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叱られたらいいと思うよ。

「おたくの学校の子たちが、マンションの階段で座ってお菓子食べててうるさいんですけど。」
「小学校中学年くらいの子たち5人くらいが、駐車場で遊んでいて危ないんですけど。」

放課後、たまに地域の方から、こんな電話が学校にかかってくることがある。


「人の家の敷地には勝手に入りません」
「道路や駐車場で危ない遊びはしません」

そりゃ、学校でも子どもたちにこんな指導はする。

けれど、放課後のことまで、先生は責任を持つ必要があるんだろうか?
ご家庭での域じゃなく?

どこまでが、先生の仕事なんだろうとその線引きに抱く疑問。

まあでもきっと、実際問題にも心理的にも保護者に直接注意がしにくいから、言いやすい学校に伝えているんだろうな、とは容易に予想がつく。

とはいえ、連絡を受けた以上そのままにしておくことは、出来ない。
電話を受け取った職員や、学年がわかれば当該学年の担任団、生徒指導担当の職員たちでその場に赴く。

彼らに指導をしたり、様子を見に行ったりするために。

(それが、たとえ勤務時間外であっても。)

そんな電話を入れていただいた地域の方には、迷惑をかけられていて怒っている、ということもあれば、純粋に子どもたちのことを心配して、ということもある。

その方々が学校に伝えた動機も一概には言えない。

しかし、しばしばそんな電話を受けて、気になることがある。

「お伝えいただきありがとうございます。ご迷惑をおかけしてすみません。」
とまずはお礼と謝罪を伝えた後、

失礼ですが、子どもたちにお声がけは、していただきましたか?」

と聞くと、なぜ自分がそんなことを言わなきゃいけないの、といった反応をされるか、ガチャンと切られてしまうことも結構ある。

見るからにガラが悪い集団、だとかなら、伝えるのに躊躇してしまうかもしれないのも分かる。だが、相手は小学生。

このマンションの階段でお喋りするとね、声が響くんだよ。赤ちゃんが寝ているお部屋もあるかもしれないし、静かにしようね。」


ここね、車がよく出入りするから危ないよ。ここで遊ばない方がいいよ。」


など、直接その場で伝えてもらってこそ、彼らが自分たちのしていたことが誰かに迷惑をかけていたことや、いけないことをしていた、と気づくこともあるはずだ。

電話連絡を受けて、職員がその場に向かったものの、もうそこには誰もいない、なんてことはザラにある。

その場合、それが誰かも分からないので翌日各クラスでの指導となる。

子どもたちにとっても翌日時間が経って全体の中で言われるより、その場で直接言われる方がきっと響くに違いない。


悲しいことに世間では子どもを狙う犯罪がしばしば起こることもあり、容易に声をかけ辛い世の中になったとは思う。

近所の子どもたちとだって、関係性を築くのも難しくなったのかもしれない。

けれど、子どもたちは、たくさんの人との関わりの中で、気づくことや学びも多い。


子どもたちよ、親や先生からだけでなく、時に地域の方からも注意されたり、叱られたりしたらいい。

そうして、お家や学校だけではなく、地域の方にも育ててもらえるといいな、とそんな電話がかかってくるたびに密かに願っている。


#子ども #先生の日常

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