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鹿とグルメ旅、奈良。

先日、遠足の付き添いに行ったとき、ふと思った。
ー自然ってやっぱりいいなあ。
近いうちに、自然を感じられるところに行きたい。
そして、その翌日の晩御飯食、旅系Youtubeをまったり眺めていると、奈良のおいしいレストランやカフェの特集を見かけた。

その二つが重なり、ふと閃いたのだ。
ーそうだ、奈良に行こう。

そのYoutubeを夫と見ていたので、夫も乗り気になったようだ。
「じゃあ、今週ね。」
と決まるのは、早かった。

直前だったからだろうか。
予約した「ホテル日航奈良」は、JR奈良駅直結というアクセスの良さ、そして部屋もある程度広いという好条件なのにも関わらず、思いのほか高くなかった。

広々として、天井の高い、いかにもホテルのロビーといった感じのロビーにわくわくする。

そして、チェックイン後にウェルカムラウンジも利用することが出来た。
お酒は強くはないので、単体ではさほど飲めないのだけれど、何でも飲んでいいよ、と言われたら食いしん坊の血がたぎる。

全種類試したい気持ちは山々だが、空きっ腹にアルコールは酔いが回りそうなので、ちょっぴっとだけ、カップに入れて飲んでみる。

来世は、酒豪になりたい……。

「梅の宿」といえば、梅酒か桃酒、みかん酒などの果実酒のイメージが強かったんだけど、普通の日本酒もあるんだなあ。

調子に乗って赤ワインもちょっとだけ飲んでみるも、早くも顔が熱を帯びてきたのでオレンジジュースを混ぜて中和。
カップの中で、仕上がるカクテル。
渋さもまろやかになって、より美味しい。

…いつか、赤ワイン単体で楽しめる大人になりたい…。

顔が赤くなってきたので、ラウンジを後にする。

お部屋に足を踏み入れると、家具や装飾が私好みの色合いだったので、小踊りする。

こんな部屋で暮らしたい…。


山の絵と、古墳クッション!!!
前方後円墳、かわゆい…。

夜ごはんは、もつ鍋のお店を見かけて入りたかったんだけれど、混んでいて案内できるまで小一時間かかる、とのこと。

とりあえず入ってみた「CAFE  ETRANGER NARAD」さんへ。


奈良産の野菜、大和ポーク、古代米、大和ほうじ茶…メニューに奈良ならでは、のこだわりがあっていいな、と思った。

2軒目にもつ鍋を控えているので、ここは軽く。
飲み物と前菜盛り合わせとピッツアナラッド、というおすすめのピザをチョイス。

前菜も一つ一つ、とても美味しかったし、何よりこのピザがすっごく良かった!

覚えているだけでも、レタス、ブロッコリー、プチトマト、カブ、レタス、レンコン、シイタケ、ニンジン。モッツアレラや、リコッタチーズもふんだんにのっており、大満足の一品。

てんこ盛りの地場野菜。


アップだと、もはやサラダ。

食感も楽しめるようと意識してのことだろうか。カブやレンコンなどの根菜類、表面は軽くローストしてあるが、しゃきしゃきで美味しかった。
これだけ具材がボリューミーなピザ、初めて食べたかもしれない。

時間が来たので、2軒目「もつ粋」さんへ!

奈良ともつはさほど関係はないが、食べたくなったんだから別にいい。
店内で手切りしているらしいこだわりのもつ。お出汁がコクがあるのに、そのまま飲めちゃうくらいあっさり。
ぷるぷるでもったりなもつと煮込まれてしっとり柔らかなお野菜たち。
取り皿はすぐ底が見え、もう一杯、もう一杯、と箸がすすむ。

先ほどのピザといい、もつ鍋といい、今日はお野菜摂取量がいい感じ。外食だとどうしても、栄養バランスが偏ってしまうからありがたい。
牛の心臓である、ハツもあっさりしつつ、旨味がある。
他に枝豆に、牛串3種盛に、牛コロッケに…。

衣が薄い、ぎっしりコロッケだ〜!

やっぱり先ほど、前菜盛り合わせにピザ半分を胃にすっぽり収めたので、お腹がいっぱいになってきたのだけれど、〆の雑炊を食べないなんて選択はない。

もつの出汁が染みていて、ほっこり。
お腹がいっぱいにも関わらず、しっかり完食しましたとさ。

ホテルで紅茶片手に、読書したりエッセイの執筆したりと優雅に過ごすつもりが、お腹がいっぱい過ぎて、ベットに転がるしか出来ない…。

二日目は、朝風呂を満喫してからモーニングへ。選んだのは、奈良の有名店ROKUMEI COFFEE。鹿のロゴが可愛い珈琲ショップである。

以前奈良に遊びに来たときに、立ち寄ってショップでドリップ珈琲のお土産を購入したことはあるけれど、店内で飲食するのは初めて…!
木の落ち着いた雰囲気のこのお店。なにか、観光案内雑誌にでも載っているんだろうか、海外からのお客さんもすごく多かった。

モーニングのラインナップはこちら。

クロワッサンは3種から、そして飲み物を選べる。
普段わたしがよく行く喫茶店のモーニングは、500円前後くらいなので、ちょっと高いな…なんて尻込みしてしまう。
しかし、店内でメニュー表を一読し、珈琲が600円ちょっととクロワッサン単品で1つ440円なことを考えると、モーニングはお得か…。と思い直す。

3種の中で、わたしが選んだのは、フレンチクロワッサン。
フレンチトースト、クロワッサンどちらもわたしの大好物だから、その組み合わせが美味しくないわけなんてない。だけど、想像以上に美味しかった。

珈琲とも良く合うんだなあ、これが。

外側がカリッカリッのサクサク。誇張なしのさくさく。ナイフとフォークを突き立てると、本当にサクッと軽快な音がするし、口の中でカリッと弾ける。

そして中身は、大好きなフレンチトーストの味ときた。甘すぎるわけでもない、丁度良い、甘さ加減。

もし食べ放題なら、あと3つは余裕…!

