見出し画像

漫画の影響を受けて、自分なりの「思考の型」を作ろうとトライしている話

こんにちは。
株式会社リブセンスでPdM(プロダクトマネージャー)を担当しているあずまと申します。
Livesense Letter」の隔週火曜担当として、4回目の投稿になります。

今回は、今試してみている工夫に関して書いてみたいと思います。


業務における課題感と、漫画の一節が結びついた

現在自分は、事業創出というミッションの元、新規事業部にて、事業化に向けた調査・企画・検証等を行っています。

「新規事業」というと華やかなイメージを持つ方もいるかも知れませんが、目的や業務のあらゆる面で極めて曖昧さが強く、その中で粘り強く可能性を探し追求していく、極めて泥臭い業務だなと感じています。(勿論、だからこそ経験出来る面白さもありますが。)

業務を行う中で、自分の力不足を日々痛感しているのですが、課題感の一つとして、「良いアウトプットを安定的に、より効率的に出せるようにしたい」という思いが有りました。

そんな中の、3月のとある休日。
しばらく読めていなかった『青の祓魔師(加藤和恵,集英社)』を読んでいたのですが(息抜きも大事ですよね。)、18巻で、面白いくだりに出会いました。

諸刃の剣である自身の能力を使いこなすため、訓練をしている主人公。主人公の所作を見ていた指南役が、所作に合わせて一つ一つ、ちょっとダサめの技名を命名していきます。それに不満を持った主人公が指南役に突っかかり、以下のような会話が繰り広げられます。

主人公(奥村燐):
「技名考えるだけでもはずいのに絶対適当だろ!せめてもっと漢字とか使ったカッコイイのにしてくれよ」
~中略~
指南役(シュラ):
「あのな、技を考えるのには意味があるんだぞ」
今までの戦いで有効だった一つ一つの動きに名前をつけて然るべき時に然るべき名で呼び出す」「それが"技"だ
頭の中で動きと名前を結びつけて覚えて管理することが出来れば炎に振り回されることも少なくなる」
~中略~
「それには単純で覚えやすい名前がいい」

なるほどなーと。
正直「漫画として、見せ場を分かりやすくするために技名を設けたんだろうな」くらいに思っていたので、こういう背景まで用意されていたのかと、妙に感心させられました。

と同時に、「もしかして、自分の業務に何か活かせるのでは?」と感じました。



そうだ、思考を型化してみよう

冒頭に書いた業務上の課題感に戻ると、「良いアウトプットを安定的に、より効率的に出せるようにしたい」というものでした。
言い方を変えると、アウトプットの質にムラが出たり方針決めに毎回時間がかかり生産効率が高くない(と感じる)点に、課題意識を持っているということです。

これは結局、
 ・よいアウトプットを出せた際の思考方法を正しく認識できていない
 ・そのため、よいアウトプットを出せた際の思考方法を再現できない
ことによるのかなと考えます。
(「よいアウトプットとは何かを定義できていない」という観点もあると思いますが、こちらは今回の本筋からそれて膨らむので割愛させて頂きます。)

そこで、「良いアウトプットを出せる思考方法(観点・流れ)を整理し、『型』としていつでも必要に応じて想起し、活用できる状態にできれば良いのではないか?」と考えました。

画像1


「業務」ではなく「思考方法」であれば、曖昧さが強い環境においてもきっと何かしら再利用できる可能性が高いだろうし、

上手く型化できれば、新卒など新しくメンバーに加わる方にノウハウとして提供でき、個人だけでなく組織としての再現性もあげられるかも知れない、と考え、トライすることとしました。(現在進行中です。)



自分が好きな本を再読し、自分の言葉を交えつつ型化していく

とはいえ、いきなり「思考方法を型化しよう」といっても、そんなにぱっと思考方法が浮かぶものでもないし、そもそも浮かんだものが本当に良いアウトプットに繋がるかも怪しいなと。

ということで、今まで読んできた本の中で、「思考・生産プロセス」という意味で自分が特に信頼をおかせて頂いている本を再読し、今の自分に必要だと思う部分を抽出して型化することにしました。

