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見方を変えればあれもこれも材料。「トルティーヤプレス機」をDIY。

 一度上がったものはそう簡単には下がらない。「血圧」しかり「価格」しかり。コロナの影響から木材価格が高騰した「ウッドショック」が起こってから早数年。価格は高止まりでベニヤ板の価格も依然としてコロナ前の倍ほどの価格。DIYの材料選びも慎重にならざるを得ない状況が続いています。
そのような中、今回のネタもご多分に漏れず木材を使うわけなのですが、まずはちょっと趣向を変えてホームセンターの木材コーナー以外でコスパの良いものがないか探してみました。

 今回DIYするのは大好物のタコスに必要な皮「トルティーヤ」を作るための『トルティーヤプレス』という生地を潰す道具です。食べものをつくる物なので「なるべく清潔」で、プレス機という性質上「耐久性」があり、ある程度の生地の大きさにするため余裕のある「板幅と厚み」のサイズが必要。という条件のもとホームセンター内を物色。生地をつぶすメイン材料になる「板材」とハンドルに使える木の「棒」を探していきます。

 まず、調理器具コーナーで見つけたのが板材の代わりになる「桐のまな板」。1000円以下という値段もさることながら幅240mmx長さ420mmx厚み19mmと今回の材料として十分なサイズ感。なんと言っても厚みがあって良い。これが木材コーナーで売られていたらもう少し高いのでは。まな板という普遍的な道具だからこその金額なんでしょう。これは使えます。

 もう一つ「ハンドル」に使用する材料が必要です。このパーツも耐久性が必要で硬質な木材がよく、かつハンドルなので握りやすい形状がよい。ただの木の棒であれば木材コーナーでも見つかりますが、ハンドルとして使うにはある程度加工が必要だし、なんだかちょっと見た目も物足りない。もう少し頃合いの良いものはないかと、工具コーナーを物色していたところトンカチの「柄」を発見トンカチ売り場には、交換用に色々なサイズのハンドル部分だけが売られています。トンカチだけに丈夫な「樫の木」で作られていて耐久性抜群。握りやすい形状に加え価格が500円ほどとリーズナブル。その他必要な金具類を調達し準備は完了という事で、それでは作って行きましょう。

材料

総額2000円ほど
  • 木製まな板(厚みは20mmほど)2枚

  • トンカチの柄(ハンドル) 1本

  • 蝶番

  • L型ステー 2個

  • M6ナット&ボルト 約35mm2本と 約20mm1本

  • 穴付きプレート 1つ

  • クッション(滑り止め)3~5つ

作り方

 見た目から作り方の察しがつく方も少なくないかと思います。要は「テコの原理」をつかったプレス機。「支点」と「作用点」にあたる部分に作るポイントがあるので見ていきましょう。

まずは、トルティーヤをプレスする板2枚を丸くカットするための下書きをします。
今回は約Φ220mmの円でカットするので、それに近い適当なお皿を型代わりに使います。
端材も後で使用するのでなるべく端の方から部材を取っていくようにしましょう。
ちょっとわかりにくいですが左側が下側になる方で、
ハンドルの「支点」になる金具を取り付ける部分が上にあります。
一方、右側は上に被せるほうで取り付け部分はありません。
支点の取り付け部分は「ハンドル」とそれを挟み込む
「L型ステー(金具)」が設置するスペースになります。
ジグソーでカット。左が上板。右が下板。
ハンドルの「支点」部分を作っていきます。ヤスリで削っているところは、
本来トンカチの鉄部が差さるところ。
少し傾斜がかかっているので先端から30mmほどのところまで
フラットなるよう削っていきます。
フラットになったら、削った中央部分をボルトを通す為にΦ6mmで穴をあけます。
画像の様にL型ステーでハンドルを挟んでボルトで留めます。
下板に取り付け位置をマークします。
「L字ステー」をボルトで取り付けるためΦ6mmの貫通穴をあけます。
補強のために裏から「穴あきプレート」をあててナットで締めます。
2枚の板を「蝶番」でつなぎ合わせます。
この際に板と板の間に「10枚のコピー用紙」を挟んだ状態で蝶板を取り付けてください。
少しの隙間ができ潰しすぎない丁度よいトルティーヤの厚みを作り出すコツになります。
次は「作用点」となり力が掛かる場所に端材から切り出した「あて板」を取り付けます。
この板を取り付けることで下げたハンドルが板に当たりしっかりと圧力をかけることができます。
あて板も他の板と同じ様に端を丸くカットしてボンドとビスで留めます。
空いた穴には「おがくず」と「ボンド」を混ぜ
パテ代わりに埋めて置くと仕上がりがきれいになります。
裏にクッション材をつけておくと滑らず使いやすく、見た目もよく仕上がります。
完成です。


今回つくったプレス機で作るには、ピンポン玉より
少し小さいぐらいの量をつぶすのにが適量かもしれません。
まな板あった「魚」と「人参」どちらのマークを活かすか悩みました。今回は「魚」マークで。
タコスの具材は、豚の「軟骨」と「ブロック肉」を柔らかく煮込んだもの。
何をのせても大概美味しくなるのがタコスの良いところ。

あとがき

 視点を変えれば「まな板」は材木になり、「トンカチの柄」はハンドルとなります。自由なDIY精神は、本来の使い方以外の新たな価値を創出すると信じています。既成概念を取り払うとホームセンターは宝探しの場のようにもっと楽しいところになるでしょう。と偉そうに言いたいところですが、なるべく安く済ませたいただの「貧乏性」な苦肉の発想でしかないんですけど。

ちなみにフラワー(小麦粉)トルティーヤの作り方も参考までに
-材料-
中力粉か強力粉 250g
ラード(溶かして )70g
ぬるま湯 (40度ぐらい)100ml
塩 小さじ 半分

-作り方-
先に“溶かしラード”を小麦粉全体になじませてから、“ぬるま湯”を入れてこねる。ラップを掛けて“30分”ぐらい寝かせる。油をひかずに焼くだけ。

写真:薮内 努 https://www.instagram.com/yaboo/

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