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私とペット

※画像はみんなのフォトギャラリーより、kjmtさまからいただきました。ありがとうございます。

私は物心ついたときから動物と関わっている。
小学生のころは生き物係で、さらに気がついたときにはウチにはペットがいた。
私の世話好きな性格はおそらく動物を飼っていたことが理由にあるのだろう。
今まで飼ったペットを挙げてみようと思う。

犬、ウサギ、ハムスター、蝶、トンボ、カマキリ、カブトムシ、クワガタ、金魚、カメ、カエル、インコ、猫…。

こんなにいたのか。もう動物と生きてきたと言っても過言ではないのかもしれない。
動物のいない世の中なんて考えられない。それほど私は動物が好きだ。

動物を飼うと人の気持ちがわかるようになる。
なぜなら、言葉の通じない動物だからこそ、その意図を汲み取るようになるからである。
動物たちは言葉が通じない分行動や態度で示してくるのだ。

動物にも心がある。
また、動物も人の気持ちがわかるんだと思う。
動物は私たちを良く見ている。
最近HSPHighly Sensitive Person、とても敏感な人)という言葉が話題になっている。
調べたところHSDHighly Sensitive Dog、敏感な)というのもいるらしい。敏感な特性は必ずしも人間に限ったことではないようだ。
私はこのHSPなのだが、この話は長くなりそうなのでまたいつか。

動物に優しい人は、人にも優しい。
動物の他にも子供や老人といった自分より弱い人やモノに接するときの態度が、そのまま家族や他人に接するときの態度になると思う。

話はペットに戻るが、これから今の飼い猫とのエピソードを話そうと思う。

2014年、ウチの一匹目の猫が死んだあとはペットロスもあって動物が飼えなかった。
その後、私が大学を卒業し就職をして、しばらくペットとは無縁の生活をしていた。
そんな私が家に再び動物を招き入れるきっかけとなったのは私の退職である。
様々なことが原因となり、精神的に追い込まれ限界を迎えた私は退職をした。
次の職など見つける余裕もなく、しばらくは家に塞ぎ込んでいた。

ボロボロになった私の癒しになったのは、テレビの動物番組だった。
可愛い動物たちを見ている間は、将来に対する苦悩を忘れられたのだ。
特に猫が可愛かった。テレビでアニマルセラピーなるものもあるのを知って、やはり動物はいいな、と思っていた。

漠然と、また猫を飼いたい、と思った。

初めからペットショップで買うことは考えていなかった。
単純に値段が高かったのも理由にあるが、世の中には殺処分される動物たちがあまりにも多いことも知っていて、その中の一匹でも救うことができたら、と考えていた。
血統書なんかで動物の価値が決まるのもおかしいという考えもあり、私は雑種(今ではミックスというのか)というものに対して全く抵抗がない。
そこで猫を引き取ることを考えた。
風の噂で県の動物愛護センターで猫たちと触れ合うことができ、さらに講習を受ければ引き取ることもできると知り、これだ、と直感的に感じた。

何度か愛護センターに通って動物たちと触れ合った。
いろんな動物たちがいたが、皆可愛かった。
愛護センターの中では猫たちの部屋というのがあって、そこに行くと猫と触れ合うことができる。
部屋に入ると猫が何匹がいた。そこに奴らが、黒猫三兄弟がいた。
うちの二匹は人懐っこくて、入るとすぐに寄ってきた。
一匹は初め部屋の中にあるキャリーケースの中に隠れていたのだが、猫たちと触れ合っているとスーッと出てきて私の膝の上に乗ってきた。

これが私とウチの今の飼い猫との運命の出会いである。

その猫は酷く痩せてはいたが、どことなく優しい雰囲気を醸し出していた。
帰る時間になり部屋を出ると、黒猫三兄弟はガラス越しににゃーにゃーと大合唱を始めた。
とても人懐っこく可愛い黒猫たちだった。

