寒いときには、四季舎であたたかさを足して。
急に寒くなった。お昼でも、気温が11度だった。断続的に雨も降って湿った足元や服に、より寒さを感じる。いよいよ冬がやってくるのだ。
お昼休みに、中尾山にある四季舎へ行った。お昼ごはんをいただく。「寒かよ〜」と言い合うと、なんだか気が紛れる。ネガティブなことを口にするのはよくないって考え方もあるけど、ほんとうのことを口に出せるっていうのは健やかでもある。
四季舎のことを説明するとき、いつも迷う。どうにも不思議な場所なのだ。
簡単に言えば、お食事処だ。波佐見の地元ならではの料理や、窯焼きピザが食べられる。でも、つくられた経緯や思想は、単なるお食事処ではない。
まだ波佐見焼が人気になる前、どうにか町おこしをしようと奮闘した地元の人たちがいた。焼きものは生産量がどんどん落ちてるなか、農業や里山体験などをメインにした「グリーンツーリズム」で町を盛り上げることはできないか、と調べるうち思いつく。さらに、焼きものの要素を追加して「グリーンクラフトツーリズム」をはじめよう、と決めた。
その拠点のひとつとして、中尾山にあったかつての製陶所を改装し、四季舎をつくった。
まだ波佐見町内にはごはんを食べられる、休憩できるところがすくなかったこともあり、四季舎はお食事処の役割も兼ねることとなった。
それでも四季舎は「文化の陶 四季舎」という名前で運営している。文化を発信する場所、地元の人たちも観光客も、みんなが集まる場としてつくられた。
古くて立派な建物に、運営している気さくなおじいちゃんおばあちゃんたち、彼らがつくるおいしい地元の料理、中尾山の景色が見渡せる素晴らしい立地。いろんな魅力が詰まっていて、いつもうまく説明できない。
今日は、囲炉裏に火を入れて暖をとっていた。わたしも火に当たる。手をかざすとじんわりとあたたかかった。火だからこその、柔らかくて強いあたたかさ。そろそろ薪ストーブを出すんだろうな。
寒いのは、ほんとうに苦手だ。厚着をすると肩も凝る。だけど、寒いときに、あたたかさを足していく営みには、心惹かれる。
またみんなで、七輪で焼いたお餅、食べたいなあ。
30minutes note No.904
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