虚構日記「656日」
656日というのは大学2年の秋から大学4年の初夏に相当する日々だった。
656日の始まりの日は、雨が降っていた。
たしかきみは雨の日なのにサンダルを履いていた。
わたしには今まで、雨の日にサンダルを履くなんて概念がなかったもんだから、たまげたよ。
656日の366日目も、雨が降っていた。
きみはわたしに、花をくれた。
656日の冬のある日に、温泉でくつろいだ。
この前の雪の日に、家の郵便ポストまで行くのにサンダルを履いて出たら流石に寒かった、と笑うきみにわたしは心底たまげたよ