見出し画像

iPadを買ってよかった話

半年くらい前になるが、ついにiPadを購入してしまった。もともとiPadを買う予定なんて更々無く、

iPhoneとMacbookさえあれば生きていけるっしょ!

と思っていた。本末転倒であるが、実際MacbookとiPhoneさえあれば僕は生きていけると思っている。iPhoneで連絡を取ったりSNSを見たり、MacbookでIllustratorやPhotoshopを起動して作業したり...と、この2つさえあれば大学生活もアルバイトも遊びも全てまかなえてしまうのだ。

ではなぜiPadを買ってよかったと思ったのか。結論から言うと、

「無くても困らないけどあったらより幸せになれる」

これに尽きるからである。その理由を以下に述べていきたいと思う。


■ 絵を描くのが楽になった

僕は絵を描くいわゆる"アート"よりも情報設計をするいわゆる"デザイン"をすることが多いので、絵を描く機会はあまりない。だが、場合によっては絵を描かなければならないときがあるので、その時には絵を描いている。以前まではペンタブレット(通称ペンタブ )とクリスタ (通称Clip Studio Paint)を使って絵を描いていたのだが、これには問題点が2つあった。

1.  準備が面倒くさい
2.  慣れるのに時間がかかる

1 は面倒臭がり屋の僕にとって本当に辛かった。まずペンタブをMacbookにつなげ、Clip Studio Paintを起動する。ここまではいいのだが、これがたまにペンが認識されないときがあるのだ!
こうなってしまっては以下の手順を試すしかない。
Macbookを一度再起動してみる→ダメだったらペンタブのアップデートがないか確認してみる→それでもダメだったらペンタブのドライバにエラーが起こっていないか確認する...などこの作業が本当に面倒臭かった。

そして何より、ペンタブのUSBハブを接続しデュアルスクリーンで作業をしていると、ハブの都合上充電ができないのだ。そこで「1画面で作業をする」か「充電を諦めるか」の2択に迫られるが、僕のMacは充電が2時間くらいで尽きるので、前者を選択するしかない。せっかくのモニターで2画面同時に作業ができないのが辛かった。
(また机がペンタブとMacbookで占領されるのも若干嫌だった...)

2の「慣れるまで時間がかかる」はペンタブ初心者には結構あるあるだと思う。普段紙に描いているときは、あたりまえだがペン先と自分の描いたものものが同じ画面上(紙上)に表示されているはずだ。しかしペンタブ上には画面は表示されないのでペン先と表示される画面が同じ位置になく、初めは違和感を覚える。じゃあ慣れるまで描きまくれや!と言われるとその通りなのだが、僕は人よりも慣れるスピードが何百倍も遅い。部活でも1年経ってやっと成果が出始めたし、修学旅行のスキーも最終日になってやっと滑れるようになった。理解力が人より乏しく、コツを掴むのも時間がかかる。何かを上達するまでの時間がみんなよりひと段落長いのだ。

だからこそ、絵を描くためにペンタブ操作を上達する、という絵を描く前段階の行為に時間をかけたくなかった。そこに時間をかけるくらいなら絵の上達に時間をかけたかったのだ。

だからペンタブ で絵を描く機会もどんどん減っていってしまった。ペンタブ を持っているのに絵を描く行為から遠ざかってしまったのだ。

しかし!iPadを買ってからは絵を描くことに億劫にならずに済むようになった。まず準備に時間がかからない。これは非常に嬉しい。iPadをカバンから取り出し、アプリを起動するだけである。これだけで絵が描ける。今まではデジタルの絵を描かなければならないときにわざわざMacbookを取り出し、ペンタブを接続していたが、この作業が必要ない。絵を描くデスクもいらない。ソファの上で寝そべりながら描けるのだ。
また、ペン先と表示される画面が同時に見えるのでペンタブのように「慣れる時間」が必要ない。これで絵の上達に時間をかけることができる。