家族と話し合い猫を飼う心持ちができ、センター主催の講習を受けどの子を貰おうかと見ていると、黒猫たちは人気があったようで貰われていた。
残念だな、と落胆しているとまだ一匹黒猫が残っていた。

それはあの痩せた引っ込み思案な黒猫だった。
この子だ、と思い職員の方に引き取ることを告げると、非常に喜ばれた。
何度かの触れ合いの中で感じていた、「この子賢いですよね」と職員の方に訊くと、「そうなんですよ、この子三兄弟の末っ子で、賢くて人のことを良く見てるんです。」と答えてくれた。
やっぱり職員さんも良く見てるんだな、と感服した。

黒猫を貰うことを決めサインをして手数料を支払った。
連れてこられた黒猫は暴れながらもキャリーケースに入れられた。
これから何をされるかわからないのだ、無理もないだろうと思った。
大丈夫だよ、と声をかけながら車に乗せた。

キャリーケースに入れてウチに連れて帰ってくると、黒猫はしばらくキャリーケースから出なかった。
その後洗濯機の裏などあちこちに隠れ、親からは「大変だよー、飼うの大丈夫なのー?」と言われたが、私には懐く確信があった。
餌と水を用意したがどちらにも手をつけず、家にあった段ボールからハウスを自作して、その日は寝ることにした。
電気を消すと、あれだけ慣れなかった猫がハウスから出て膝の間に挟まってきた。多分寂しかったんだと思う。

夜中に臭いで目を覚ますと猫が粗相をしていた。
幸いにも作った段ボールハウスの上でしていたので被害は少なかった。
我慢してたんだね、と声をかけて掃除をし、再び寝た。

翌朝目が覚めたら餌と水が減っており、非常に安堵した覚えがある。
その後は徐々にウチにも慣れ、今ではお腹を出して伸びながら爆睡するように…(笑)。
やっぱり猫は家につくのだと知った。
ペットは飼い主に似る、と良く言われる。
ふっくらしたウチの猫のお腹を見ると「確かに…。」と思わず納得してしまう(笑)。


前置きが非常に長くなってしまったが、ウチの猫はストーカー猫である。家の中でいつも私のあとをついてくるのだ。

朝、家を出ようと着替えカバンを持って玄関に向かおうとすると、先回りして玄関の私の靴の上に寝転んで「行かないで〜」とでも言いたそうな目で私を睨む。それがたまらなく愛おしい。

家に帰ってくると駐車場に入れる車のエンジン音でわかるらしく、真っ先に出迎えてくれる。
「ただいま〜」と言いながら玄関のドアを開けるとこちらに向かって歩いてきて私の脚に身体をスリスリしてくる。これがまた可愛い。

夜、寝ようと電気を消して布団をかけると、どこからともなくやってきて脚の間に挟まって寝る。
温かく柔らかい。明らかにオキシトシンが出ている感覚がある。幸せ。

猫の首輪に鈴をつけているのだが、普段は音を鳴らさない。
何かアピールしたいときだけリンリンと音を立て歩いてくる。
どうやっているのかは謎だが。自己主張するのだ。

先日深酒をしていたのだが猫がテーブルに登って空のグラスを手で床に落とした。私は言葉を失った。
まるで「飲み過ぎだよ。ほどほどにしなよ。」と言われたようだったからだ。真偽のほどはわからないが。

疲れていたり、落ち込んでいたりすると、ゆっくりと足音を立てて歩いてきて、寄り添ってくる。
ただ近くにくっついてくるだけで、なんとなく気分が晴れる。これが猫の凄いところ。
先ほどHSPの話をしたが、ウチの猫はHSC(Highly Sensitive Cat)なんだと思う。人の感情を察知するのだ。

言葉ではなく行動で示す、見習わないとな。

君が来てから我が家は温かくなった。ありがとう。
そして、これからも末長くよろしくね。

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