『BLEACH』 2巻 感想
概要
著者:久保 帯人
初版発行:2002年
デジタル版発行:2012年
発行所:集英社
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発行者による作品情報
感想
前半に出てきた虚・シュリーカーは、BLEACH全キャラの中でもトップクラスのゲス野郎です。生前は連続殺人犯として殺しを繰り返し、死後は逆恨みからシバタ(インコに憑いていた少年の霊)を利用して外道な"ゲーム"を楽しむ。
そら一護もブチギレる。ただでさえシバタの霊と共鳴した夏梨が苦しむ様を見ただけに尚更。ヒル(小型爆弾)を口の中に押し込み、舌(起爆装置でもある)を引っこ抜き、脚に斬魄刀をぶっ刺す。その上、普段からは想像もつかないドス黒い台詞を吐きつけました。
そしてシュリーカーは罪を洗い流され尸魂界へ…なわけがない。斬魄刀で落とせるのは「虚になってからの罪」だけ。生前にも大きな罪を犯した彼は地獄へと叩き落とされました。
1巻の感想で「"死後の"罪を〜」という書き方をしたのはそういうことです。
後半は打って変わってギャグ成分強めです。一護も言っていましたが、改造魂魄の話は倫理的に結構重い話なのに、ルキアの図解で台無しです(笑)
このくだりは、BLEACHのギャグシーンの中で一番好きなものです。
でも改造魂魄の話は闇が深い。死んだ人間の体に改造魂魄を入れて尖兵に使おう(結局「それは非道だ」として廃案になりましたが)だの、勝手に魂を産み出しておいて勝手に亡き者にしようだの、(人間基準で見たら)どうなっているんだ尸魂界の倫理観は。
その分、一護の体を借りた改造魂魄の"命"に関する言い分は凄く心にくるものがありました。自分が勝手に殺されなくてはならなかったから、他者の命を勝手に奪わないようにする。"命"なんて大仰なものじゃなくても凡夫にはなかなか出来ないことだと思います。
前半も後半も、一護の優しさと迷いが円満に終わる鍵になっているのが良いですね。それでこそ"主人公"だと思います。
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