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男の子の気遣い

「疲れたね、パパ」
「うん、帰ろうか」

無邪気で、お父さんよりも先を行く男の子と
その発言から周囲を気にして少し辿々しい返事をする、その子のお父さん。

そんな微笑ましい光景に自然と笑みは溢れてしまう。

男の子の
「疲れた」ではなく「疲れたね」
という言葉遣いから、その子の父に対する優しさを感じられた気がした。

只々、心からの「疲れた」であり純粋無垢な子供らしい一面なんだろうけれど、相手のことを考えての言葉のように感じた。

あれが欲しい、これがしたいという風に、子供って何でもストレートに言うもんだと思っているから、少し表現が変わるだけで父に対して何かしら配慮しているのではないだろうかと勝手に妄想解釈をした。

非常に子供らしくないし、そんなわけもないのだが、もしそうであれば素晴らしい人に成長して行くんだろうなぁと感慨深く感じた。

お父さんが子供の発言から周囲を気にするように、親子の会話というのは周りに聞かれることに少し羞恥心があったりする。
それは、意味なんか気に留めず耳馴染みのある言葉をただ口に出したり、時には下ネタのようなことも言い出したりと何を言い出すのかがわからないからだろう。

でも存外、家で会話する時のように普段通りに話すことは、なんてことなかったりするのだろう。
周りを気にせず話す親子を本屋で見かけたことがあるが、変に感じることはなく、親子の幸せな人生の一部分でしかなかった。

こちら側としては、それを見たかったりもするのだ。

だから、気にする事なく普通に会話していてほしい。

たまに、それなりの声量で説教をしている親子に出会う。
人目を憚らず叱ることができるのもすごいと思うが、何とも言えない空気感に何だかムズムズしてしまうので、それは何とか出来たらと思ってしまう。



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