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関西人のマインドがたまによみがえる。

私は18歳まで関西で過ごし、大学入学で上京して以来関東地方で生活をしている。
もう関西人歴より関東人歴の方が長くなってしまった。

標準語(東京の言葉)をすっかりマスターして、今では誰にも関西出身だと気が付かれることはない。
むしろ関西出身だと言うとものすごく驚かれるくらい関東の皮をかぶることに成功している。

関東で生きていくにはそれが必要であり、私は東京に憧れて上京したので悪い気はしない。
もちろん故郷も好きなのであるが、日本で一番大きい都市である東京で勝負したいという謎の向上心を高校時代にもった結果、都内の職場で働いている(住んでいるところは埼玉だが。でも埼玉は住むには最高な所)

でもたまに関西人のマインドがよみがえる。
一つは下記の記事で書いたような気持ちである。
「面白い」を追求したくなる時である。

それ以外にも関西人のマインドがよみがえることがたまにあることを思い出した。

それは買い物をする時である。

買い物といっても日々の買い物では関西人マインドは発動されない。いつもの買い物はものすごく大人しくすませる。

しかし大きな買い物になると俄然関西人マインドがよみがえってくるのだ。

それはどういうことかというと、大きな買い物になると値切らなければ気が済まないということである。

普段は無駄遣いもするし、割高でも便利ならそれでいいと思っている。
4歳と2歳の子どもを育てていて色々あるので、自分のストレス解消や、割高でも自分が時間をさけないことに対するサービスは積極的に受けて、そこにはお金を使ってもいいという生活をしている。

そういうところにお金をつかうのはどうも思わない。

しかしかなり高価であるマンションや車を買う時には私の関西マインドが発動される。

高額な買い物をする時は値引き交渉をしなければ気が済まない。
関西人マインドがよみがえる私にとってそれはもはや義務のようなものである。

マンションを買う時はまさに勝負であった。
マンションの販売会社との交渉や、銀行とのローンの金利の設定は私にとって負けられない戦いであった。

マンションの営業の人には私たち夫婦にマンションを売ることで、どんな得があるかを提示して値引きをせまる。
銀行にも私たち夫婦とローンを組むことの利点を説明して、その分金利を下げてもらおうとする。

私たち夫婦は社会的に比較的安全かつ安定性のある仕事をしていることを強調して、それだけに安くして欲しいと訴えた。
粘り強い交渉のすえに納得いく額の値引きをしてもらうことができた。

銀行は幸運なことに、値切っている過程でいろいろな雑談をしていくうちに銀行の担当者が、義父の本家や分家の一族と懇意にしていて、取引きが多いことが分かってきた。
若手の頃にはじめて営業に行ったのも義父の一族のうちの一人だったらしい。
そこで親切にされたのが担当者の人には印象深かったようだ。

そんな一族の末席にいるならまあ取りっぱぐれもないし恩を売っておいても損はないと担当者の人も判断したらしく、低金利のローンを組むことができた。

マンション購入の時には関西人としての最低限の仕事はできたと自己満足ができたのである。

「それなんぼ?」、「まけてや」の精神が私の中には確実にあって、それは何年関東で過ごしても変わらないものなのだと思う。

価格交渉をすることは売る側には迷惑かもしれない。ただ高額なマンションや車はある程度の値引きを前提としての価格設定をしているとも聞く。

そして価格交渉をする中で、担当者とコミュニケーションを取ることができ、この営業の人から買いたいなと思ったり、このお客さんに売りたいなと思ってもらえたりすることがあると私は考えている。

高額な物を買う時は人生の大きな決断であるので「ください」、「どうぞ」と普通の買い物のようにはいかない。

関西流の「それなんぼ?」、「まけてや」の中にある売り手と買い手のコミュニケーションが大切なのでないかなと私は思っている。

ネットで買い物ができる世の中で、人と対面しなくても物が買える世の中ではあるが、対面してコミュニケーションを取ることで、売り手と買い手の関係性が生まれてそれが私たちに何か豊かな物をもたらすのではないかと考える昭和生まれの私である。

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