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お年玉をいただく側のリアクションとその正解

正月は毎年変わらず、祖父母の家で食事をして過ごす。仕事の調子や世間話、先日祖父が踵のことを「あど」と会話中に言ったことから、今はそんな言葉使わないなどの話で賑わっている(「あど」は熊本県や宮崎県など九州の方言らしい。おそらく)

そして、お正月といえばお年玉である。
お年玉を渡すようになって4年ほど経つが、渡す時にどのように渡すべきか、どんな反応をするのかを気にしてしまう。それが苦手で昨年まで替わりに母に渡してもらっていたので直接手渡しするのは初めてになる。
お年玉を渡す子は中学生の女の子で思春期でもあるし、変なぎこちなさを悟られないよう渡そうと考えていた。しかし、自分のしょおもない緊張感などどうでもよく、お年玉の袋を目にしたその子はあからさまに満面の笑みを見せた。そして、少し前屈みになり受け取ったお年玉袋を両手で祈るかのように眉間あたりに寄せた後、その姿勢のまま5秒ほど硬直していた。
その姿は、まさしく最大限の感謝を表す姿勢であり、なるほどなぁと感嘆した。
僕がいただいていた頃を振り返ると、お礼を言いつつ受け取りながらも有り難さや申し訳なさを感じながら、特に大きなリアクションもなく、親戚の方も渡し甲斐がなかったと思う。昔から、素直に喜んで受け取ればいいものを恥じらい、毎年そんな自分を嫌い悩んでいたのだが、まさかその子からお年玉の受け取り方を教えてもらえると思っていなかった。渡し甲斐があったし自分もお年玉を貰えると思っていなかったので、その姿を見たときは思わず笑ってしまった。

子供は純粋に感情や心の内を出した方が可愛らしくて、周りの人たちは心動かされる。ああしたいなぁ、こうしてあげたいなぁという人のために何かしたい気持ちが湧く。それは、子供に対してだけでなく大人同士の関係でも、その気持ちが今の世の中には必要なのだろう。
新年早々、その子に渡した金額以上のものをいただいたので、来年は少し上乗せしようかな。

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