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擬似専業主夫体験から得たもの

私の家庭は完全にフルタイム共働き世帯である。私と妻は同じ仕事をしていて年収はほとんど同じ。職場は違うが仕事上のポジションもほぼ同じ。

だから家事育児は平等に分担することにしている。朝は妻が家事育児を全て行い、夜は私が家事育児を全て行う。昼間は保育園の先生たちが子どもの世話をしてくれている。

時間差勤務の制度を利用して、私は家族が寝静まっている間に仕事に行く。その代わり夕方に帰って、寝かしつけるまでの家事育児をする。妻は朝、保育園に送るまでの家事育児をすべて担う。その代わり私たちが寝静まったころに仕事から帰ってくる。

お互いの家事育児のやり方があり、一緒に協力して行うと揉める原因になるので、心穏やかに平等に家事育児をするのために、このスタイルが構築された。

娘が保育園に行き出してから3年経つが朝早く仕事に行って昼間は働き、夜は家のことをするという生活が続いている。ワーキングファザーという立場で暮らしている。

そんな状況の中で、私がいつもと違う専業主夫という立場になることがある。
それは子どもが病気になって、仕事を休み家で子どもの面倒を見る時である。

このような時は擬似専業主夫体験をすることになる。自分の普段の生活とはちがうスタイルを何度か経験して感じたことがある。

ワーキングファザーと専業主夫の違いは一つだけ。圧倒的に他者評価があるかないかである。

仕事をしていると、職場内や職場外の人から褒められることがある。いくつになっても褒められるのは嬉しいものである。他者評価があると自分がやっていることについて、冷静に振り返ることができる。

専業主夫の立場を経験してみて感じるのは圧倒的に孤独なのである。
家事を手早くかつ丁寧に済ませても特に評価はされない。

もともと仕事も人から評価をしてもらうためにしているのではないが、それでもやったことに対してフィードバックがあるというのはやりがいにつながる。

専業主夫体験をしてみて一生懸命やってもフィードバックがないというのが一番印象的なことであった。自己評価のみでやる気を見出して、モチベーションを維持していくのは大変だと思った。

他の人の立場や生活スタイルを理解することはかなり難しい。実感的に体感的になることが出来ず、想像するしかないからである。

しかし、子どもが病気になり仕事を休むということは専業主夫の擬似体験ができた。
ワーキングファザーと違った難しさが想像できた。

私は自分以外の立場の人がどのようなことに直面しているか理解したいと思っている。理解はできなくても想像はしたいと考えている。

さまざまな立場の人がいることを理解したり想像したりすることができる人が増えることでしか、多様性が尊重する社会を実現できないと思っているからである。

そのためにも非日常の経験から学ぶことを大事にしたい。

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