正一位稲荷神社__2_

2019/06/27 旅に生きる ~地形考⑥~

シェッド※皆さまの投げ銭で旅をする企画です。

その① その② その③ その④ その⑤

今回は小さな神社の紹介である。深い考察はしてないので軽い気持ちでお読みいただける(´ρ`)

49号線を阿賀川の流れを左右に眺めながら福島県に戻っていく。

いつもいつも気になるところに降り立つ。

『正一位稲荷神社』ここは創建不明。いつも国道を走るとぼやっと浮かび上がるような空間が現れては

「あっ」

と思うのだがもちろん新潟県へ向かうために走っているわけなのでだいたい引き返さずに通過していた。

今回は帰り道に寄る計画だったので念願の参拝となる。

創建は不明だが石灯篭には天保の文字がある。

前と横を道路に挟まれてコンパクトな境内。

石段が実に味わい深い。鳥居は新しいような気もする。

日本人はこういうビンテージな雰囲気に厳かさや落ち着きを感じる。だが、仏像もそうだが、建てられた当時のピカピカはこの地域の住人にとって誇らしかったに違いない。

いつからか苔がむして新しさが消え、人が毎日訪れることがなくなったのか。多人数の受ける心の影響を正確な年表にできたら面白いのに。

カオス理論なのかなんなのか、まったくわからないが、人口減少や祭りの開催年月日などは記録だけでも読み取れる。

だが『人の心が変化する境目の景色』を数値化はどうなのだろう?

心理テストや脳テストの問題で絵の一部がゆっくり変化していく場所をあてるような問題をやってこのタイミングでだいたいみんなが気がつく・・・みたいな単純な発想では難しいのだろうか

トタンとアルミサッシで守られてしまってもなぜか日本らしさは消えない。

壁画修復で別な顔にされてしまった海外のニュースがあった。

もちろん、天井絵のようなモノを勝手に書き換えたら大変なことだが、建物に関しては生まれ変わりを許す。

神社はここが緩い。寺はどちらかというと修復、新しい施設などは木造かコンクリートは使い分けると言う感じか?

あまりこうでなければならない!という事はない。これだけ古いのに。

これがふわっとした『中身が大事』というまるで恋愛相手への条件のようで伝わりにくいのかもしれない。

この神社が道路に挟まれているけど後ろにも敷地を広げられない理由を見よう。

レールが掠めている。これでは広げようもない。

新潟側はシェッドに吸い込まれる(線路内には入っていません!)

福島側はゆるく右に曲がっていく

線路のバラストが飛んでくるのを防ぐためだろうか?窓にグレーチングでガードをしている。

何も特別な場所ではないかもしれない。

でもこの土地の人からすればずっといてくれる神様だ。

社格のような順位付けではわからない信仰の篤さは必ずある。

豊作を願ったり、子供の病気のためにお百度を踏んだかもしれない。

そういう層が歴史で、一番わかりやすいのは人の移動や暮らしぶり。戦争や政治、偉い坊さんの出世など教科書に書いてあることはだいたい、地方の農家の生産量には関係のないことだから。

その⑦へ続きます

投げ銭を旅費にして旅をしてレポートしたり、リクエストを受け付けて作曲をしたりしています。