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「コーピングのやさしい教科書」

 伊藤絵美さんの本再び。「コーピングのやさしい教科書」。

 この本は大変良かった。この一冊だけで、コツコツとワークをこなし、コーピングし、マインドフルネスをしたら、効果あるだろうな、と思う一冊。そして、なにより丁寧に説明されているので、あら、よく分からない、みたいなとこがない。
 理論的なことは抜きで、ひたすらやる事にフォーカスして、質より量だ、とばかりに実際にやるハードルもすごく下げてくれる。
 一家に一冊レベルじゃなかろうか。まるで薬箱のような。技術の詰め込まれた一冊。

 この本はとても良書だと思う。ただ、こういう認知行動療法的な本を読むと、ストレスマネジメントも自己責任なのかなぁ、と寒々しい気持ちになることも確かだ。ここまで個人に責任を負わせて、ストレスを解消して社会生活に支障をきたさない努力を、と迫られている感じがしないでもない。
 著者の発信を見ていると決してそんなことは思ってないことは分かるのだけれど。

 健康だった時はこういう本は全く読まなかった。(そもそも本も読んでなかった)こういう世界もあるのだな、と、健康ではなくなった今、発見するものがある。
 この本は、健康だった時も知ってて良い技術だったな、と思うが、今ほど切実な姿勢で読むことはなかったかな、と思う。


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