幸せな朝ごはんで1日を始めると、幸せな1日が確約されているかのような、多幸感。

ホテルや旅館で食べる朝食も好きだけど、素泊まりでこうやって近辺の美味しいお店を探すのも楽しい。

そしてチェックアウトしてからは、気になっていた絵本カフェに行く。
この絵本カフェがずっと居れるくらい居心地が良く、素敵なカフェだった。
きっとここだけで1500字は超すと予想される。なので、ここについては別枠のエッセイにて記そうと思う。

その絵本カフェを出てからは、ようやく奈良旅らしく東大寺方面へ。
だってここまで、食べて食べて、食べるしかしていない。

歩くこと20分、鹿がちらほら見えてきた。
わたしは関西に住んでいるので、奈良公園はこれまで何度か行ったことがある、馴染みの場所の一つだ。

屋外そこかしこでは、鹿の餌である「鹿せんべい」がむき出しの状態で売られている。
早速、一しめずつ購入。

小学生の頃両親に連れてきてもらい、初めて鹿せんべいを手にしたときから、香ばしいいい匂いがするなあ、どんな味がするのかなあと興味を抱き続けている。

味のない炭酸せんべいみたいなものだろうか。ぜひ、わたしも食べてみたい。

そう思いながら、はや二十年経ってしまった。いい大人になる前に、味見しておけば良かったのかもしれない。

奈良公園入り口付近では、鹿より圧倒的に人の方が多い。
すなわち、鹿はたくさんの観光客からすでに、たらふく鹿せんべいをもらった後である。
なので、彼らは見向きもしない。

「ふんっ。」
下に散らばる幾枚もの
鹿せんべいが切ない。
「わしゃもう、
鹿せんべいなぞ飽き飽きじゃ、、。」

どうせなら、鹿せんべいを差し出してもつれなくふられるより、モテたい。
寄ってきて欲しい。
というわけで、人口密度がいくらか減る、若草山や東大寺二月堂の方へ歩いて移動。

一年に一度開かれる、正倉院展もやっていたが、あまりの人の多さなので今回は見送ることに。

まだ紅葉シーズンにしては、少し早いが「秋見つけ」をしながら歩く。

黄色に染まりかけるイチョウ
独特な香りがする、銀杏。
梅干しみたいな見た目。


一部だけ黄色いの、なんでだろうね。

予想通り、若草山の方には、飢えた鹿たちが。
手にしている、薄い茶色い物体を目にするや否や駆け寄って来てくれる。

そう、求めてたのはこれだよ、これ。

「くれるんですかっ?!」
もぐもぐもぐもぐ。
鹿って睫毛、長くない?
動画を撮りつつ、鹿せんべいをあげていたらアグレッシブ鹿さんに、
スカートをコートをはむはむされる。
生えかけの角、可愛いねえ。


奈良公園、東大寺といえば、あの大仏様に会いに行かれる方が多いのだが、折角ならばぜひ、東大寺の仏堂の一つである、二月堂にも立ち寄って欲しい。
こちらも、日本の国宝に指定されている。

ちなみにわたしは、奈良公園に来るたびに来ているのだが、いい感じに人が少なくて雰囲気があるお気に入りの場所。

入り口にお出迎えするかのように
現れた鹿さん。
大きな提灯が特徴的。
帰り道の階段より。

京都の清水寺の舞台みがあると勝手に思っている、下から見上げる二月堂。

高い、建物がないので、お堂から望む夕陽も美しい。
暮れなずむ空を眺めてしばし、時を忘れる。昔の人もここからこうやって、同じ景色を見ていたのかな、なんて感慨深い。

晩御飯はならまちの方へ歩き、Youtubeの特集で見て、目星をつけておいた「麺喰」さんへ。

がらがらと引き戸を開けると、町家の温かい雰囲気の木の店内。
モノトーンや、白を基調としたお洒落カフェよりこういった色合いのお店の方が落ち着くんだよなあ。

日が落ちて気温が低くなり、身体も冷えていたので「飛鳥汁」を注文。

ところで「飛鳥汁」ってご存知ですか?
わたしは初めて食べる、飛鳥汁。

牛乳と鶏肉と季節の野菜が入ったお味噌汁で、なんでも飛鳥時代、貴族の間で食べられていたそうな。

こちらのお店のは、豆乳も入っているおかげか、思ったよりもまろやかでクリーミー。
かといってくどさはない。鶏のいい出汁と相まって絶妙なハーモニーである。

良い意味で予想を裏切る味…!
もう一口、もう一口と、お汁単体をれんげですくって味わいたくなる美味しさ。

どこまでも、鹿…!
もはや、鹿は奈良のアイデンティティ。


これは寒い日、はふはふ言いながら食べたい。ついでにこのスープ、水筒に入れて持ち歩きたい。

ぜひ、家でも再現してみたいなあ。

うどんは店主さんが、かの有名なうどん県で修行してきた本場仕込み、麺にこだわりがあるということだったが、確かにうどんから小麦の優しい味がした。


ちなみに、他に一品おかずと古代米とミニデザートがついてセットで¥1050。

…い、いいんでしょうか?!
18時開店、そして20時ラストオーダーという営業時間の短さ。もし行かれるなら、早めの時間が良いと思われる。

美味しいものと自然と鹿と。
弾丸奈良旅、また行きたい。

旅のポスターがあったら、
ついつい見ちゃう。
蘇(So)Good!って、ふふふ。


#旅エッセイ











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