『BLEACH』 1巻 感想
概要
著者:久保 帯人
初版発行:2002年
デジタル版発行:2012年
発行所:集英社
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発行者による作品情報
感想
師匠、もとい久保先生のセンスが盛り込まれた王道漫画です。絵柄は若干粗削りな感じですが、キャラクターの魅せ方や設定の作り方、ワードセンスはこの頃から傑出していると思います。
特に言葉のチョイスは秀逸で、のっけから名言のオンパレード。
長く続いたBLEACHですが、ともに僕が選ぶ作中トップ3に入る名言です。
前者の台詞は、前半部分でそこまで高潔な覚悟があるわけじゃないと言わせたのが印象に残るコツだと思います。あくまで「助けたい」と思ったから体が勝手に動いて助けただけで、そういう高尚な考えや約束からじゃないぞ、と。あえて前半を言うところも含めて、一護の人柄とキャラ作りの努力が感じられた、所謂「生きた台詞」だなと思いました。
後者の台詞は、一護の"兄"としての信念、家族を想う気持ちが表れていましたね。妹たちの自身も危険なのに一護を心配する姿に触発され、家族を守るために死神化しただけに、その気持ちは強い。裏を返せば、独りよがりな理由で家族を傷つけようとするのは許せないということ。
どこまでも王道を征くグレートな主人公ですよこいつァ…。
設定の出し方も久保先生らしい、味のある出し方です。
まず虚(=悪霊)の存在とその討伐という死神の職務の説明、次に虚の正体を明かすことによって一護と読者を曇らせ、虚を斬った後の説明("死後の"罪を斬魄刀で洗い流し、尸魂界に行けるようにする)で救いを与える。
BLEACHの前にも作品を出していただけあって、読者への魅せ方をわかっているなと思いました。
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