と聞かれた。なぜ、外見や雰囲気で、波佐見かそれ以外か、わかるの? どういうこと?

お姉さんのほうが確実に都会っぽいし、髪もピンク入ってるし、服もオシャレなんだけど?

疑問は尽きない。

「こんな田舎に……」という恥じらいを、いろんな人と出会って感じている。東京と比べて勝手に卑下しているようなところがある。わたしを東京代表にしてもらっても、あか抜けた暮らしをしていたわけでもないのでちょっと困っちゃうよ。家でバナナケーキ焼いてるのが好きなんだけど。

都会と比べてもなあ。

この田舎らしさや棚田の美しさと、焼きものづくりをしてきた歴史と、町の人の結びつきの強さと……。

ここにしかないものを誇っていてほしいなあと思う。外野だから思うのだろうけど。

美容師さんは、いい感じに伸びかけのショートカットを整えてくれた。

前に通ってた表参道の美容師さんは最高だったし大好きだし、また東京へ行く機会があったらカットをお願いしたいけど、波佐見町の美容師さんもいい。値段も安いなあ。

まあ、無いものはない。

このあいだ、ふと魔がさして「宅配ピザ頼んじゃおっかな〜」と思ったのだけど、配達できる範囲内にお店がゼロだった。

わたしは宅配ピザの味を知ってて、まあ無いならないでいいや本気になればピザはつくれるし、くらいの諦めかただけど。

宅配ピザを知らなくて、映画とかを見てあこがれてて、みたいな10代を過ごしてたら感じ方が違うだろうなと思う。高校の帰りに友だちとマック行ったりしてたけど、もしなかったらどうだったかなあ。

ただ東京に住んでただけなのに。

そう思うけど、まあまあ生きてきて、そこそこの都会を知ってるから、都会にあこがれないだけなのかもなあ。

波佐見町は、いいところ。無いものはないけど、無くて欲しいものがあるんだったら、つくればいいだけじゃんね。



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