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プロ意識は持つもの?

 自動車の整備士を生業として5年ほど経つ。職業柄、プロ意識を持つように言われることが、稀にある。

そもそも、プロとは何なのか。
何を経て、プロとされるのか。
今のぼくは、プロと言えるのか。

現在の職場では、中堅に位置している。まだまだ技量不足だが、どうにか対処できる知識と技量は、年々身に付いている。それでも、整備士とは思えず、プロ意識も考えられない。
そんな人間が、人の車を扱っているのかと考えると、いい気分はしないと思う。例えば病院で、自分の担当医が医者と思わないと発言していたら、その瞬間から心が不安で満たされてしまうだろう(そんな瞬間ないと思うけど…)

その点に関して言えば、手を抜いて仕事をしているわけではない。
おそらく、自分の中のこうあるべきという整備士像(理想像)が高いのだ。
 車両の全体の仕組みを理解し、未知の未経験の不具合でも答えを見つけ出す、あるいは答えを作り出す。そんな人が、整備士でありプロフェッショナルと言える。

今の自分は、その考えからすると果てしなく遠いところにいる。
仕事に限らず、自分がやっていることは正しいのかと不安で仕方ないのだ。
修復できれば、やり方に正解はない。しかし、作業の効率化を図り、数をこなしていくには、正解とされる最適なやり方が個人で存在する。

①丁寧で作業が早い人。
②丁寧で作業が遅い人。
③程よい時間で、程よい質で仕上げる人。
④程よい時間で、雑に手早く仕上げる人。
世の中の理想のタイプは①又は③だろう。
やり方やプライド、何が正しいとしているのかは、個人で大きく違う。

サービスを提供する立場としては、迅速な対応で、質が高いことは理想だ。しかし、早く丁寧にというのは難しい。
2日は絶対に必要とする仕事を1日で終わらせてほしいというような、お客さんの要望は多々ある。そうすると必然的に残業になり、早く的確な作業は難しくなる。疲労による事故など、起こるべきでないことも起きてしまう。

そんな中でも、上手くやれる人がプロと言えるのだろうか。

今後も表面上は、整備士を名乗りながらも気持ちは、変わることはないと思う。
整備士やプロ意識を自覚することで、お客様との向き合い方や技量が上がる。そのような、考え方の人もいるだろう。
しかし、今回の疑問から、プロ意識は持つものではないと考える。仕事にコツコツ向き合う過程で、自然と着いてくるものだということに今回はしておく。
ぼくの場合、意識すればするほど、遠退いていく気がする。










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