見出し画像

今週の読書 6/17「その後の不自由」

引き続き、「その後の不自由」。

4章の「その後の不自由」を生き延びるということ、から。壮絶な経験談だ。でも回復の過程がリアルに感じ取れる気がする。後、治癒するのではなく、回復、回復し続けることがその後を生き延びること。これは変化を受け入れるってことと似ている気がした。

「生き延びるための10個のキーワード」ここは結構細かい話になるので、あまり触れなけれど、印象的なところをいくつか。自分お身体の不調や「嫌」ということがわからないので、少しずつ言葉にしていくこと。「楽しい」もわからないので、「遊ぶこと」。ただ遊ぶは、「居るつら」でも出てきたな、など。

なかでも人とつながるスキルは重要です。危ないことを危ないと教えてくれる人がいないと、あるいは社会の求める”普通”からはずれた自分を「それでいい」といってくれる人がいないと安心して暮らせないからです。
そもそも安全とか安心とか、あるいはそれらの前提にある信頼というものは、誰にとっても聞いたことはあるけれどよくわからないものだと思います。ですからたくさんの新しい体験の中で、気づき、発見し、試してみる、時には失敗するなどの過程を通過してそれを獲得していくようです。

これは自分にとってはとても遠い道のりで、大変なようなことに聞こえる。結局回復にも時間がかかる、人に壊されたものを再建するにもまた1から。これは結構つらい作業だし、依存症でなくとも誰しも一生続くようなところもある。複雑だ。

「よくなること」についてあまり考えないでください

これも印象的だ。よくなること、治ること、この言葉は案外強い。よくなる→今まで悪かったの?でも生きるためには必要だったし、こうして生きてるだけで良かった。治るも同じようなことかもしれない。今まで自分が必死で生きてきたことを、病気の一言で否定しても良いのだろうか。ここではまずは「ご苦労様」といってあげたい、とあった。そう思う。依存症でなくとも何かの不自由を抱えてきた全ての人に「頑張ったね、ごくろうさま。よくやってきたね」と心から声をかけたい。自分にも。今こうして生きているのは過去の自分がどんな形であれ、生き延びてきた証だから。

最終章は援助者の方に向けたものなのでいったん省く。

この本は割とあっという間に読み終わった。この本を読むことで自分を大切にする、傷つきにどう対応するか、ということが学べる気がした。

傷つきたくないし、傷ついてしまうと立ち直れるのだろうか、という気持ちはある。傷つくのは怖い。でも時間は多少かかっても、それを癒す方法を知っていたらその怖さも少し和らいで、新しい世界へ踏み込んでいけるのではないだろうか。これがこの本の希望なのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?