また、何よりiPadには「Procreate」という神アプリがあり、絵を描く時には必ず使っている。クリスタを使っていたときはどうしてもUIが使いにくく、気に入らなかったのだが、ProcreateのUIは洗練されておりとても見やすいし使いやすい。ブラシも豊富でちゃちゃっとイメージ図を描いたりカリグラフィ(英語版の書道みたいなもの)もできるので、絵を描くことに対する抵抗が全くない。

iPadのおかげでデジタルの絵を描くことが億劫ではなくなったのは普段デザインに関わっている身としてはとても嬉しかった。


■ 動画を観るのにちょうど良い

僕は家に帰ったらほぼ毎日お気に入りのYoutuberの投稿やアニメをチェックし、動画を視聴している。今まではスマホで視聴していたが、やっぱり画面が小さい。画面の大きさで感動の度合いが薄れるや何やとかいう論文があったが、最近は本当にそう思うようになってきた。

じゃあテレビでYoutube観ろや!っていう声も本当にその通りだが、前述した通り僕はかなりの面倒臭がり屋なので、テレビをつけてその後Youtubeに接続する作業がまず嫌だった。SwitchでもPS4を使ってもテレビの内臓アプリを使ってもYoutubeを観ることは可能なのだが、なんせ1つの動画にたどりつくまでの作業面倒くさくない??って思ってしまう。

テレビをつけ、スピーカーの電源をつけ、Youtubeを起動。この時点でもう面倒だが、スマホやPC以外のYoutubeのUIが結構使いにくく、テレビ用キーボードもないため、動画を探す作業も面倒臭い。また、ソファに座って観るため結構距離が遠い。イヤホンも長さが届かない、bluetoothイヤホンも接続が面倒...などもあってテレビでのYoutubeは友達が家に来た時以外は全く観ない。

じゃあPCで観ろや!!って言う声も本当にその通りだ。実際iPad以外ではMacbookで観ることが多い。だが!Macbookはキーボードがあるせいで画面と自分との間に距離を感じてしまう。たった何十cmかしかないこの距離だが、僕にとってこれは太平洋を筏で横断するかのように長くて険しい。そして何よりご飯を食べながらYoutubeを観たい!っていうときにわざわざMacbookで観たくない。僕にとってMacbookはあくまでも作業用で動画視聴用ではない。ご飯を食べるときくらい作業から離れたい。

そういった、かなりの面倒臭がり屋という僕の性格から、iPadが動画を観るのにちょうど良いとわかった。まず、テレビのように大きすぎず、スマホのように小さすぎない。キーボードがないので距離も遠く感じない。なんならスマホのように手に持って寝ながら動画を視聴できる。作業用コンピュータと割り切っていないので、ご飯中にも観ている。アニメも映画も最近はiPadでしか観ていない。iPadは僕にとって動画視聴に最適のコンピュータだ。


■ 他人に書類を見せるときに便利

これは最近ポートフォリオを他人に見せる機会が多くなり、一番感じるようになった。スマホで見せるのは小さすぎるし、PCもキーボードのせいで距離が遠いので見にくい。印刷するにしても50ページもあるポートフォリオを家で印刷するのは紙もインクももったいないし、印刷所で印刷するのもお金がかかるし...とあって最近はiPadで見せている。だが、このサイズ感と距離感が何ともちょうど良い。

ポートフォリオをA4サイズで作っており、iPadもA4に近いサイズなので、ほぼ実寸で見せることができる。

ただ、注意しなければならないのがiPadで見開きのページを見せることができないと言う点だ。1枚ずつスライドして見ることになるので2ページにわたって見せること前提で作っているページは、その都度口頭での説明が必要になってくる。本来と違う見方になってしまうので注意が必要だ。

ちなみに見開きでPDFを見せられるiPadのアプリがあるが、有料なので諦めた。Adobe Acrobatが結構優秀なので現在はそちらでPDFを閲覧している。


■ 本を読むようになった

僕は生まれてこの方、本というものをほとんど読んだことがない。小学生のときは音読が宿題になっていたこともあって一応読んでいたが、中学以降は国語の教科書以外で読んだ本は両手で数えられる程度だ。漫画も少ししか読まない。デザインの本は少し読むが、小説などの活字本は全く読まない。

そんな本とは全く無縁な人生を歩んできたが、iPadを買ってからというもの、kindleで本を読むようになった。最初は電子書籍なんて、と馬鹿にしていたが、意外にも最近はkindleで結構本を買っている。気付いたのだが、おそらく「本の内容」というよりもあの「本の形」が受け入れられなかったかもしれない。

