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鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 感想 2023年随一の神作。今年一の映画はこれでした

困った。

今年一番の映画は「ゲゲゲの謎」だ。

間違いない。令和のアニメ映画舐めんな!これが底力だ!
今映画館から帰ってきたのですが、即感想を書かなければ気が済まないってレベルの神映画!!!!

おい、平成アニオタは今すぐに映画館に走れ。

これを見ないで何を見るか。
ストーリー、キャラクター、テンポ、演出、脚本、声優……何を取っても申し分ない。

だまされたと思ってマジで見てくれ。本当に素晴らしいから!!!!!
私は絶対にブルーレイが出たら買います。何なら二回目見に来たいよ今から!!!

じゃあ発狂している理由を説明しよう!!!※全力ネタバレ注意!!!

まずえーと私みたいに考察とか全然好きじゃないただ映画はエンタメ、ぼぉーっと見てたいだけって人にもおすすめなんでぜひ見ろ。初めにいっとくわ。
脚本完璧だからまじ老若男女問わず楽しめる。なんなら非オタもいけるわ。こんなん。

あと私は「墓場鬼太郎」などを予習してから見たが予備知識いりません。ゲゲゲの鬼太郎を"聞いた"ことあれば問題なし。
まあ、墓場鬼太郎の1話を見てから行った方がスムーズに話に入り込めるとは思うがこの映画は解釈が別だし全く問題ないと思う。

あらすじから言いますと、この映画は鬼太郎がどのようにして生まれたかという、呪術廻戦でいうところの0(劇場版)みたいなもんです。
なので本編にほぼ鬼太郎や猫女などは出てきません。
鬼太郎の父(ゲゲ郎)と、水木というサラリーマン(人間)が主人公です。
時代は昭和(多分戦争後くらい)の日本が復興しようとしているくらいです。

※時代背景もちゃんと伏線なのがマジで素晴らしい。

本当に脚本が素晴らしすぎて涙!!!!!今こんな丁寧な作品ないんだってヴぁ!!!!(叫)

水木は血液銀行に勤めているサラリーマン。出世のため、取引先の社長が当主になるつーことで先代の葬式(クソ田舎)に駆け付ける。
一方ゲゲ郎(幽霊族、人間じゃないし妖怪でもない。見た目は人間ぽい。)は生き別れの妻を捜してクソ田舎に来ている。
当主になるはずだった社長(次男)は、遺言により頼りなさそうな長男に当主を取られ、困惑。するとこの長男が殺される。クソ田舎はよそ者排除の昭和の部落っぽいところで、ゲゲ郎はこの殺人の容疑者としてとらえられるんだが、水木はお人よしなのでかばってあげる。んで、二人して捕らえられる。

水木は自身の出世のため何としても次男を当主にしたい。そのために取引先の会社が大企業となった「ほぼ不老不死になれる秘薬の元」を解き明かせと社長に命ぜられる。社長は婿養子っぽくて、この秘薬の作り方を一族から教えてもらえてない。

一方ゲゲ郎はこの村に妻がいるとうわさを聞いたためなんとか見つけ出して助けたい。

二人は協力することになる。

なんだかんだありいろいろ村を探っていくと、「不老不死になるれる秘薬=幽霊族の血」であり、社長の一族は幽霊族を狩ってその血を薬にすることで大企業となってきた。この薬を使うことで死なない労働者を作りあげ、戦争で疲弊した日本を回復させ、国を操りたいという先代の思惑があった。

ここで全く関係なさそうだった幽霊族であるゲゲ郎と水木の目的がつながるという素晴らしいストーリー!!!!!!!

しかも戦後の日本の時代背景が伏線となる無駄のない設定!!!くぅ!!!声が出ねえ!感動して!!

しかもよ、しかも、キャラクター描写も捨てたもんじゃないんだぜ!!!

この水木、出世欲旺盛な昭和リーマンだというのはそういうキャラで全然違和感なかったわけ。バブルのリーマンなんて、出世欲しかないだろって感じだし。
しかし、水木は日露なのか日米なのかわかんないけど戦争に出兵していて、その時に特攻を命じられ、しかもその隊の司令官は自分は特攻を命じたくせに報告があるからと突撃しなかった。理不尽に権力に虐げられた過去を持つ。

だから、出世して自分の社会的地位や権力を向上させることこそが幸せにつながると必死になっている青年なんです。

だからなんだかリスクがありそうだと薄々わかっていても自ら志願して得体のしれない村にまで出張したんだよ!!

