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からだの透けるところに宿るもの。

からだには、透けるところが3つある。髪と、爪。そしてささくれだ。爪から垂直にピンと立ったささくれ。それは硬いのに薄くて、日にかざすと半透明に光を帯びる。

こんにちは、こんばんは。くりたまきです。

爪とささくれは、別物にカウントしていいのか? という問題には目をつむってほしい。ささくれは、爪ではなく皮膚。そういう前提で話したい。

わたしは透けるものが好きだ。日に照らされる木々の葉やレースカーテン、硝子のうつわ。どれもうつくしいし、そのときの光の加減で透け方も変わるから、一瞬の芸術だなあと惚れ惚れする。

ささくれも、うつくしい。

ささくれって字は、「やさぐれ」に近い。しかも、ささくれは処理を間違えると血が出て痛い。ちょっとネガティブな現象であり、ことばだ。厄介な存在って感じ。

そんなささくれが、日に当たって透けると、すごくうつくしく見えた。指先を太陽にかざしてみる。

ちいさな避雷針みたい。ピンと立った光るささくれには、雷みたいな畏れを抱くものじゃなくて、きらきら光る粒子が集まってなにかエネルギーが生じているような気がした。そのエネルギーが、じわじわ指先からからだに満ちていく。冬の冷えた足先まで、なんだか守られているような。そのくらい、見惚れてしまった。

ささくれにはきっと、ちいさな光の魔法が宿っている。

透けて光を帯びているものって、やっぱり好きだ。太陽に祝福されて、魔法が宿っているから。

30minutes note No.960

※現在週日更新にしていますが金曜日に寝落ちして更新できなかったので、日曜日の今日書きました!(反省)

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