実態のない電子書籍は意外にも便利で、まずカバンが軽くなる。そして本屋さんにいく必要がない。本屋さんで起こるいわゆる「青木まりこ現象」も起きないのだ。どこでも本を読める、本を買える。

大学に入ったら有名な小説をたくさん読むぞ!と息込んだものの、全く読まずに3年が経ってしまった。iPadを使って残りの1年、僕は本の虫になるかもしれない。


■ メモを書く・見るノートに使える

僕は普段紙のノートにメモをしているのだが、結構なペースでメモをするのでたまに紙が切れたり、ペンのインクが無くなったり、そもそもノートを家に忘れることもある。そんなときにiPadが活躍してくれる。充電さえあればどこでもノートを取れる。ノートと違って硬い板なので立ってても書きやすい。

しかもiPadで取ったメモは何もせずともそのままiPhoneとMacbookに同期されるため、どのデバイスからでも確認できる。これが案外便利。

また、プレゼンの際にはもともと打ち込んでたテキストを確認するカンペとして活躍している。スマホだとどうしても小さくて見落としてしまうことがあるし、何かスマホ見ながら話すのは後ろめたい気持ちがあって、普段はiPadを使っている。

ただ、周りが紙のメモ帳を使っている中、iPadを使ってメモをしていると周りの人から少し浮いてしまうので注意が必要だ(経験済)。


ここまではiPadを買ってよかった話だったが、逆に買って後悔したことも少しある。


■ Macbookと一緒にカバンに入れてたら重い

iPadを手に入れたから外でiPadを使いたい。外出時には今までMacbookのみをカバンに入れていたが、最近はiPadも一緒に入れている。当たり前の話だが、カバンが重くなる。

iPadだけ、Macbookだけを入れて家を出ることもあるが、両方必要なときがどうしても出てきてしまう。例えば旅行先には荷物が重くなるのを防ぐため毎度iPadのみを持っていくのだが、たまに旅行先で作業しないと締切に間に合わない!というときがある。しかもiPadでポートフォリオを見せたい、写真の現像をしたい、動画を見たい。そういったときはMacbookも一緒に持っていく必要がある。

残念ながら僕の作業に無いと困るAdobeのデザイン系のソフトは、まだまだiPadのみで作業できる環境は整っていない。最近はPhotoshopのiPad版がリリースされたが、できることが少なくて簡単な編集しかできない。結局はMacbookで作業する必要がある。

そういったことから、どちらもカバンに入れて外出する必要があるときは肩の痛みを我慢しながら歩かなければならない。(東京を歩いているときは測ったら8kgもあって驚いた)


■ 単純に値段が高い

僕の買ったiPad Pro 11インチは12万くらいした。Wifiモデルで11インチという一番安いモデルにしたのだが、それでもProは10万は軽く超えてしまう。別に動画を観たり、本を読むだけならProじゃなくて他のモデルでもいいのだが、Adobeのソフトを使いたかったのでProを選んだ。

一発で払えるほどお金も無かったのでローンで買ったのだが、大学卒業まで毎月5千円くらい払わないといけない。他にもカメラや車校のローンも残っているので毎月の支払いが怖い。ほぼ毎日バイトしているので今のところ大丈夫だが、もし何かがあって大きなお金を払わなければならない日が来た時、破産してしまう未来が見えるから怖い。


■ iPad Life

そういったリスクも抱えているが、それだけ持っている価値があるものなのは確かだ。iPadを買ったことで生活が豊かになったかと言われれば、確実にYes.と答えられる。

iPadがなくても絵も描ける。動画も観れる。書類も見せられる。本も読める。メモも書ける。ただ、iPadがあることでそれらに拍車がかかってより便利になった。ものがあふれた現代社会では、この世になくても生きていけるものなんてたくさんある。僕にとってiPadもその1つである。別にiPadで仕事をしているわけではないし、iPadが無いと死ぬわけでもない。

ただこの小さな板に秘められた可能性は無限大だ。iPadがあれば今までごく普通に思えたことも視点が変わって見える。今まで避けてきたこともするようになった。

多くの大学生の場合、すぐ稼げるお金で買えるものではないはずだ。ただ僕はそんな犠牲も払って買った。そして人生が豊かになった。


だから僕は、これから大学を卒業し就職してもずっとiPadを愛用していこうと思う。Macbookと違ってメモリもまだまだ余ってるし!!!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?