おいおいもう完璧すぎて言葉がないよ!
鬼滅の作者に爪の垢を煎じて飲ませてやってくれ!!これこそがキャラクターを生むってことだとね!(お前は人をdisることでしか神作品をageられないのかと言われればさーせんとしか言えない。申し訳ございません。そういう性格です)

別に違和感がなかったキャラクター描写に過去をさくっと(この映画めちゃめちゃテンポいいからまじでさくっと)入れ込んで深みを出すわけよ~~~~~~~~~くうううう~~~にくいね~~~~~~~~~~~~にくい!

そしてそんな愛より権力、金!と血気盛んな独身水木と対局的に描かれるのは、もちろんゲゲ郎です。

幽霊族は人間に虐げられ迫害されてきた。(そのせいで絶滅危惧種であり、幽霊族最後の生き残りはゲゲ郎と妻)
それでゲゲ郎は人間が嫌いだった。しかしその考えを改めたのは、人間と共存するという思考を持った妻の存在だった。
妻を愛することで、ゲゲ郎は変わったのですね。

そして映画のクライマックス、ついにゲゲ郎の妻が血を吸われているところを発見する。死んだはずの社長の先代がよみがえり、虐げられてきた幽霊族の怨念の塊である妖怪に水木とゲゲ郎はやられる。しかし、妖怪を先代の支配下から水木が解放し、妖怪は人間界に解き放たれてしまう。
ゲゲ郎は、子供(後の鬼太郎)を宿していた妻を水木に任せ、人間界の滅亡を阻止するため、その妖怪の怨念を一人で受け、体がどろどろになってしまう。
怨念を受ける前に、「(幽霊族のお前が人間の)犠牲になり続けることはない」という水木に対し「自分の息子の住む世界(未来)だから」というゲゲ郎。
かつて社会的弱者で戦争で死ぬことを軽く命ぜられるほどに虐げられてきた水木と、人間に虐げられ絶滅寸前となっている幽霊族のゲゲ郎

二人はとても似ている。
そして水木が過去の自分自身に重ね、ゲゲ郎に言った言葉。
しかし、愛すことで、未来(鬼太郎)が生まれ、そして水木とも出会い、希望を持ったゲゲ郎の言葉。

泣きました。

いい大人が。アニメ映画で。
クリスマスイブに、一人で映画館に来て。
ええ。笑ってくれて結構です。

正直完成度が高すぎる。

もう感動しすぎていい点を挙げるときりがないから箇条書きしていくよ!繰り返しになるけど!自分用に!

・私がまず1番に本作が素晴らしい思ったのは、水木のキャラクター描写。出世欲が強い理由付けの過去。
・時代背景、つまり作品の設定が本編の伏線になる隙のない脚本。
・ただ妻を捜しているだけのゲゲ郎と、出世したいだけの水木の目的が、一つに集約するストーリー展開。
・幽霊族が虐げられてきたことと一般兵士が虐げられてきたこと、W主人公の過去の重ね合わせ
・昭和の部落の異形さをちゃんと描写しているところ(女=世継ぎを生む道具という考え方、絶対的当主による部落ぐるみの犯罪行為が許されること等)
・途中で妖怪に取りつかれている人間が誰か?みたいな小さな謎(伏線)も出てきて、ちょっとしたミステリ仕立てがあり、飽きさせず、テンポもいい(不要な無駄な説明がない)

本作、「墓場鬼太郎」1話をもとにした「新解釈」だということですが、こんなに制作陣に愛された作品はないでしょう。私が原作者なら冥利に尽きます。

ちなみに水木が吸っているタバコが「ショートピース」なことに萌えしか感じない平成女です。

ぶっちゃけこんだけほめたたえたけど単純にゲゲ郎と水木がかっこよすぎて惚れただけなんだわ!

二人ともびじゅが。・・・ビジュがいいんだわ。・・。だsd¥あwじぇrひうあgszdkjjかsw

すまんな!ほっといてくれ!しばらく恋する乙女だわ!!!
恋は盲目っていうだろ?

しかしだ、本作はマジ神なのは間違いないと思うから全員見に行こう!!!まじで!!!!!!!!!!!!!!!111


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