続・夢なら覚めて

「祖父母」の定義。自分が生まれた時には既に亡くなっていて、写真だけでしか見ることのない人々。もしくは、早晩確実に死んで居なくなる人々。あまり関わりがない(※個人の感想です)
だが、「父母」となると違う。(※私の場合)
全能全治、万能、唯一無二、唯我独尊…違う違う。永久普遍。不老不死。安心、安定、なイメージ。信頼と実績の積み重ねのなせる技?

高校卒業と同時に家を出た私はそこから両親とは生活を別にすることになるわけだが。
数年前のある日、父がほぼ総入れ歯になっていることを知る。私が物心ついた頃から、虫歯ゼロ、歯並び良好を誇っていた父が、いきなりの(わたしにとっては)総入れ歯!食後、湯呑みにチャポン、て。そう言えば、ポ◯デント。あったあった、棚に。

生まれたばかりの赤ん坊は日々大きくなる。成長する。ある程度育ち切った大人は、成長するとは言わない。いつの頃からか老い、老化と呼ぶようになる。父母は完成形ではなかったのか。生まれて最初に出会った時から姿形は完成形で、そこから進化?進歩?成長?変化?する事はないのだと思っていた。
ある日突然、老いた風貌の親が出現し対面することになるのだ。させられるのだ。久しぶりに実家に帰省した時に思わず出た一言「年取ったなー」。もちろん、無音声にとどめたけれど、その一言が親の老いを認識するターニングポイント、だったような気がする。
愕然とする。

更に、母がアルツハイマーを発症する。
今までまで生きてきた中で最低最悪の事態が起きたと思った。

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