具体的には、下記2冊をベースにすることにしました。
(勿論、他に良いと思う本が浮上した際は、適宜追加参照していきます。)

拙い頭で悶々と考えるよりも、再読しながら、自分が得た経験を紐付けて、自分なりの言葉に落とし込むほうが、精度も効率も良さそうだと、やりながら感じています。



型作りで工夫したいところ

型をどう作っていくかのルールづくりも大事だろうなと思いました。
あまりルールが多くなりすぎてもしょうがないので、現状は、下記の3つを意識して型を作ってみています。


1: 型ひとつひとつを、あまり大きく(冗長に)しすぎない

ひとつの型に関して、あまりに情報量が多すぎると、「型をなぞるだけの人」になる危険性があるかなと考えました。忠実に型に則ることを意識しないと型を使えない状況は、本意では有りません。
そこで、ひとつひとつの型において、「逐次処理的内容であれば、処理回数をできるだけ少なく」「観点補完的内容であれば、観点数をできるだけ絞って」作っていくように心がけることにしました。
活用こそするものの、型にハマらないように意識していきたいところです。


2: 型に、型の目的が分かる名前(タイトル)をつける

先述した漫画の指南役の話と関連しますが、型に名前を付けることで、想起性を高めようとしています。「あの時はあの型をつかったな」とか「今はどの型を使えば良さそうかな」と考える時に、名前(タイトル)があったほうが勝手が良さそうだなと。
また、「その型の目的」を名前につけるようにルール決めしました。この点は、領域や目的は違うものの、下記の本を参考に考えました。

この本の2章4節にて、下記のような記述があります。

...変数名に詰め込める情報はあまり多くない。だけど、名前につけた情報は変数を見るたびに目に入ってくる。だから、もし絶対に知らせなきゃいけない大切な情報があれば、「単語」を変数名に追加すればいい。...

本では、「他人が自分のコードを見た際に」というニュアンスで書かれている印象を受けましたが、これは、自分自身が改めて見た際に関しても言えると感じました。そこで、型の目的が分かるような名前をつけることとしました(例えば「伝わるドキュメント構成」とか)。

そうすることで、型の目的を正しく認識しつつ、その型の存在を記憶に残せるのではないかなと期待しています。


型化をやってみて感じる副次的メリット

実際は、型化して終わりとは思っていません。型化したものを実際に活用して、型にコメントを残したり微調整していきながら、手垢を付けていくことで、しっくり来るものが出来上がっていくのだろうなと考えています。

その意味でも、今回のトライはまだ始まったばかりで途方もないなと感じてはいるものの、型作りを始めただけでも既にいくつか効果を感じています

一つは、型化という実践的な目的を設けることで、使えるレベルまで落とし込んで読む意識が強まること。
普段だと「それっぽいなー」と分かった気になって流してしまう内容でも、「自分が実践するとして本当に使える?」「過去に戻って使えるとしたら?」など、自分の現状や経験と紐付けながら、より解像度を高めて咀嚼出来ている気がします。

もう一つは、そうやって解像度高く理解しようとしていく中で、自分の思考の癖や欠陥、未熟さなどに気付くきっかけが得られることです。
例えば自分の場合でいうと、「アブダクション」の概念を正しく理解してなさそうだなと気づき、こういった本を読むきっかけになったりしています。

業務に向き合っていると、案外基礎的な部分の欠落に気づかないし、抽象的な概念の欠落なので他者からはわかりづらく、未強化のままになっている部分もありそうだと気づきました。
型化を通じて、自分の総合的な思考力もより強化できそうだなと感じています。


終わりに

色々記載しましたが、日々の業務と並行してしっかり続けていけないと、当初の目的を達成できずに終わるので、引き続き頑張って行きます。
(宣言して自分を追い込む意味でも、今回noteに記載させて頂きました(笑))

もう少し続けて見て、改めて良い効果がうまれたら、その時はまたnoteを書けたらなと思います。

今日で、社会人になってちょうど丸3年。
良い意味で危機感を持って、一層の成長と成果創出に向けて頑張っていきたいなと思った夜でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?