見出し画像

『サーマル』ライナーノーツ

新曲出ましたー! わー! お聴きくださりありがとうございます、まだ聴いてないかたは観てってください。こちらからダウンロードもできます。

アイデア

サーマルに関してはわりとすらすらと構想がまとまっていきました。
思いついたのは会社に向かう電車の中。僕の場合、アイデアはどこでも浮かんでくるので(ただし量は少ない)、頭の中でまとまればとりあえず良しにしています。

その時点では
・bpmは160
・シンセのリフで始まる
・王道進行+後半にクリシェ or 半音下降
・キーはEメジャー
までは決めました。

作業を始めて、bpmだけ合わなかったのでコードのリフだけ作って調整することはありましたが、それ以外は大体思い通りに進められました。
また、テンポを落とすことでハネたリズムを取り入れることもできました。
実は前からやりたかったんですが、ギター音源のAmple soundでのシャッフルの打ち込み方がわからずにいたのでやってなかったんですよね。
拍子を選択するタブに普通にあった。

コードワーク

王道進行といっても沢山あるわけですが、今回はいわゆる『マルサ進行』と呼ばれてるものを選びました。
大昔にそれこそ丸の内サディスティックを意識した曲を作ったことがあって、アレンジこそ違えどまた作りたいなと思って選びました。
サーマルというタイトルも実は言葉遊びです。ある意味ふざけた感じ、砕けた感じで制作していきました。

メロディーワーク

メロディワークに関しては、今っぽいペンタトニック+7度と、短3度の組み合わせで作っていきました。
Aメロの入りに2拍使っているのはマルサリスペクトです。あとなるべくコードに対して6度の音程を当てるように選んでいます。
Bメロでは短3度を排してスッキリとさせています。これも今時を意識して。
サビの最初の音程は実は11度になっていて、サビを印象づけてあげたくて選びました。
テンションを維持させたかったので、サビは動き回らず、リズムリフにしています。

要するに、コード進行だけで音楽のすべてが決まるわけではないよ、ということです。持続音との兼ね合いで音の響きかた、キャラクターが決まっていきます。
特に僕はテンションを積んでいくのが好きというのもあります。

歌詞のテーマ

タイトルが先に決まった時点で、テーマに基づいて歌詞を書いていこうと決めていたのですが、いざ書く段階になったらもう忘れていましたね。
この曲を書いている最中に、バンドメンバーに彼女ができて、そのきっかけがSNSで同じ趣味で意気投合して、遠方だったけどいざ逢ってみたらその場で交際が始まったというラノベぐらい勢いの良いノリだったので歌詞に使おうとなってました。
許可も取ってないですがバレないでしょう。適当すぎる。
ちなみにその彼はバンドを脱退して彼女の住む街で暮らすそうです。だから勢いが良すぎる。がんばれ。
細かい話を聞いたわけではないので(聞けるわけがないだろ)、この女性側の視点からの歌詞は完全に僕の妄想です。なのでマジでバレるわけには行きません。バレたら日本海に沈められます。

歌詞の注意点

一年に一回はこういう浮かれポンチなふわふわした歌詞が書きたくなるんです。誰も書くなとは言ってはいませんが。
今回気を使ったのは「なるべく時間経過をさせない」ということでした。
僕の書く歌詞はいつもスケールが大きいので、パラパラと場面を切り替えてしまうので、ドタバタとした印象を与えがちなきらいがあります。
あと(うろおぼえですが)昔つんくさんが「ワンシーンだけで歌詞が書けなきゃいけない」とおっしゃっていたのを思い出し、できる限り意識してみようと考えたのもあります。

歌詞に

”3つぐらいじゃ足りない
4つでもまだ足りない
7つ9つ11と街と着飾ろう”

というのがありますが、これは和音の話です。さっき言ってたことですね。
この曲はⅣadd9 | Ⅲm7 | Ⅵm7 | Ⅰ7(2周目は Ⅵm7からの半音下降)でサビのメロディが11th音程を担っています。

……これ書きながら気付いたんですけど、ルート音から4つ重ねたのが7thですね……
適当こいているとこうなります。皆さんは真似しないように。
気を取り直すと、9thや11th、13thの音程を重ねるとテンションコードと呼ばれるものになります。
この複雑な響きはおしゃれで知的、あるいは素敵な印象を与える効果があり、思い出をどんどん積み重ねて素敵になろう、また秋はファッションもレイヤードを楽しむ季節になるので、ダブルミーニングになるように書きました。
2番サビまで書いたところでタイトルの回収を思い出したのでした。別に取って付けた歌詞ではないですよ?

残り作業

ミックス作業自体は大したことがなかったんですが、音色を増やしたりディレイの感じを変えたりと気になるところがあとから出てきたので動画を作っている最中にも行っていました。
動画作りが一番腰が上がらない作業なんですよね……。
かといって、曲のイメージを伝えるのが下手くそで、人に頼むのも一苦労してしまうので今のところ自分で歌詞カードがわりに作っています。

でも、ニコニコにまた上げるようになって、リアクションやコメントがすぐ来るあたり、やっぱりボカロの本場はここにあるんだろうなぁ、と零細音楽製造業従事者としてありがたく思っています。
これからもよろしくお願いしますといったところで締めましょうか。

明日からまた曲を書き始めます! 多分!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?